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World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記–  作者: 星砂糖
第1章 –World Wide(ログイン4日目)-
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セインとの連携方法

女子会化した昼食を終えたので、うららさんに客室への移動の仕方とゼロファイブさんに説明してもらえることを話した。

すると早速使いたくなったみたいで、この場で使おうとしたみたいなんだけど、さすがに屋敷の中では使えなかった。


気になったので僕も工房を使ったんだけど、同じく使えなかった。

使えたら一瞬でホールか転移室に移動できると思ったんだけど、よく考えると転移して来たところが上書きされると最初に使った場所に戻れなくなる。

そうなると外に出れない今だと迷宮を抜けるしかなくなるんだけど、さすがに無理だと思う。

あ、死に戻ればいいのか。


「さて、それじゃあこれからについて決めようと思うんですけど、何か案はありますか?」


急いで転移室へ向かったうららさんとゼロワンさんを見送って、残ったメンバーで今後の方針を決める。

とはいっても北か東になるんだろうけど。

セインが入ったとはいえ、魔法攻撃ではないので西を攻めるのは厳しそうだからね。


「西はエリアボスを探している人でいっぱいなので、東でいいと思います!それに、北の木はまだ早いと思います!」

「私も東でいいと思います。セインさんの精霊で弱点にしてもらってシロツキちゃんやトバリちゃんに攻撃してもらったらダメージが増えます」

「ひかりんとやみみんの出番だね!」


モンスターを闇属性にしたらシロツキのブレスやスカーフのランスで弱点を攻めることができるし、光属性にすればトバリの攻撃が弱点になる。


「それに、私の苦無にも属性を付けてもらえれば火力が上がります」

「うーん。獣だとひーちゃんかな?」


獣は火に弱いイメージがあるけど、たぶんそういうことじゃないよね。

属性がついたことによる追加ダメージの話だ。

しのぶさんは火遁があるから弱点を突くことも出来るんだけど、それをするとすぐにMPが切れてしまうので武器への付与がいいと言ってきた。


ミヤビちゃんも属性攻撃はできないので、余裕があれば属性付与をしてもらって追加ダメージを与えることになった。

セインの精霊召喚数が凄いことになりそうだけど、呼び出すのにMPを消費して、後は精霊が力を使い切るまでは顕現し続けるから数が多いのは大丈夫らしい。

問題は指示が間に合うかという点だけど、そこは頑張ると気合を入れている。


(じぃ)にはどうすればいい?」

「騎士人形ぐらいでいいよ。アザレアの魔法のたびに弱点を設定してもらったらすぐに消耗するからね」

「わかった!いい感じにするね!」


セインの精霊は、1度の召喚で約5回命令を実行できるんだけど、モンスターに属性付与をして弱点属性で攻撃すればその時点で属性付与は解除される。

しかも、武器に付けた属性も命令ほどじゃないけど攻撃のたびに魔力を消費するので、攻撃を続けていると解除される。


セインのMPが続く限り召喚することができるんだけど、2回連続同じ属性の精霊を召喚できないなどの細かい制限もある。

これは、ひたすら弱点を攻められないようにするためなんだろうけど、間に別の精霊を挟めば召喚はできる。

だけど、召喚した精霊に指示を出さなければ好感度が下がって言うことを聞かなくなるらしい。


精霊にも意思があって、レベルが上がれば姿が変わり複雑なこともできるようになるんだけど、好感度が低いと命令を聞かなかったり、果てには召喚に応じなくなることもあるみたいだ。

これは長期間召喚しなくても発生するから、定期的に全精霊を召喚して触れ合うように職業クエストの担当からも言われたそうだ。

色々聞いたけど、結構面倒な制限が多い。

戦い方は人形使い(ドールマスター)より複雑なんじゃないかな。


「うららさんにはどうしたらいいかな?」

「糸に属性を持たせても効果がわからないから、属性攻撃をしてくるモンスターに出会った時に耐性を付けてあげたらいいんじゃないかな」

「りょうか〜い。防御力を上げる感じだね。糸を使って切り裂くなら糸に属性を持たせてもいいと思うんだけどね」

「それは糸使いの戦い方らしいね。うららさんは裁縫師だから縫い付けて動きを阻害するのがメインになるよ」

「属性を付ければ縫いやすくなったりするかな?」

「それは試してみないとわからないかな」


縫うための糸でもダメージはあったから属性を付ければ威力が上がると思う。

だけど、うららさんは糸を頻繁に変えるから付与するタイミングが難しい。

それに、ダメージが増えることとうまく縛れるかは別のことだと思う。

勝手なイメージだから試さないとわからないけど。


「お待たせしました」


ある程度話がまとまったところでうららさんが戻ってきた。

隣にはゼロファイブさんがいたんだけど、僕に一礼するとすぐに戻っていった。


うららさんにいない間に話し合ったことを伝えると反対意見もなく東に行くことに決まった。

うららさんとしては防具の素材が手に入るかもしれないからね。


「じゃあ、行きましょうか」


ハピネス達を人形の館(ドールハウス)に収納してから食堂を出て、玄関ホールに向かう。

階段の踊り場ではゼロフォーさんとゼロファイブさんが談笑していたけど、こっちに気づいたら頭を下げてきた。

別に続けてくれててもいいんだけどね。


「先に出ていてください。ちょっと用事があるので。セインはうららさんについて行ってね」

「はーい」

「うららさんお願いします」

「わかりました。すぐに戻られるんですか?」

「はい。ちょっとアイテムの整理をするだけです」

「なるほど。では、行きましょう」


階段下から工房エリアに出たので、うららさんに頼んで先に行ってもらった。

まぁ、うららさんの案内はゼロワンさんがしているんだけどね。


僕は武具制作室に入ってアイテムボックスを操作する。

源さんが共有化を使って入れてくれた物を確認しに来たんだけど、鍵を持ってるうららさん以外はアイテムボックスが使えないから、見せない方がいいよね。


アイテムボックスの中には鉄の剣と鉄の盾、布袋に入ったパチンコ用の鉄球、それに忍刀(しのびがたな)があった。

まさかしのぶさんの忍刀(しのびがたな)まで作ってるとは思わなかった。

源さんは刀を作るときはスキルを使わないらしいので時間がかかると思ってたんだけど、スキルを使ったのかな!

あるいは小さいからすぐに作れたのかもしれないけど、メッセージも来てないのでわからない。

送られてきていたとしてもその部分が書かれているかは微妙だけど。


アイテムボックスに不要なアイテムを入れて、源さんが作ってくれた物をアイテムバッグに移した。

練習が必要だろうけどこれを使えば剣を振り回して攻撃できるし、盾を使って相手を牽制できる。

パチンコ用の鉄球はクローバーに括り付けて使えるか試してみて、ダメだったら手渡すようにしよう。


忍刀(しのびがたな)に関しては、街に戻ったらすぐに渡そうかな。

いや、念のために森に着いてから渡すことにしよう。

街中で大声を出すのは迷惑になるからね。

ミヤビちゃんとうららさんなら出さないだろうけど、しのぶさんは出しそうなイメージがある。


何にせよ、これでしのぶさんの火力は上がるし、これにセインの属性付与がプラスされたらとても強くなるんじゃないかな。

できれば投げた苦無が当たるようになってくれれば、さらに戦いやすくなりそうなんだけど……。


「あ、ゼロワンさん」

「もう行かれますか?」

「そうですね。転移室へ行きます」

「わかりました。ご案内致します」


武具制作室を出るとゼロワンさんが立っていた。

ゼロワンさんに転移室へ行くと伝えると、案の定案内を買って出てくれたので、後に続いた。


「行ってらっしゃいませオキナ様」

「行ってきます」


いつものようにゼロワンさんに見送られて街へと戻った。

すぐ近くにミヤビちゃん達が待っていたので、合流して東門へ向かう。


そして、シロツキとトバリウサギ狩りを横目に見ながら歩いていると、何の問題もなくヌシ釣りの森に着いた。


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