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World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記–  作者: 星砂糖
第1章 –World Wide(ログイン6日目)-
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ハチミツを頂いて撤退

バトルエリアが解除されたので、全員で空瓶に痺れハチミツを汲みながらボスとどう戦うか話し合う。

何度考えてもキングパラライビーを抑えることができなさそうなんだよね。


ミヤビちゃんがキングパラライビーの相手をする場合、シロツキに乗っている状態でキングパラライビーの剣を槍や盾で受けると落下する可能性が高い。

乗っている時はシロツキの出す速度を利用して相手の攻撃を弾くんだけど、開けているとは言っても森は森。

狭いから速度はそこまで出せない。

一度上に上がれば降下しながら出せるかもしれないけど、その時は他の人が狙われてしまいそうだ。


エアアーマーを使ってハチミツの上で受け止めた場合はグニグニする都合上踏ん張れない可能性が出てくる。

キングパラライビーの剣を見た感じ、綺麗に防げるとしたら正規の盾職と受け流しを覚えている人達くらいだろうとミヤビちゃんに言われるぐらいだ。


それはセインが精霊剣を持ってキングパラライビーを相手にしても同じだ。

剣を振る補助はできても受け流し等の技術的な事はできない。

それをするなら剣術スキルなんかの武器系スキルを取るしかないんだけど、取ってすぐに使えるわけじゃないからどうしようもない。


僕が相手をした場合も同じで、ラナンキュラスやハピネスで受け止めたとしても軽すぎて吹き飛ばされる姿が見えた。


一番可能性があるのはしのぶさんが避け続ける事なんだけど、その間にクイーンパラライビーを攻撃したら狙われそうだから結局同じことになる。


全部想像しただけで本当にそうなるかわからないんだけど、勝てる自信がない以上戦うのは避けることになった。

できれば初回討伐ボーナスは欲しいんだけど、せめて後1人増やしてフルメンバーで挑むつもりだ。

誘う相手はいないけど。

ナックルやマサムネちゃん達はそれぞれ使役する必要があるからね。

源さんにお願いするのもありかな。


「終わりました」

「私もです!」

「私はこれで最後ですね!」


うららさんとミヤビちゃんは終わり、しのぶさんは最後だけど、僕とセインはまだまだかかる。

今回は僕よりセインの方が空瓶の数が多いので、集め終わったら軽く探索してみようかな。

具体的に言うとラナンキュラスに同期操作(シンクロアクション)をして、空から周りの様子を確かめようと思う。

上手くいけばエリアボスの向こう側が見えるかもしれないし。


「終わりました!周囲の警戒をしています!」

「私も周りを飛んでみます!」


そう考えながらハチミツを汲んでいると、しのぶさんが宣言して近くの木へ飛び登り、ミヤビちゃんがシロツキに乗って飛び立った。

しのぶさんはどんどん身体能力が上がっているように見えるけど、レベルアップやステータス強化かな。

もしかしたら新しくスキルを取っているのかもしれないけど。


「僕も終わった。セインは?」

「あと6つー」

「了解。じゃあ、僕も偵察みたいなことしてみるね。同期操作(シンクロアクション)


汲み終わったのでセインを待つ間、予定通り空から巣の向こうを見ようと思う。

ラナンキュラス以外をアイテムバッグに収納して耐久値の減り具合を確認してからスキルを使う。

格納した中で1番減っているのはハピネスだったけど、まだまだ半分には届かない。

ラナンキュラスも接近戦でよく使っているから後で確認しないと。


というわけで駆け抜ける翼(ヴァルキリーウィング)を使って空へと上がったんだけど……目の前は蜂ばかりだった。

正確には僕が飛び上がると同時にパラライビーも飛び上がり、壁を作って奥を見せないようにしてきた。

これにはシロツキとミヤビちゃんも驚いたみたいで、大きく羽ばたいて距離をとった。

元から近づくつもりはなかったけど、それで正解だと思う。


空中にはキングパラライビーはいないけど、たぶんパラライビーの壁に近づいたり攻撃を加えたらエリアボスと戦闘になるはずだ。

だから、少し離れたところから見える範囲を確認する。


パラライビーによる壁の隙間からチラチラ見えるのは花畑が少しと、遠くに生えている大きな木ぐらいだ。

方角は北西の方だから、北の鉄鉱山の先に広がっていた森かな。

地底湖の先から行ける場所だと思う。

その他に目ぼしいものはないので、一通り周りを眺めた後降りる事にした。

降りる時に南の方で渡り鳥の集団みたいなものが見えたけど、遠すぎてよくわからなかった。


「お帰り。(じぃ)がラナンキュラスちゃんで飛び立った瞬間、キングパラライビーの向こうからパラライビーが一気に飛び上がったんだよ。ちょっと怖かった……」

「あー……それは、なんというか、ごめん」


同期操作(シンクロアクション)解除すると、まだハチミツ汲んでいたセインに少し怒られた。

いきなり目の前でパラライビー達が動き出したら驚くよね。

戦闘になるかもしれないのに自分はハチミツを汲んでいる状態だから即座に戦えないことも怖さを増す要素になっていると思う。


「何も無かったからいいけどね〜。それで、何か見つけた?」

「うーん……壁が邪魔で目新しい物は見えなかったかな。チラッと花畑が見えたのと、北の森にあった大きな木らしきもの、あとは南に渡り鳥っぽい集団がいたぐらいかな」

「ふーん。花畑に何かあるのかな?」

「ありそうだね」


一面マナポーション用の花だったり、特殊な効果のある物の可能性もある。

ただ単に綺麗な場所であれば来る途中の花畑でいいからね。


「それじゃあ宝探しを使ってみてよー。もしかしたらおこぼれ的に何かあるかもしれないし?」

「おこぼれ……まぁ、いいけど。宝探し」


無かったとしてもちょっとガッカリする程度だからね。

と思ったけどキラリと光る物が3つあった。

それを全部拾ったんだけど、3ともローヤルゼリーだった。

巣から流れてきたのかな。


「ローヤルゼリーを3つ拾った」

「おー。巣を壊した時に拾ったアイテムだよね?壊さなくて手に入るなら良かったんじゃない?」

「そうだね」


巣が見つからないからなかなか手に入らないし、ありだと思う。

ただ、これでエリアボスの向こうに何があるかはわからないけど。


その後キングパラライビーや他のパラライビー達に近付かないように気をつけながら宝探しを使ったんだけど、追加でアイテムが見つかることはなかった。

たまたま使った場所に集中していたみたいだけど、戦闘で流されたりしたのかもしれない。

結構バシャバシャと波立たせながら戦っていたからね。


「終わったー。お待たせー」

「お疲れ様です。こちらも糸の作成が終わりました」

「この後はどうしますか?」

「とりあえず東の草原へ向かってレベル上げでしょうか?」

「そうですね。それでいいと思います」


セインがハチミツを汲み終わったタイミングで、うららさんも素材を糸にする作業が終わったようだ。

警戒のため離れている2人を除いてこの後どうするか話し合った結果、ひとまず東の草原へ行く事になった。

ミヤビちゃんとしのぶさんに確認する必要はあるけどね。


「私は行きたいところがないのでいいですよ!」

「私も大丈夫です!」


しのぶさんとミヤビちゃんに確認した結果、反対もなく東の草原へ向かう事になった。

レベル上げが目的なので、道中のモンスターは積極的に倒す事になったんだけど、夜だからあまり動いているモンスターは見つからず進めてしまう。


寝ているワイルドベアはセインの精霊剣が全部当たるし、スイングボアも体が大きいのでほとんど当たる。

それでも体力が多いので反撃を食らうことはあるけど、誰も倒れず大きなステップボアなんかが出て来るところまで来れた。

後はここを抜けて草原に出るだけだ。


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