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World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記–  作者: 星砂糖
第1章 –World Wide(ログイン6日目)-
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海に出るか相談

朝早かった分、昼食を取った後少しのんびりしてからログインすると、セインが待っていた。

噴水広場のベンチに座っていたんだけど、その周囲には街の子供達や主婦がいて何か話している。


噴水広場にはセインのように街の人と話している人が何人かいるんだけど、みんなセインのように街中のクエストをたくさんクリアしたのかな。

今から受けるのかもしれないけど。


「さっきの船で届いてるはずなのよ〜」

「私は船室の荷下ろしを手伝っていたんですけど、動物は見てないですね。甲板にいたのかなー?」

「動物を運ぶ場合は獣使い(ビーストマスター)や牧場主が連れてくる場合が多いのよ〜。だから、身一つ可能性もあるわよ」

「ねぇねぇセインちゃん。お菓子は?お菓子はあった?」

「う〜ん。全部木箱に入っていたからお菓子かはわからなかったけど、きっとあるよー。お母さんにお願いしてみよっか」

「うん!お母さん!お菓子欲しー!」

「仕方ないわね〜。ご飯を食べてからよ」

「わ〜い!セインちゃんありがと〜」


主婦らしき2人とその子供3人がセインの周りにいて、子供は男の子2人と女の子1人いる。

男の子は話に興味がないのか周囲を駆け回っているんだけど、女の子はそれに混ざらず母親と手を繋ぎながら話に参加していた。

荷下ろしした物について話していたけど、メルカトリア王国に何かを注文していたのかな。


主婦が注文する物は食材や家財道具かダイエット機器具というイメージがあるけど、ここなら性能のいい武具の可能性もある。

フライパンや包丁で戦う料理人がいるんだから、街の主婦が同じように戦っても不思議じゃない。


「セインお待たせ」

「あ、(じぃ)。それじゃあ仲間も来たので行きますね」

「あら、なら私たちも行くわね。またお店にいらっしゃい」

「はい!また行きますねー」

「さっきの件もよろしくね」

「任せてください!」

「セインちゃんバイバ〜イ」

「バイバーイ」


お菓子の話で一区切りついたようなのでセインに話しかけると、別れの挨拶をした後同じ方向に向かって行った。

走り回っていた2人の男の子も母親に駆け寄り、お昼に何が食べたいか話していたので、この後買い物に行くんだと思う。

女の子もお菓子を買ってもらえるからか、「お菓子♪お菓子♪」とスキップしていた。


「お待たせー」

「さっきの人達は街の人だよね?」

「うん。東にある魚屋さんとお肉屋さんの奥さんとその子供達だよ。魚屋さんが男の子2人でお肉屋さんが女の子1人。女の子はミリエナちゃんって言うんだけどすごく可愛いんだー」

「そうだね」


ミリエナちゃんは色白で少し茶色っぽい金髪の小学校1年生くらいの子供だった。

他の子供達や街の人もそうだけど、メルカトリア人は基本的に日本人ではない風貌なので、僕たちからすると見慣れていない分余計に可愛く見える。


「何か頼まれていたけど、まだ少し時間があるから手伝おうか?」

「んー。大丈夫だよ。お肉の仕入れを個人的に頼まれたんだけど今の私なら戦えるし、足りていないのも少しだけだからねー」

「わかった」


足りていないということは、今まで倒したモンスターのお肉を頼まれたんだと思う。

今のセインならステップボアでも余裕で倒せるだろうし、大丈夫だといわれたから無理に手伝うのはやめよう。

仮にワイルドベアが相手だとしても、精霊をソードにしてストライクで放てば勝てなくはないと思う。

セインは1人でワイルドベアに向かうようなタイプじゃないので、手伝ってほしいと言わない時点でワイルドベアではないんだろうけどね。


「時間まで少しあるから、ここでのんびりするー?」

「そうだね。それしようか」


急いでやる事もないし、ゲーム内の食事は全員揃ってから取ればいいので、時間までベンチに座って雑談することにした。


「ん?うららさんからだ」


セインと話し出したらうららさんからメッセージが届いた。

内容は『全員ログインしているので時間にはなっていないけど集合しないか』というものだった。

こちらは時間を潰しているだけなので、すぐにセインと僕は問題ないことと、今は噴水広場にいるのでどこへでも向かえると返した。


「こんにちはオキナさん、セインさん」

「あれ?うららさん?しのぶさんとミヤビちゃんまで。えっと、こんにちは」


返事をして少しするとうららさん達がやってきた。

僕達が噴水広場にいると伝えたので、ここを集合地点にしたらしい。

その説明を受けた後それぞれ挨拶を交わした。


「それじゃあ行きましょうか。工房」


昼食を取るために工房へ移動する。

手に入れた魔導ボートについては食事をしながら話す予定だ。


「お帰りなさいませオキナ様。皆様もいらっしゃいませ」

「ただいま」

「この時間ですと食堂でしょうか?」

「そうです」

「かしこまりました。ご案内いたします」


ゼロツーさんの案内で食堂へ向かう。

ゼロスリーさんは食堂にいなかったんだけど、僕達が席に着くと同時に入ってきて、僕達から食材とオーダーを聞くとすぐに厨房へ向かった。

誰かが僕達がきたことを伝えに行ったのか、あるいは食堂に入るとゼロスリーさんにわかるのかもしれない。

今度時間がある時に聞いてみようかな。


「船を手に入れたんですか!」

「凄いです!」

「街のクエストを進めていくとそんな事になるんですね」


昼食を取りながら魔導ボートを手に入れた経緯を話した。

うららさんも街で生産しているよりも外で戦うことが多いので、街中のクエストをこなしていくとこんな事になるのは知らなかったみたいだけど、あの船は毎日寄港するわけじゃないので、そう頻繁にあるクエストじゃないと思う。

そもそも、冒険者ギルドのように明確に受ける受けないをウィンドウで出されることはなく、あくまでもお願いなんだとセインが説明してくれた。


「船というよりボートですけどね」

「それでも街で売っている物より高価な物ですよ!」


しのぶさんの言う通り、街で売っているのはただの手漕ぎボートなので、はめ込む魔石があるかどうかは置いといて、高級品なことに変わりはない。

売っているの物の大半は中古品で、新品のボートになると0が1つ以上増えるぐらいだけど、僕達がもらった魔導ボートだと中古品でも新品の手漕ぎボートぐらいの値段になるかもしれないらしい。

やっぱり荷物を運んだだけで貰える報酬としては豪華すぎたんだね。


「それで提案なんですけど、せっかくなので東の森に行く前に少し海に出ませんか?」

「『南の孤島』に行くんですか?」

「そこまでは考えていないです」


ミヤビちゃんに解放された島に行くか聞かれたけど、とりあえず手に入れたボートを使って海に出たいだけだったので、そこまで考えていなかった。

南の孤島に行くとしたらエリアボスのいる『故)海賊の住処』にも行くことになりそうなので、できればしっかりと情報を仕入れてからにしたい。

スケルトン系のモンスターだけなら大丈夫なんだけど、他にもゴースト系がいるかもしれないし。


「私は行きたいです!」

「私も大丈夫です!」

「私も大丈夫です。楽しそうですね」


しのぶさん、ミヤビちゃん、うららさんが賛成してくれた。

セインには雑談をしている時に確認したので問題ない。


「行ってらっしゃいませ、オキナ様」

「行ってきます」


話もまとまったので、食堂を後にして転移室から街へ戻った。

あとは海へ出るための準備なんだけど、何がいるんだろう。

釣竿とか投網?

漁に出るわけじゃないから投網はいらないか。


とりあえず必要なものがあったとしても港付近で手に入るだろうから、掲示板を見ながら向かうことにした。


今日から金曜日まで宇都宮に出張のため、執筆時間が取れないかもしれません。

明日以降更新がなければそういうことです。(保険)

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