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World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記–  作者: 星砂糖
第1章 –World Wide(ログイン5日目)-
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キングパラライビーは後回し

サキちゃん達が去っていったので、僕達も街へと戻ることにした。

しのぶさんが警戒してくれているおかげでスイングボアとは遭遇せずに昼間なら普通のステップボアが出てくるエリアに戻ってこれた。


途中ワイルドベアが寝ているところを遠目で見ることができたんだけど、ハニーベアがいなくて女性陣ががっかりしたり、ハニーベアが出現する場所で少しながら進んだ。

なぜか起きているモンスターと遭遇せずにここまで来れたので、色々探す余裕があったんだ。


それは今も同じで、もしかしたらだけど他の人達が街に戻る際に倒しているからかもしれない。

タイミング的にはサキちゃんとメイドさんかな?


昼間にステップボアが出てくる場所は、夜になると突撃コウモリやナイフオウルが出てくるはずだけど見当たらない。

痺れキノコや雑草魂はチラホラ見かけるんだけど、東に抜けるて前と違って活動的じゃないので無視できる。

なので、しのぶさんもある程度警戒を緩めたみたいだ。


「あの、オキナさん。遅くなりましたがありがとうございました」

「え?どうしたんですかうららさん」

「私のお願いを聞いたせいでハピネスちゃんに穴が開いてしまいましたよね?落ち着いた今ならお礼を言えると思ったんです。本当にありがとうございます」

「いえいえ。どういたしまして」


うららさんからのお礼は受け入れた。

もしも謝ってきていたら色々説明して撤回してもらいったけどね。


確かにうららさんの言葉が愛の抱擁(幸せの形)を意識するキッカケになったけど、あの戦いだったら言われていなくても使っていたと思う。

少なくともスキルを使うためのMP奪うためにアザレアの腹部機巧(ギミック)は確実に使っていたし、苦戦している状況を僕が覆すには腹部機巧(ギミック)に頼るしかない。

一箇所に固まってくれていればクローバーを使ったかもしれないぐらいだ。

各個撃破するとしたらハピネスだからね。


他にも繰り糸(マリオネット)で誰かを操ることも考えたけど、向こうは操られることを知っているから何か対策がされている可能性が高い。

操られているメンバーの防御力が上がることは知られてないかもしれないけど、拘束されたら意味はなくなるからね。


魔法使いであればバインドがあるだろうし、後衛職なら前衛の力で抑えられる。

他にも僕の知らないスキルで対処されたかもしれない。

例えば深い穴を一瞬で掘るとか、ロープで拘束するような技とか。

弓使いだと状態異常で動けなくする技もありそうだ。


そもそも人に繰り糸(マリオネット)を使った経験が少ないから、いざという時に使いづらいんだよね。

口に出す必要があるからスキルは使えないということはわかっているんだけど、人によってステータスが異なるから操作感が違うのかもという懸念もある。


こればっかりは色々試してみるしかないんだけど、まずはもっとモンスターを操ろう。

繰り糸(マリオネット)で操ることを選択肢として選べるくらいには使いこなさないといけないと思う。

そのためには対戦で経験を積むのもいいかもしれない。


「やっぱりもっとスキルを使いこなせるようになるべきだよね!」

「私は手数です!忍術系のスキルを増やそうと思います!」

「私はシロツキちゃんとトバリちゃんとの連携です!」

「攻撃方法よりも妨害を強めたいです。そのためにはもっと強い糸が必要です」


一度話し始めると止まらなかった。

PK集団との戦いでどうするべきだったのかとか、それぞれがどこを伸ばしていくかという話になり、前衛は手数で後衛はスキルを使いこなすことで落ち着いた。

僕は相変わらず人形を作れるようになることと、操作をうまくできるようになることが課題だ。


そして、話題はキングパラライビーをどうするかという話になった。


「まずは私達が戦うかどうかですが、今の私達では勝てないと思います」

「僕も同じ意見です」

(じぃ)に同じ」

「ですね」

「クイーンパラライビー2体でも苦戦しそうです」


うららさんの評価に反対する人はいなかった。

なので、明日リベンジするということはなくなった。

少なくともさっき上げた課題をある程度こなしてからだ。


「そうなると夜であれば花畑を超えられるということやキングパラライビーの情報を掲示板に書き込むかという話になるのですが……」

「キングパラライビーがエリアボスだったら初回討伐ボーナスが貰えるんですよね?」

「そうなりますね。アナウンスもないので誰かが倒しているわけではありませんので、最初に倒せば貰えるはずです」


掲示板にキングパラライビーについて書かれていても、クイーンがいるならキングもいるんじゃないかという内容だけだった。

つまり、あの場所はまだ見つかっていないか、見つけた人が秘匿しているということになる。


セイン質問にもうららさんは答えたけど、あくまでキングパラライビーがエリアボスだった場合の話だ。

僕達は撤退したのでエリアボスかどうかは確認できていないからね。


「掲示板に書き込めば人が殺到しそうですね!」

「それに、夜になるとパラライビーが大人しくなることを知っていれば、すぐに見つかりそうです」

「しのぶさんとミヤビちゃんの言う通りですね。書き込む必要はないかと思います」


しのぶさんとミヤビちゃんの意見に賛成して書き込まない方向で話を進めた。

僕もできれば能力入力(スキルインプット)で選択できるスキルは欲しいから、わざわざ競争相手は増やさなくていいと思う。

探索していればすぐに見つかるはずだしね。


「わかりました。掲示板には書き込まないでおきましょう。そうなると明日はどうしますか?」

「東の草原を探索するということでいいんじゃないでしょうか。まだ、どこも探索が進んでませんし何か見つかるかもしれませんよ」


しのぶさんの情報によると東西南北のエリアが解放されたけど、その先に進んでいる人はそこまでいないらしい。

しかも、1番探索が進んでいるのは南で、色々な小島やモンスターに素材が発見されているようだ。

海なので船が必要だけど移動し始めたら速く、一度にたくさんのパーティを運べるので探索も進みやすく、船の中に生産設備を用意してポーションなどの補給もできるようになっているそうだ。

それでも街から離れるとモンスターが強くなるし、レイドボスを倒すには至っていないので、大航海というわけではないいみたいだけど。


「僕はそれでいいですよ」

「私もー」

「私もです!」


というわけで明日も東の草原を探索することにした。

色々話しているうちにヌシ釣りの森を抜け、街へと続く草原を進んでいたけど、ブラックドッグはシロツキ達が倒してくれた。

さすがに草原のモンスターが出現しなくなるまで倒しているわけではなさそうだ。


「それではまた明日13時に!」

「はい。よろしくお願いします」

「お休みなさい」


最初にログアウトしたのはうららさんとミヤビちゃんだ。

僕とセインはこの後ポーションの補充に、しのぶさんは武器の手入れと可能であればパラライソードの強化を行うらしい。

手入れをするだけなら源さんじゃなくてもいいので、街の鍛冶屋に持っていくそうだけど、武器の強化か……。

ハピネス達も強化できるといいんだけど、今の所そういうスキルはないから何か考えておいたほうがいいのかもしれない。

今のところ戦えているけど、先に進むとどうなるかわからないからね。


「それでは私はここで!」

「はい。また明日」


噴水広場でしのぶさんと別れたんだけど、黒一色なのですぐに見えなくなった。

あえて路地裏を通るあたりワザとだと思う。

もしかしたらレベル上げのためにスキルを使うためかもね。


「それじゃあ僕達も行こうか」

「だね!そうだ。明日も朝から鉱石を拾いにいくの?」

「そのつもりだよ」

「じゃあ、私も行くね!拾う人が多い方がたくさん手に入るでしょ?」

「いいの?」

「うん。任せて!」

「わかった。よろしくね」


ポーション屋へ向かう間に明日も北の鉄鉱山に行く約束をした。

鉱山の後は人形作りをするつもりだったけど、セインと2人でレベル上げをしてもいいかもしれない。


「それじゃあ明日」

「うん。おやすみ〜」


大量にあった痺れハチミツを食料品を扱っている店で売ってからポーションを補充し、ログアウトした。

ポーションの補充料金がハチミツの売却で賄えたので、明日もハチミツを採取できるといいな。


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