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World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記–  作者: 星砂糖
第1章 –World Wide(ログイン3日目)-
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クラスメイトと遭遇

アーマーゴーレムを見送ってから周囲を探索したんだけど、特に何も見つからなかった。

ロックアーマーゴーレムの体に使われた岩山が無くなったから何か見つかると思ったんだけどね。


唯一手に入れたのは僕に向かって投げられた『魔力切れのロックアーマーコア』なんだけど、うららさんに鑑定してもらったら、素材にはなりそうにないということがわかった。

鑑定してもらったので説明文が見れるようになったんだけど……。


『魔力切れのロックアーマーコア ☆3

ロックアーマーを作るためのコアモジュールだが、魔力が切れているため使用できず、魔力を充填する方法は不明。

調合、錬金術等の生産で素材としても使用できない。

インテリアとして飾ることで、キラリと光る』


と、表示された。

魔力が切れてなかったら岩を纏えるのかな。

だとしても、僕だと的になるだけだと思うけど。


充填する方法が見つかれば使えるんだろうけど、それまではインテリアとしてしか使えないみたいなので、投げつけられた僕が貰うことになった。

試しに地面に置き視線を向けると、どんな角度からでもキラリと光る謎インテリアだということがわかった。


源さんに頼んで何か土台を作ってもらってもいいかもしれないけど、飾る場所がない。

工房のどこかに飾ればいいかと思ったんだけど、僕の部屋がないから置く場所もない。

これの扱いについては今後考えるとして、工房に行った時にアイテムボックスに入れることにした。


「これからどうしますか?」

「一旦街に戻りませんか?アイテムを結構消耗したので補充したいのと、少し疲れました」


うららさんが疲れた顔で言ってきた。

リトルアイアンゴーレムからロックリザードを経て、ストリングバタフライやシュプラッシュマッシュといった面倒なモンスター。

その後にウォークウッドとロックアーマーゴーレムの巨大モンスターとの戦いだ。

意識したら僕も疲れを感じ出したので、街に戻るのは賛成だ


「わかりました。ミヤビちゃんとしのぶさんも問題ないですか?」

「はい。大丈夫です」

「問題ないです。それに、そろそろ夕食の時間なので、街に着いたら一度ログアウトします」


ミヤビちゃんとしのぶさんはまだまだ元気そうだけど、しのぶさんのいう通りそろそろ夕飯の時間だ。

なので、満場一致で街に戻ることになった。

戻らないとしてもアイテムがないと探索が危険なので、ロックゴーレムを倒すぐらいしかできないしね。


この後の予定を決めたので、ロックゴーレムが岩を砕いていた段へと向かうんだけど、その前にハピネス以外を人形の館(ドールハウス)に収納する。

MPの残りが厳しいからアザレアは使えないし、戻るだけならマナポーションが勿体無い。

ラナンキュラスは飛ばすのにも命令する必要があるので、疲れてると判断ミスで変なところに飛ばしそうで怖い。


収納したのでアーマーゴーレムが走って行った段のところへと続くトンネルを通る。

その先の空間ではロックゴーレムが8体いたんだけど、暖を降りたところで6人組のパーティが2体を相手に戦っていた。

その戦闘音に気づいたロックゴーレムが向かってきていたので僕達は手を出さずに段を登った。

登りきった後に振り返って確認すると苦戦することなく戦っていたので、強いパーティなんだと思う。

最初に見たロックゴーレムと戦っていたパーティは撤退していたし。


「まだたくさん人がいますね」

「鉄鉱石狙いの人と、アイアンゴーレム狙いの人が多そうだね」


リトルロックゴーレムがたくさんいるところでは3パーティが戦っていたし、アイアンゴーレムこと鉄の守護者のところは行きと同じくトンネルの出口の先にも並んでいた。


しのぶさんとうららさんに堅守が欲しくないか聞いてみると、20回戦っても出ないみたいなので面倒だと言われた。

欲しければ1日1回戦って、ボーナスをもらいながらのんびりとやりたいそうだ。

そういえば1日1回貰えるボーナスがあったね。

いつ行っても並んでるし、特に戦いたいわけじゃないから忘れてた。


ゴーレム坑道を出てからは、シロツキとトバリが自由に飛び回るのを眺めつつ街へと戻った。

すれ違うほとんどの人が鉄の守護者目当てで気合十分って感じで、たまにツルハシを担いで陽気に歩いている集団がいたぐらいだった。

気合十分なパーティの中にはロックゴーレムを討伐しに行こうとしている人達もいたのかもしれないけど、見ただけじゃわからない。


「それでは、次は20時でしょうか?」

「僕はそれで問題ないですよ」

「私もありません」

「私もです」

「それでは、時間になったら……取りあえずここに集合しましょうか」

「わかりました」

「了解です!」

「はい」


北門から入ってすぐのところで解散した。

今は17時半を少し超えたところなので、夕飯を食べてお風呂に入る時間はある。

まぁ、20時までに戻ってこればいいからすぐにログアウトしなくてもいいんだけど、みんなログアウトしたので僕もログアウトした。


「まだ誰もログインしてないし、時間もあるからぶらぶらしよう。とりあえずクエストを見に冒険者ギルドに行こう」


ログアウトした後すぐにお風呂に入って夕飯を食べたので、集合時間まで1時間あった。

そのせいか誰もログインしていなかったから時間を潰すために冒険者ギルドに向かう。

ロックゴーレムの所とかのクエストが増えない理由を知りたいから受付で聞くつもりだ。


「あの、すみません。お聞きしたいことがあるんですけどいいですか?

「はい。問題ありませんよ。どうされました?」


冒険者ギルドで魔力水を飲んだ後、近くを通りかかったギルド職員の女性に声をかけた。

受付には結構な列ができているので、わざわざ質問するためだけに並ぶのは気が引ける。

貯まったアイテムを鑑定してもらってもいいんだけど、うららさんがいるからわざわざお金を使う必要はないよね。

まだお願いしてないし、どれだけ負荷がかかるかによるけど。


「ありがとうございます。聞きたいのはクエストのついてです。新しいところに行ってもクエストが増えないのはどうしてですか?」

「色々理由はありますが、要約すると依頼をする方がいらっしゃらないからですね。どのような素材が手に入るのかわからなければ依頼が出ません」

「なるほど。それはどこで広めるのですか?」

「ギルドで鑑定をした際に珍しい素材の場合採取場所をお聞きします。その情報が周知されるので欲しい素材があればクエストとして張り出されます」

「鑑定が必要なんですね」

「そうですね。最近であればロックゴーレムの岩やハニーベアの毛皮にワイルドベアの毛皮。朽ちた海賊の帽子や湖を写す鱗などが鑑定されました。これによって、この素材が欲しいという依頼が少ないですが出てき始めました」

「そうなんですか」


誰かがロックゴーレムの素材を鑑定したみたいだね。

他にも守護者系の素材も鑑定されているし、意外と知られてる情報なのかな。

説明をしてもらった時は教えてもらってない情報だけど。


それに、スキルで鑑定があるのにギルドで鑑定する意味はないんじゃないかと思ってたけど、これなら必要だ。

スキルの鑑定は旅先でどうしようもない場合や、モンスターを調べるために使った方がいいのかもしれない。

取る気はないけど。


「それに、新しく発見された場所の難易度によって依頼料が変わりますので、鑑定が行われたとしても、クエストが発行されない可能性もあります」

「難易度ですか?」


モンスターの強さかな?

確かに強いモンスターの素材を安い報酬でやる気にはならない。

かといって依頼に必要な料金が高すぎると依頼自体が発生しないんだね。


「難易度はその場所に出現するモンスターの強さや、場所自体の過酷さが評価されます。ひとまずはこのくらいでしょうか。詳しく知りたいのであれば、担当をお呼びしますが、どうされますか?」

「いや、これで十分です。ありがとうございました」

「いえいえ。それでは、冒険を頑張ってください」


クエストが増えない理由がわかったので冒険者ギルドを出た。

最後に聞いた行く場所の過酷さでも料金が変わるのは納得できた。

他にも猛獣ひしめく森や、怨霊が住む屋敷なんかに安い値段で行きたくない。


「あれ?もしかして(じぃ)?」

「え?」


冒険者ギルドを出て噴水広場に向かって歩いていると、すれ違いざまにリアルのアダ名で呼ばれた。

名前を表示していないと知ってる名前で呼ぶしかないから仕方ないんだろうね。


「あ、橘さん」


そこには金色に染めた髪を赤いリボンでサイドテールにしたクラスメイトの橘 聖(たちばな ひじり)さんがいた。


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