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World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記–  作者: 星砂糖
第1章 –World Wide(ログイン6日目)-
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ゴーレムvsゴーレム

鉄の守護者を倒したので、坑道の奥へと向かう。

僕達は鉄の守護者を周回するつもりはないからね。


坑道に入ったら、まずは崖の方へと向かい、リトルロックゴーレムを蹴散らしながら採掘ポイントを回る。

いつもはハピネスに掘ってもらっていたんだけど、今回からクローバーにツルハシを渡すことにした。

ハピネスは前に出ることがあるし、その時は両手を切り離すことが多いからで、その点クローバーはほとんど僕の近くにいるから、パチンコとツルハシの交換が楽だ。

ハピネスだと手を付けてから持たせることになるからね。


ラナンキュラスは槍と盾で手が塞がっているし、アザレアから杖を取り上げるのは考えられない。

騎士人形にツルハシの柄を向けても受け取ろうとしなかったので、使うなら繰り糸(マリオネット)で操作する必要があるんだけど、そうなるとまた自動行動(オートアクション)を設定し直す必要がある。

採掘用の人形を用意できない以上、消去法でクローバーに任せるのは仕方がないと思う。


セインが召喚した地属性のちーちゃんが僕にはわからない採掘ポイントを見つけてくれるので、結構な数の鉄鉱石が手に入った。

これからロックゴーレムを10体倒しにリトルロックゴーレムが沢山出るところを抜けて段に向かうつもりだけど、その間にある採掘ポイントでどこまで増えるか楽しみだ。


「なにこれ……」

「すごいわちゃわちゃしてるね……」


採掘場を越えてリトルロックゴーレムがたくさん出てくるところに来たんだけど、いつも以上にゴーレムがいた。

細かい岩がくっ付き合ってできたリトルロックゴーレムと、土でできた茶色くて全体的に四角いゴーレムがひしめき合っている。


リトルロックゴーレムの攻撃で土のゴーレムの腕が取れたり体に穴が空いているんだけど、土だからかすぐにくっ付いたり穴が塞がっている。

逆に土のゴーレムの攻撃はそこまで効いているようには見えないんだけど、何度攻撃を受けても立ち上がってくるので着実にダメージを積み重ねて倒している。


中には攻撃を受けて土の塊になって立ち上がらないゴーレムもいるんだけど、鉄の守護者と1人で戦っていた女の子が土に触れるとパッと光り、またゴーレムになって戦いに戻る。

女の子自身はリトルロックゴーレムに囲まれないように走り回っている。


セインの精霊と同じく注いだMPが尽きるまで戦うタイプに見えるね。

しかも、特に指示を出す必要はなさそうだから、僕の自動行動(オートアクション)みたいなものなのかな。

もしかしたら作る際にある程度指示を出しているのかもしれないし、オートとマニュアルで分かれているのかもしれない。


鉄の守護者と戦っていた黒いゴーレムは土のゴーレムより機敏に動いていたし、相手の動きに合わせて攻撃していたから女の子が操作していたかかもしれない。

ここで黒いゴーレムを出さない理由はわからないけど、モンスターを数で倒すことでレベル上げをしているんじゃないかな。


土人形使い(ゴーレムマスター)ってこんな戦い方なんだねー」

「僕達とは違った戦い方だね」


セインの精霊使い(エレメンタルマスター)は精霊に指示を出すか、精霊のレベルを上げて自分で行動してもらう。

僕の人形使い(ドールマスター)は自分で操作するか、自動行動(オートアクション)であらかじめ決められた行動をとるか、自動人形(オートマタ)を作って思考しながら戦ってもらうかだ。


こう考えると人形使い(ドールマスター)のできることが多い気がするけど、それは☆5だからだろうね。

工房なんてものがあるくらいだし。


リトルロックゴーレムと土のゴーレムが広範囲で戦っているので、数回襲われただけで段へとたどり着いた。


朝早いからなのか、所々に戦っていないロックゴーレムがいる。

降り切ったところは数体のロックゴーレムがいるのでさすがに戦っているパーティがいるけど、段のところは1段以上空けて戦っている。


誰とも戦っていないロックゴーレムに魔法を打ち込んで自分のところにおびき寄せる人がいれば、段を移動してロックゴーレムと戦う人もいるんだけど、採掘をしている人は1人もいない。

すでに採掘が終わったから戦っているのか、採掘をしないのかは僕にはわからないけど、採掘ポイント付近で戦闘をしている人もいるので、少し回りづらそうだ。


(じぃ)、どうする?」

「採掘ポイントを回りつつ、近くにいるロックゴーレムを倒そうか」

「わかった。戦闘していたら?」

「戦闘が終わるまで待つつもりだけど、連続でロックゴーレムを引き寄せているなら諦めようかな。別に全部回らないとダメってわけじゃないし」

「そうだねー」


戦闘をしている人に近づくのは流れ弾に当たる可能性が出てくるし、向こうからするとPKされるかもしれないと無用な警戒をさせてしまう。

ツルハシを担いでいたとしても、採掘目的に見せかけたPKだと思われるかもしれないので、近づかないのが正解だ。

向こうから声をかけてくれたらその限りじゃないんだけどね。


「これで10体」

「結構早く終わったねー」


採掘ポイントを回りつつロックゴーレムを倒しながら石を拾っていたんだけど、苦戦することなくクエストをクリアできた。

とは言っても繰り糸(マリオネット)を繋いで少し離れたところで切断。

こっちに向かって来る間にハピネス達と精霊で攻撃。

近くなったらまた糸を繋いで遠くに移動ということを繰り返したせいなんだけどね。


繰り糸(マリオネット)を繋いでいると精霊の攻撃は通らなくなるし、かといって後衛2人でロックゴーレムを抑えるなんてできない。

人と同じぐらいのサイズだからすぐに近づいて来るし、ずんぐりとした体型に長い腕が付いているせいで間合いが広く、近づかれると僕達では避けきれない。

ミヤビちゃんとしのぶさんのありがたみがわかる戦闘だった。


「これからどうする?ロックリザードでレベル上げする?」

「うーん……そうしようかな」

「わかった。じゃあ地底湖へ行こう」

「うん!」


戦闘している人達に近づかないように気をつけながら段を降りる。


「あ。またあの子だ」

「今度は黒いゴーレムだね」


2人で石を拾いつつ降りていくと、途中の段でゴーレムがゴーレムと戦っていた。

今度はロックゴーレムと黒いゴーレムが戦っていて、黒いゴーレムの上には女の子が乗っている。


今回は武器を出さず殴り合っているんだけど、3m近い黒いゴーレムに対して150cmほどのロックゴーレムがワラワラと集まって来る様子は、鉄の守護者と戦うプレイヤーのように見える。

近接戦闘を挑んだパーティがちょうどあんな感じだった。


黒いゴーレムの剛腕から放たれるパンチを受けてロックゴーレムが吹っ飛び、太い足で踏みつけられて地面に転がる。

掴まれて叩きつけられているロックゴーレムもいて、追撃で殴られて倒されている。


鉄の守護者より戦い方に容赦がないんだけど、これで操作していないとしたらどんな命令をしているのか気になる。

だけど、黒いゴーレムの頭の上に乗った女の子がマナポーションを飲んでいる間は動きが止まっていたので、たぶん操作していると思う。

まさかポーションを飲んでいる間は止まるように作られているなんてないよね……。

自動行動(オートアクション)みたいなもので細かく条件付けしているならできそうだ。


色々話を聞いてみたかったんだけど女の子はまだまだ戦うようで、黒いゴーレムに乗ったまま段を移動してロックゴーレムを蹴散らしている。

なので、諦めて地底湖へ向かうことにした。


現在いただいている誤字報告に対する修正は月末になりそうです。


急に出張が増えたのと、12月は忘年会なるものが多く土日の時間が取れません。

あと、新しく始める気晴らしの準備に追われているのもあります。

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