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World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記–  作者: 星砂糖
第1章 –World Wide(ログイン1日目)-
31/287

ノース竜騎士団

ギリギリ間に合いました。

GW末に見直し予定。


メニューに『クエスト』を追加しました。

これに伴い、2話「ランダム職業」と12話「w3の歩き方(チュートリアル)−残りのメニューと歩き方−」にクエストについての記載を行いました。


内容はメニューに追加と、クエストの進捗具合が確認でき、クエストごとにメモ書きができる旨の説明です。

僕とミヤビちゃんは、東の森の湖から街へと続く道を進んでいる。

ミヤビちゃんはコックスーツからドレスアーマーに着替えるのを忘れていたので、歩き出してすぐ装備変更したけど、性能的にこの辺であればコックスーツでも十分戦えるらしい。

初心者装備で戦えるくらいだからね。

ステップボアにはやられそうになったけど。


作ったのは調理台等をくれたミヤビちゃんのお姉ちゃんらしく、基本的に服作りをメインにしているらしい。

ミヤビちゃんにはプレート装備がいいと知ると、他プレイヤーと協力して武器や防具に加えて、調理台などの各種雑貨も揃えてくれたそうだ。

もしかしなくてもシスコンだと思う。


せっかくのミヤビちゃんとの縁だし、タイミングが合えばお姉さんに防具作りを頼んでもいいかもしれないね。

妹に手を出すな!って拒絶されるかもしれないけど……。


相変わらず少し距離を開けて進んでいると、森を抜けて草原に出た。

やっぱり、この道はモンスターと出会わないね。

何かあるのかもしれないけど。


「このまま街に戻るけど、素材の取り忘れとかはない?」

「は、はい。大丈夫です」


素材の取り忘れは無いらしい。

すでに集め終わったのか、あるいはレベル上げのために森にこもってたのかもしれないね。

修行かな?


後は街へと続くほぼ直線の道を進むだけで、出てくるモンスターもブラウンラビットやグリーンフォックス程度だから楽だね。

グリーンフォックスは面倒だけど、ブラウンラビットがいれば繰り糸(マリオネット)で倒そうかな。

職業クエストの条件にもなってるし。


そうなるとハピネスは使わないので、収納しよう。

人形を使った職業クエストはいつの間にか達成していた。

多分、蜂かステップボアと戦ってたあたりかな。


人形の館(ドールハウス)、ハピネス収納、人形の館」

「わっ!」


空間が割れてハピネスが収納される。

ミヤビちゃんは後ろにいたので、現象に驚いたみたい僕の方に駆け寄って来た。


「あ、あの、ハピネスちゃんはもう使わないんですか?」

「うん。ここから街までは糸だけで戦えるからね」

「そ、そうなんですか」


質問が終わったからか、元の位置に戻るミヤビちゃん。

そこが定位置なんだね。


「あ、そういえば言ってなかったけど、僕の職業は他の人に話せないから気をつけてね」

「えっと、話せない……ですか?」

「うん。☆5職業は珍しいから他のプレイヤーに狙われるかもしれないんだ。だから、他の人に話したり、掲示板に書けないようになってるらしいよ」

「そ、そうなんですか。私は、あんまり他の人と話さないので、問題ないです。け、掲示板も見るだけですし……」

「そっか。まぁ伝え忘れてたのを思い出しただけだから、気にしないでね」

「は、はい」


言わなかったらお姉さんに話してたんだと思うけど、その時になって話せないことに驚かれると困るからね。

ちゃんと伝えたから、何かの拍子で話しそうになっても問題ないかな。

言葉にできないのか、聞き取れないのかはわからないけど。

僕が話しても聞き取れてないから、同じだと思うんだけど、こればっかりはやってもらわないとわからないね。


そういえば、湖で休憩した時ハピネスを出しっぱなしにしてたけど大丈夫かな?

距離もあったし、赤い何かを持ってる程度だと思うけど。

まぁ仮にバレても僕に迷惑がかからなければいいから、気にしないでおこう。

戦闘後で警戒してたとはいえ、収納しなかった僕のミスだしね。


「きゅー!」

「キュアァ!」


そんなことを考えながら草原を進んでいるとシロツキトバリが飛び立ち、草むらに突っ込んでいった。

何か見つけたのかな?


シロツキとトバリが戻ってくると、それぞれが後ろ足でグリーンフォックスを掴んでいた。

湖で受け取った魚と同じだね。


「お、オキナさん。あの、その、シロツキちゃんとトバリちゃんがグリーンフォックスを見つけてくるので、私たちで倒しましょう」

「モンスターを連れてきてくれたのか」


てっきり狩りをしに行ったのかと思ったけど、グリーンフォックスは掴まれたままで光になってないから、トドメはこっちでやれってことかな。


ミヤビちゃんが槍を構え、それを確認したシロツキがグリーンフォックスを離す。

地面に落ちてダメージを受けたグリーンフォックスに対して、ミヤビちゃんが槍を突き入れると、HPバーが砕け散って光になった。

すでにHPは半分になってたので簡単に倒せたみたいだね。

まぁ、森のモンスターでも苦戦せずに倒せるんだから、この辺のモンスターなら問題ないか。


「キュ!」


ミヤビちゃんを見ていて動かない僕にしびれを切らしたのか、トバリが目の前にグリーンフォックスを投げつけてきた。

もう一匹もミヤビちゃんが倒すのかと思ってたけど、1人1匹なんだね。

言葉が通じないからわからないよ。


繰り糸(マリオネット)


すでにHPは半分を切ってるので、軽く振り回して地面に叩きつけると1回で倒せた。


「す、すごい戦い方ですね」

「うん。僕もそう思うよ」


森の中ではハピネスで戦ってたから、繰り糸(マリオネット)だけで戦うのを初めて見たミヤビちゃん。

素直な感想だね。

僕も当事者じゃなかったらそう思うはずだけど。


その後もグリーンフォックスやブラウンラビットをシロツキとトバリが捕まえてきて、僕とミヤビちゃんがトドメをさすという一方的な戦闘が続いた。

そのおかげで繰り糸(マリオネット)を使って倒す職業クエストもクリア条件を満たせた。


後はゼロワンさんに報告するだけだ。

工房がどうなるか楽しみだけど、どっちかというと報酬の「?????」が気になる。

人形用の素材かもしれないし早いうちに報告しに行こう。

PK集団から素材を手に入れたとはいえ、まだまだ足りないからね。


「ん?人が大勢いるな」

「そ、そうですね。何かあったんでしょうか?」


草原と畑を区切っているロープの草原側に20人ほどの集団がいた。

その集団の横には体長1m以上の竜もたくさんいた。

シロツキやトバリのようなトカゲに羽が生えた竜や、羽根がなく4足で力強く立っている竜、翼と手が一体化した翼竜など、種類は様々だった。


「も、もしかしたら、ノース竜騎士団かもしれません」

「ノース竜騎士団?」

「は、はい。私の職業クエストを担当してくれている、セルゲイ団長が居ます、ので……」

「へー。どの人が団長なの?」

「えっと、こちらに背を向けてる、大きな斧を背負った赤い鎧の人です」


ミヤビちゃんが指差したのは、集団に向けて何か叫んでる人で、真っ赤で竜の鱗のような鎧に身を包んでいる。

髪はないので剃ってるかハゲてるかだけど、後ろからは年齢がわからないね。


「あのハゲの人?」

「せ、セルゲイ団長は剃ってるだけで、は、ハゲてるわけじゃないですよ?」

「そうなんだ」


ハゲじゃなくて剃ってるらしい。

まぁどっちでもいいんだけどね。


演説が終わったのか、セルゲイ団長が腕を振って指示を出すと集団が散ってそれぞれ竜の元に行った。

横にいたのはやっぱり騎竜なんだね。

シロツキやトバリと比べると大きさの差が激しい。

方や小柄な女の子の頭や肩に乗れるサイズで、方やミヤビちゃんを乗せれそうな大きさの竜ばかりだ。

判断基準がミヤビちゃんなのはちょうどいいサイズだからだよ。


竜騎士団を眺めながら近づいていくと、こちらに気づいた1人がセルゲイ団長に話しかけたみたいで、セルゲイ団長が振り返りってこちらに向かってくる。


「チビっこ!元気か!」

「ち、チビっこじゃありません!ミヤビです!」

「はっはっは!まだまだチビっこじゃないか!はっはっはっはっは!」


セルゲイ団長は2m近く30台ぐらいのおじさんだ。

そんな人が小学生を見たらチビっこになるだろうね。

僕から見てもミヤビちゃんは小さいし。


「お前さんは誰だ?このチビっこにいるのは姉だと聞いているが……お前さんは男だしなぁ」


セルゲイ団長が目を細めて僕を見てきた。

怪しんでるんだろうね。

さて、素直に話して納得してくれるのかな?


「お、オキナさんは私を助けてくれたんです!」

「ぬ。そうなのか……」


話そうとしたところミヤビちゃんが割り込んでくれた。

それのおかげか、セルゲイ団長の目は元に戻った。


「して、チビっこ。何から助けてもらったんだ?」

「えっと、その、赤色と黒色が混ざった何かが、体から出ていた人達にに襲われました」

「ふむ。犯罪者か。何人に襲われたのだ?」

「ろ、6人です」

「ほう。それをお前さんが倒したと?」


ミヤビちゃんと話していたセルゲイ団長が聞いてきた。

確認のためだろうけど、初心者装備の男が助けたとなったら信じづらいよね。


「はい。ちょっと変わったスキルを持ってるので、それを使って助けました」

「そうか。冒険者の中には変わった奴が多いからな。こいつを助けてくれて礼を言う。ありがとう」

「いえ。たまたま居合わせただけなので」


セルゲイ団長が陽の光を浴びて輝く頭を下げてきた。

団長に頭を下げられる必要はないと思うんだけど、面倒を見てる子が助けられたからかな。

いい人だね。


「それでもだ。礼ぐらい受け取ってくれ」

「そうですか。わかりました」

「うむ。そういえば名乗ってなかったな。俺はメルカトリア・ノース竜騎士団の団長をやっているセルゲイだ。お前さんの名前を聞いてもいいか?」

「はい。オキナと言います」

「オキナか。チビっこが無茶しないように気にしてやってくれ」


ミヤビちゃんと一緒に行動するつもりはないんだけど、ここは頷いておこう。

気にするだけならフレンドになって、やりとりすればいいだけだしね。


「わかりました」

「うむ!ではな!」


セルゲイ団長は踵を返し、真っ赤な竜の元へと向かった。

その竜はシロツキ達と同じ形状ながらも、ひときわ大きく3mほどあった。

セルゲイ団長でも乗れそうだ。


龍を連れて先頭に立ったセルゲイ団長が何かを叫んだら、周囲の竜が一斉に光だしそれぞれ5倍くらいに巨大化した。

セルゲイ団長の竜に至っては20mぐらいあるね。


「あ、あれが竜騎士(ドラゴンナイト)のスキルで巨大化(バトルモード)です。り、竜を大きくして乗れるようにするだけでなく、ぶ、ブレスの威力も上がってますし、鱗や爪も硬くなるんです」

「へー。すごい光景だね……」

「で、ですね」


竜騎士団の面々はそれぞれの鞍みたいなものを付けて跨り、セルゲイ団長の号令とともに飛べる者は飛び、飛べない竜は駆け出した。

何をするつもりなんだろう?


「竜騎士団は何をするつもりなの?

「た、多分ですけど、周辺の安全確認だと思います」

「そうなんだ……竜に乗って周囲の警戒……」


知らない人が見たら、モンスターの襲撃に見えるんじゃないかな?

よくよく見ると、それぞれの竜には人が乗ってるし、竜本体にもメルカトリア王国の紋章が描かれた前掛けが付けれられてるけど。


「じゃあ、街に入ろうか」

「は、はい」


全ての竜を見送ってから畑に挟まれた街への道を進む。

畑作業をしていた人は呆然と空を見上げていたので、竜騎士団を知らなかったようだ。

騒ぎにならないことを祈っておこう。


ステータス(戦闘で消費)


名前:オキナ

種族:人族

職業:人形使い(ドールマスター)☆5

Lv:4

HP:130/130

MP:43/650

ST:113/113

STR:13

VIT:13

DEF:13

MDF:130

DEX:315

AGI:13

INT:260

LUK:50

ステータスポイント:残り16


スキル

繰り糸(マリオネット)Lv:2〕〔人形の館(ドールハウス)Lv:1〕〔同期操作シンクロアクションLv:1〕〔工房Lv:1〕〔人形作成ドールクリエイトLv:1〕〔自動行動オートアクションLv:1〕〔能力入力スキルインプットLv:1〕〔自爆操作(爆発は主人のために)Lv:1〕〔〕

スキルスロット:空き1

スキルポイント:残り10


職業特性

通常生産系スキル成長度0.01倍

通常魔法使用不可

武器装備不可

重量級防具装備不可


装備

・武器1:装備できません

・武器2:装備できません

・頭:なし

・腕:なし

・体上:冒険者のローブ

・体下:冒険者のズボン

・足:冒険者の靴

・アクセサリー1:なし

・アクセサリー2:なし


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ミヤビ含め他プレイヤーの竜騎士(ドラゴンナイト)は、まだ見習い段階です。

つまり、本話で登場した竜騎士団はすべてメルカトリア人です。

職業クエストを進めることで入団できます。

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