通電する鉄の守護者
申し訳ありません。
疲労爆発で寝過ごしました。
投稿したのでもう一度寝ます。
セインをに鉄の守護者になる鉄鉱石の山から離れたところで待機してもらう。
鉄の守護者に触れて起こすのは僕の役目だからね。
「人形の館、ハピネス、クローバー、アザレア、ラナンキュラス来い!繰り糸!」
ゴーレム坑道に来るまでの道は騎士人形しか出していなかったので、ハピネス達を取り出して糸を繋ぐ。
そしてハピネスは両手を外し、ラナンキュラスは駆け抜ける翼を展開してから鏡写しの盾を使って鉄の守護者の近くに移動させる。
クローバーとアザレアは僕の近くで、僕の後ろにセインという配置だ。
「魔法少女の杖・雷。セイン。準備はいい?」
「いつでもいいよ!らいちゃんもバッチリ!」
ラナンキュラスの杖を雷に変えたら僕の準備は終わり。
セインも準備は終わっているようで、周囲に6体の精霊を浮かべている。
精霊の数が多い理由は、職業専用掲示板に指示の出し方が書かれていてそれを実践するためだ。
とは言ってもやることは簡単で、複数の精霊に同じ指示を出す場合連続で名前を呼ぶだけなんだけどね。
「それじゃあ触れるね。ランス!」
アザレアの杖から雷の槍が放たれる。
その槍は鉄鉱石が積み重なった山に直撃したんだけど、その鉱石を撒き散らすことはなかった。
攻撃を受けた小山が少し震えたかと思うと、鉄の守護者が組み上がった。
他の人達が戦う時にスキルで攻撃していたので、僕も同じ方法でやってみた。
鉄の守護者のHPはほんの少ししか減っていないけど、先制攻撃としてはいいと思う。
起き上がった鉄の守護者はハピネスとラナンキュラスを一瞥すると、僕へと視線を向けてきた。
そして、地面に転がっている石を掴むと、勢いよく投げてきた。
「拒絶の壁」
MPを100消費してアザレアの機巧を使う。
出現した魔力の壁は飛んで来た石飛礫を受け止めてもまだ残っている。
以前僕当たった時はHPが1/3まで減ったから警戒していたんだけどね。
あと、僕とセインだと離れているせいで石飛礫が多くなるみたいで、今も新たに石を拾っている。
「突き抜ける槍!ランス!」
「みんなショット!」
ラナンキュラスの槍が放電しながら伸びる。
それを鉄の守護者に突き立てると同時にハピネスが切りつけながら炎を放射し、アザレアの雷の槍とクローバーのパチンコから鉄球が放たれる。
セインも召喚していた精霊にショットの指示を出したんだけど、あの言い方で8体分のショットが飛ばせるんだ。
全部召喚すると9体の精霊によるショットになるんだけど、それをしないのは攻撃以外の指示を出すのに慣れが必要だからで、今回はほとんど固定砲台のように戦ってもらうから6体になった。
しのぶさんやミヤビちゃんが入れば属性付与でもっと召喚するかもしれないけど。
鉄の守護者はラナンキュラスの攻撃を受けると一瞬止まり、そこにハピネスの攻撃が集中する。
さらに、ラナンキュラスの雷の槍が当たった時も止まり、クローバーの放った鉄球と6色のショットが直撃する。
その中にらいちゃんのショットも含まれているので、さらに動きが止まるので、距離を取る時間が稼げた。
「らいちゃんでも止まるね!」
「そうだね。ボールじゃ止まらないみたいだけどランスなら止められるし、僕達なら一方的に攻撃できるんじゃないかな」
「私も爺も発動まで時間がかからないからね!」
他の人達が戦っている時に、近接職が貫通攻撃を当てたと同時に魔法使いがスパークランスを仕掛ける場面が多くあった。
貫通攻撃をすると少しの間硬直するんだけど、スパークランスを受けた鉄の守護者は反撃しないかしても簡単に避けられていた。
それをよく観察していると、スパークランスを受けた鉄の守護者が硬直していることに気づいた。
スパークボールだと止まらなかったので、ある程度威力のある雷属性の攻撃をすると電気が流れて止まるようだった。
ミヤビちゃんと一緒に鉄の守護者と戦った時にスパークボールで感電したことは覚えているんだけど、ランスはトドメを刺す時に使っただけだから気づかなかった。
あの時に知っていればもっと楽に倒せたかもしれない。
普通のパーティだとランスを連射することはできないけど、アザレアは魔道具を使っているので可能だ。
ラナンキュラスの槍も機巧を使えば雷属性で攻撃できるんだけど、アザレアのランスと違って雷メインじゃないので止まる時間は少し短い。
その分、貫通攻撃でダメージが大きいんだけどね。
そして、らいちゃんのショットでも止まることがわかったので、ここからは鉄の守護者の動きに注意しながら雷属性で攻撃して、動きが止まったところに他の攻撃を集中するだけだ。
保険としてラナンキュラスの攻撃は左腕に集中させる。
腕を壊して奪うためだ。
鉄の守護者動きに気をつけながら突き抜ける槍やスパークランス、らいちゃんのショットで攻撃する。
止めることができるのは一瞬なので、動き出せば石飛礫は飛んでくるし、徐々に近づいて来ているので拳の範囲に入らないよう距離を取る必要がある。
しかも、雷属性は弱点ではないみたいで、精霊のショットも他の属性と同じ程度しかダメージを与えれていない。
それでも動きを止められるだけでも十分なんだけどね。
「爺、あのモンスター赤くなってきてるけど大丈夫?」
「どうだろう。動きはそこまで変わってないけど……」
魔法は効きづらいのでダメージはそこまでない。
それでもラナンキュラスの貫通攻撃のおかげで着々とHPが減り、もうすぐ1本目が半分になるというところで、ラナンキュラスの攻撃やスパークランスの直撃を受けていた部分が赤くなっていることに気づいた。
警戒して攻撃しつつ更に距離をとり観察してみたけど、特に変わった様子はない。
特別柔らかくなったわけでもないみたいで、ラナンキュラスの槍が深く刺さったりしなかったので、とりあえず攻撃を続けることにした。
「爺!」
「わかってる!一直線に並ぶのは避けよう!」
HPバーが半分を切ると、鉄の守護者が体勢を低くしてタックル放ってきた。
向かってきている途中でも、スパークランスやらいちゃんのショット受けると一瞬止まるんだけど、一歩が大きいせいですぐに距離を縮められる。
ランスとショットを交互に放ちながら左右に展開することでなんとか避けることができたけど、当たらなかったことに気づいた鉄の守護者は僕に向けて再度タックルしてきた。
今度のは避けるのが間に合わない距離だった。
「爺!!らいちゃんショット!」
「ランス!ランス!ランス!
セインがらいちゃんに指示を出してショットを放ち、僕もアザレアにランスを連射させているけど、一瞬止まりつつも距離を縮めてくる鉄の守護者。
装備を変えているとはいえ、直撃したら一撃で終わりそうなタックルが迫ってくる。
横にズレても少しなら方向を変えることができるので走ることは諦めて、一か八か糸で逃げようと指を壁に向けた瞬間、僕と鉄の守護者の間に何かが飛び込んできた。
ガンッと音を立てて吹っ飛ばされたそれは騎士人形だった。
盾を構えて鉄の守護者に向かっていった騎士人形だったけど、踏ん張ることはできずに弾き飛ばされる。
それでもタックルの勢いは落ち、いきなりのことで糸を放つのを忘れてしまった僕でも避けることができた。
地面を転がった騎士人形はゆっくりと立ち上がり、へこんだ盾と剣を構えて鉄の守護者へ向かっていく。
ずっと鉄の守護者から離れていたので、攻撃の邪魔にならないように距離をとっていた騎士人形だけど、1回目のタックルで距離が近づいたせいで鉄の守護者へと向かうようになったのかな。
石飛礫の時は広範囲だったから動けなかったようだし。
何にせよ無事だったので攻撃を再開する。
できれば感電してほしいんだけど、結構雷属性で攻撃している割に一度もしない。
それでも騎士人形が間に入ってくれたのと、糸による回避のおかげでなんとかなっている。
一度糸を使って遠くに行き過ぎたせいでセインが狙われた時は焦った。
幸いタックルじゃなくて石飛礫だったので一撃で倒れることはなかったけど、それでもHPは半分に減った。
距離があったのでクローバーを向かわせるよりもポーションで回復してもらった方が早いので、狙われるために鉄の守護者に近づくくことで回復の時間を稼いだ。
その時は石を投げる直前だったので、狙いを変えてすぐに投げてきた。
焦っていた僕は何もできずに石飛礫を受けて1/3ほどHPを減らした。
それは即座にクローバーで回復したので戦闘には問題ないけど、動きが止まってしまったので、危うくタックルを受けるところだった。
とっさに壁に向けて糸を放って回避できたからよかった。
焦らず戦いたんだけど、2人だとどうしても余裕がなくなってしまう場面が出てくるね。