表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記–  作者: 星砂糖
第1章 –World Wide(ログイン3日目)-
170/287

エヴォリューションモンスター

今日からまた2週間ほどの出張です。

今でさえ感想返しが遅れていますが、さらに遅れるかと思います。

申し訳ないです。

シャープになったロックアーマーゴーレムは、とても厄介だった。

防具の性能が悪いのか、細くなる前のロックアーマーゴーレムの攻撃力が高かったのかわからないけど、岩が減って攻撃力が落ちてそうなのに大ダメージを受ける。


ミヤビちゃんは3割ほどだけど、しのぶさんは5割。

僕だと7割減るんだけど、これでも尖った岩じゃなくて右腕で殴られたり、蹴られた時のダメージだ。

もしも左腕の岩で切られたとしたら、僕なら一撃で戦闘不能になると思う。


細くなってからのロックアーマーゴーレムは、僕とミヤビちゃんの貫通攻撃を警戒しているのか一撃放てば距離を取る。

そのせいでこっちもうまく攻めることができていない。


うららさんが糸を張ればすぐに切られ、しのぶさんの足場が作れない。

ミヤビちゃんやラナンキュラスが近づいても、攻撃してこないので駆け上がる隙もない。

なので、貫通攻撃を使わず地道に削っている。


その甲斐があって、細くなった時点でHPが4割だったのに、もう少しで2割になるところだった。

槍で牽制して魔法を当てたり、シロツキとトバリによるコンビネーションで攻め立てた結果だ。


HPが減ったことでさらに岩が剥がれて細くなり、身長も2m50cm程になった。

これのおかげで魔法で目が狙いやすくなったし、しのぶさんが助走をつけて跳べば届く高さになっている。


「うまくやれば目を突けそうです!」

「こっちももう少しで魔法が当たりそうです!」


いつでも貫通攻撃ができる距離でミヤビちゃんとラナンキュラスが飛び回る。

いくら速くなったとはいえ、高速で飛び回っている相手を的確に狙うことはできないようで、しきりに構えを変えるだけで攻撃してこない。


その隙にしのぶさんが火遁で攻撃したり、アザレアによって魔法を当てる。

しのぶさんの場合は切るよりも火遁の方がダメージが高かったので、僕とうららさんを守る位置で火を吹いている。


もし、ダメージを受けたとしてもクローバーで回復できる用意準備はしているので、一撃でやられない限り問題ない。

殴られた時点で取り出して、いつでも回復できるように糸を繋いだままにしているし、僕の後ろでは復活アイテムを手に持って、いつでも使えるように準備しているうららさんもいる。


「このまま倒したいですね!火遁・旋風!」

「そうですね!ストーム!ストーム!」


しのぶさんの火遁とアザレアのストームがロックアーマーゴーレムに向かう。

ボールやランスだと避けられることがあったので、僕としのぶさんは範囲攻撃を使うようにしている。

MP消費よりダメージを与えることを選択した結果だ。


「残り2割を切りました!」


ミヤビちゃんがロックアーマーゴーレム牽制しながら叫んだ。

HPが減ったら行動が変わるか警戒していたんだけど、特に変わることはなく、HPが減った分身軽になって攻撃速度が上がった程度だった。

それでも十分脅威なんだけどね。


マナポーションを飲みながら攻撃を続けることしばらく。

徐々に魔法も当たらなくなってきた。

気がつけば身長も2mを切っているし、岩でできているはずの体なのにほとんど人と同じになっていた。

造形は鎧を着ているような感じでだけど左腕が尖った岩のまま。

顔は相変わらず赤い玉が目のようになっている。


「うっ!」

「なっ?!」


ロックアーマーゴーレムの動きを観察しながらアザレアで魔法を放っていると、間にしのぶさんがいたにも関わらず半身になって駆け抜け、僕を左腕の尖った岩で貫いてきた。

もちろん僕のHPはMAXだったのに0になった。

そのせいでクローバー、アザレア、ラナンキュラスと繋がっていた糸は切れ、僕を含めて全員が崩れ落ちる。

しのぶさんも9割減っているので、すれ違いざまに切った後僕を刺したんだと思う。


「オキナさん!復活させます!」

「うっ……」


刺された瞬間から体の自由を奪われて地面に倒れた僕に、うららさんが復活アイテムを使ってくれた。

しのぶさんはロックアーマーゴーレムか距離を取りつつポーションで回復している。


そうなるとロックアーマーゴーレムに1番近いのが復活時の無敵時間の僕を除くとうららさんになって危険なんだけど、そこにミヤビちゃん槍を構えて突っ込んできたので、ロックアーマーゴーレム距離をとってぅれた。

通常攻撃ぐらいなら受けてもいいはずなんだけど、やけに避けるのが気になる。


「繰りマリオネット!」


糸が切れて崩れ落ちたりへたり込んでいるクローバー達に糸を繋ぎ近くに引き寄せつつ、ロックアーマーゴーレムにも3本糸を飛ばした。

縛れたら儲けぐらいの気持ちで放ったんだけど、左腕の一振りで切られた。


なので、ロックアーマーゴーレムが距離をとっているうちに対処法を考えないとダメなんだけど、今思いついているのは自分の周りにストームを出し続けることだけだ。

これなら攻めてきた瞬間にダメージを与えることはできる。

ストームでは足止めできないから左腕で刺されたら一撃で戦闘不能になるんだけどね。


他にできることがあるとすれば手数を増やすことだけなんだけど、何もやらないよりはいいかな。


人形の館(ドールハウス)、ハピネス来い!繰り糸(マリオネット)!」


ハピネスに糸を繋いで鉄の腕と一緒に振り回し、ミヤビちゃんとトバリの牽制攻撃のタイミングでラナンキュラスを飛ばしながら投げる。

一度にたくさん迫ってきたからか、ロックアーマーゴーレムの初動が遅れた。

それでも、速度を活かしてミヤビちゃんとトバリ軌道からズレた。

ラナンキュラスを操作して追いかけさせたんだけど、ギリギリのところで避けられる。

鉄の右腕は動かれる前から当たらない軌道だったので警戒されていないみたいで、ハピネスに関しては何も持っていないので、少しズレただけで安心したようだ。


なので、左腕を切り離し銃口をロックアーマーゴーレムに向ける。

そして、炎を放った。


ロックアーマーゴーレムはさらに避けようとしたみたいだけど、広範囲に放射された炎を避けることはできず、ダメージを受けた。

そのおかげで残りHPが1割を切った。


「後少しです!もう一度やりましょう!今度は貫通攻撃を当てます!」

「はい!」

「次は私も攻撃します!」

「待ってください!ロックアーマーゴーレムの様子がおかしいです!」


ミヤビちゃんとしのぶさんと一緒にもう一度攻めようとしたら、うららさんが止めに入った。

言われてロックアーマーゴーレムを見ると、目の位置にある赤い玉から光が溢れ出ていた(・・・・・・)

さっきまでは、体の表面を覆うように出ていたのに、今は表面ではなく周囲を照らすように出ている。


しかも、体が小刻みに揺れていて、こちらに近づこうとすらしてこない。

チャンスなんだろうけど、攻撃を躊躇ってしまう挙動だ。

爆発とかしそう。


だんだんと揺れが激しくなり、赤い光が強くなってきた。

そして、顔か体にかけてヒビも入り出して、亀裂からは赤い光が漏れ出す。

HPは減ってないけど、どう見ても爆発前なんだけど……。


「念のためもう少し下がりましょうか」

「そうですね」


ロックアーマーゴーレムから離れて様子を見る。

ミヤビちゃんが先頭で盾を構えているので、僕もラナンキュラスに盾を構えさせて念のため鏡写しの盾(ミラーシールド)と、アザレアの拒絶の壁(嫌い……)をMP100で発動させた。


その少し後、ヒビが全身に行き渡りパキパキと音を立て始め、赤い光がさらに強くなった。

全員で息を飲んでロックアーマーゴーレムを見ていると、思ったよりも威力の少ない、爆発というより破裂という感じに岩が飛び散り、最初に赤い玉を掲げていた虹色コーティングゴーレムが出てきた。

そういえば中にはこいつがいたんだった。

だとしたら弱点は目じゃなくて胸部だったのかもしれない。


「鑑定しました。あの小さいモンスターはアーマーゴーレムで、エヴォリューションモンスターらしいです」

「エヴォリューション?進化ですか?」

「βに出てきた特殊モンスターですね!戦闘のたびに強くなっていくモンスターです。戦闘時以外はトドメをさせない厄介なモンスターなので、今はHPバーが消えてるので倒せないと思います」


しのぶさんのいう通り、アーマーゴーレムの頭上にはHPバーが表示されていなかった。

つまり、ロックアーマーゴーレムは倒したけど、中にいたアーマーゴーレムは倒せなかったということで、今後もこのアーマーゴーレムが強くなって誰かと戦う可能性があるということになる。

面倒なモンスターだなぁ……。


崩れた岩に寝転がっていたアーマーゴーレムが起き上がると、頭上から光を失った赤い玉が落ちてきて、頭に当たった。

アーマーゴーレムはその玉を拾うと、地団駄を踏んだ後こっちに向かって勢いよく投げてきた。


それに驚いているうちにロックゴーレムが岩を削り出した場所に向けて走って行き、そのまま奥に消えていった。

消えた先はリトルアイアンゴーレムが出てきた場所なんだけど、もしかして次に出会うのはアイアンアーマーゴーレムになる?


ロックでさえ苦戦するのにアイアンとか今の僕たちだと絶対無理だ。

リトルアイアンゴーレムでさえキツイのに。

それに、もしかしたらアイアンの次がその奥にあるかもしれない。

そうなるとこの地下空間はとてつもなく広いことになるんだけど、誰か他の人が調べたりしてくれないかな……。


この話はもっと簡潔にするつもりだったんですが、気づいたらこうなりました。

精進します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ