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World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記–  作者: 星砂糖
第1章 –World Wide(ログイン5日目)-
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対策とホーンラビットと黄色いボール

スイングボアから逃げる時に消費したSTの回復を待ち、マナポーションでMPを回復してから移動する。

体の大きなステップボアや痺れキノコ達を倒しながら進んでいるけど、道中の話題はスイングボアについてだ。


「あの回転をどうすればいいかな?」

「オキナさんが頑張って麻痺させれば何とかなりそうですけど」

「痺れ錫杖で殴ろうとしても弾かれそうなので、やるとしたら刃か玉を飛ばすしかないですね。でも、それも弾かれそうです」

「クローバーちゃんはダメなんですか?」

「だいぶ近づかないとバッドステータスを付与できないので難しいですね。やるとしたら放り投げるしかなさそうです」


戦闘をミヤビちゃんとうららさんに任せて進みながら、セインと話していたしのぶさんに聞かれた。

僕も逃げている最中で思いついたんだけど、クローバーで麻痺させるのは難しいと判断した。

回復するときと同じく、触れられる距離まで近づかないといけないからね。


クローバーを走らせてスイングボアに近づいたら牙で跳ね上げられたり突進を受けそうだから、やるとしたら糸で振り回してから高速で放つ投げ方だけど、回転されると魔法と同じように弾かれると思う。

ランスより遅いからね。


その点痺れ錫杖の刃と玉なら人形に影響はないからやってみる価値はあると思う。

とは言っても簡単に弾かれそうなんだけどね。


(じぃ)は他にモンスターの動きを止める方法はないの?」

「他か……。アザレアがバインドっていう相手を縛る魔法と、成功したらランダムでバッドステータスを付与する呪いの機巧(ギミック)があるけど、バインドは全然使ってないけどスイングボアを止められないのはわかるし、呪いは成功しても動きが止まるとは限らないよ」


セインに言われて思いついたのはこの2つだけど、バインドでスイングボアを止められるとは思えない。

呪いのバッドステータスも何が付くかわからないことに加えて、どういったバッドステータスが存在するかも知らない。

バッドだから何か付けばそれだけで戦況がマシになるかもしれないけどね。


「ふーん。なら、糸を増やしてバインドを使ってみたら?威力は上がるんだよね?」

「あー。それならできるかもしれないけど、2本で縛れるかどうかだね。今度遭遇したらやってみるよ」

「うん」


3本で縛れるとしたても、負荷のこともあるからあまりやりたくない。

それなら呪いをばら撒く方がいい。

でも、試してみないことにはわからないから今度遭遇したら2本でバインドを使ってみる。

それまでに他のモンスターで練習してもいいかもね。


「交代をお願いします」

「わかりました!」

「しのぶさん頑張りましょう!」


うららさんとミヤビちゃんが下がってきて、替わりにしのぶさんとセインが前に出る。

全員での連携を練習する前に、まずは少人数で連携して攻撃できるように組み合わせを変えて戦うことにしたからだ。

僕の場合は機巧(ギミック)を使いこなすところからなので、ハピネス達4体を使った連続攻撃を1人で練習しているけど。


「オキナさん。戦っている時にオキナさんの話を聞いて思いついたんですけど、スイングボアには真上からの攻撃が効くんじゃないでしょうか」

「真上?」

「はい。ステップボアが回転した時周りは危なかったんですけど、上は空いていました」

「確かに……」


ミヤビちゃんの言う通りだ。

最初のしのぶさんの落下攻撃が尻尾で弾かれたから上からの攻撃は効かない印象があったけど、回転中は尻尾も一緒に回っている。

この時に上から攻撃すれば少なくともダメージは与えられると思う。

回転しているせいで攻撃後に変なところへ飛ばされるかもしれないけど。


だとしたら、僕がハピネス達を使って前後や左右から攻撃して回転させたところに、シロツキに乗ったミヤビちゃんと木から飛び降りたしのぶさんが攻撃すればいけそうだ。

これが上手くいけば何度も行えばいいし、途中で警戒されたら普通に攻撃すればいい。

さっきのバインドの件も合わせることができればもっと楽に戦えるかもしれない。

そのためにも練習が必要だ。


スイングボアの頭上について情報共有した後も、それぞれペアを変えながらステップボアや痺れキノコで連携の練習をした。

僕は機巧(ギミック)に頼らずハピネス達の操作を重点的に練習して、ここぞと言う時に機巧(ギミック)を使うようにした。

とはいってもハピネスの場合は攻撃するために機巧(ギミック)必要なんだけどね。

パチンコか小型の弓を用意するのもありかもしれないけど。


「森を抜けます。ここは以前より南なのでブラウンホーンラビットの数が多いはずです」

「わかりました」

「気をつけます!」


しのぶさんの先導で前より南寄りに進んでいた。

これはブラウンホーンラビット1羽ずつ戦う必要もないので、ある程度纏まった数が出るところに向かっていたからだ。

そして、森を抜けた先には3、4羽のブラウンホーンラビットの集団がいくつか見える場所だった。


前回ここにきた時は4羽の集団に対してアザレアのストームやしのぶさんの火遁を連発して何とか勝ったという程度だった。

だけど、今回は連携を意識して戦う。


ミヤビちゃんとしのぶさんがそれぞれ1羽ずつ狙い、しのぶさんのサポートにうららさんが付く。

ミヤビちゃんのサポートはシロツキ達だ。


僕はアザレア以外の3体で1羽を狙い、アザレアはセインが担当するブラウンホーンラビット目掛けて魔法で援護する。

僕は2羽見ないとダメだけど、魔法を撃つぐらいなら問題ない。

話し合った時はハピネスを前に出している間にセインがショットやラッシュで攻撃するという感じになったけど、まだ早いということで断った。

普通のステップボアや痺れキノコで試してからにしたい。


僕がハピネス達で相手をしたブラウンホーンラビットは、ラナンキュラスの盾で突進の出鼻を挫きながらハピネスで切りつけ、動きが止まったところにクローバーのパチンコで狙撃して倒した。

盾をブラウンホーンラビットの目の前に突き出しただけでいい牽制になったし、目の前が盾でいっぱいになるのでハピネスで切る隙ができる。


セインの相手はアザレアの魔法と精霊の攻撃で一方的に倒され、ミヤビちゃんもシロツキ達との連携で問題なく倒している。

しのぶさんの相手はうららさんが投げた新しいスキル『糸縛り・糸玉』に絡め取られて動けなくなったところを、執拗に急所を突かれて倒されていた。

一番一方的だったんじゃないかな。


糸玉は玉状にまとめた糸を対象にぶつけ、その時の衝撃で解けて絡みつくものだ。

手や足といった部位で縛ることもできるうえに、絡みつき方が酷くて容易に解けないのが見てわかるほどだった。


「あれは何をしているんでしょうか?」


ブラウンホーンラビットの集団に対しても何度かペアを変えながら挑み、4羽程度だったら苦戦せず倒せるようになったころ、不思議なことをしているブラウンホーンラビットの集団を見つけた。

黄色地に茶色いラインが縦横何本か入っているバランスボールみたいな物を、角で突いてラリーをしている3羽の集団だった。


「ボールで……遊んでるのかな?」

「見た感じはそうだね。でも、あの黄色いボールも普通じゃないんだと思うよ」

「例えば?」

「近づいたら爆発するとか、実はモンスターという可能性もあるよ」


幸いブラウンホーンラビット達はこっちに気づいていないので、そのまま角で突き続けている。

攻撃をするべきか悩むけど、ひとまず様子をみることんkなった。

もう少し近づけばうららさんが鑑定できるんだけど、ボールの正体がわからない以上無理はしないよ。


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