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World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記–  作者: 星砂糖
第1章 –World Wide(ログイン3日目)-
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行きたくないけど地底湖へ

段のところに戻るとロックゴーレムが1体、リトルロックゴーレムが3体復活していたので、実験も兼ねてロックゴーレムを縛ってから倒した。


実験は、ミヤビちゃんとしのぶさんに通常攻撃を当ててもらってから縛り、もう1度通常攻撃を当ててもらい、最後にラナンキュラスの突き抜ける槍(ライトニングスピア)を使うというものだ。

その結果、やっぱり僕の繰り糸(マリオネット)で操られている物は防御力が上がっていることが再確認できて、貫通攻撃はその効果を無効化して攻撃するということがわかった。


さっきはリトルアイアンゴーレムを倒すのに夢中だったから、しっかりと確認しておくことで今後の戦いに活かせる。

ラナンキュラスのおかげでミヤビちゃんがいなくてもこの戦法が使えるからね。

ちなみに、リトルロックゴーレムはうららさんが糸で縛って、振り回した後壁に叩きつけて倒していた。


「お。レベルアップだ」


戦闘が終わると、僕の目の前にウィンドウが表示された。


『レベルアップしました!

Lv:10→11

HP:200(+10)

MP:1015(+65)

ST:120(+1)

STR:19(+0)

VIT:20(+1)

DEF:19(+10)

MDF:205(+15)

DEX:350(+5)

AGI:19(+0)

INT:405(+25)

LUK:50(+0)


ステータスポイントを3ポイント獲得しました!

スキルポイントを1ポイント獲得しました!』


ステータスの上がり方が変わってる

し、もらえるポイントもステータスポイントが増えてスキルポイントが減っている。


ステータスは魔法系が中心に上がるようになるのかな。

まぁ、MPの上がり方が増えているから人形使い(ドールマスター)としては戦いやすくなってると思う。

DEFはともかくSTRは今の所不足しているとは……重い物を持てないぐらいだからいいかな。

僕が持てなくてもハピネス達なら持てるし、物によっては繰り糸(マリオネット)で引っ張ることもできる。


「ここは湧きが遅いんですみたいですね」

「そうなんですか?」

「はい。待っていてもロックゴーレムが現れません。場所を変えるべきだと思うんですが……」


レベルアップウィンドウを消すとしのぶさんから場所を変えることを提案された。

だけど、今の僕たちで行ける場所は地底湖ぐらいだと思う。

僕でも岩トカゲは倒せたし。


ゴーレム坑道の外に出るのもありかもしれないけど、それでも行く場所がないんだよね。

北の森はミヤビちゃんが嫌がるだろうし、西は魔法が必要らしい。

南は行き方がわからないから却下。

そうなると地底湖しかない。


だけど、首長竜がこっちに来る条件がわからないんだよね。

地底湖に近づいたり、水中に向けて何かすれば反応するとしたら近づかなければいいんだろうけど……。


「とりあえず地底湖に行きますか?」

「でも、フルレイドボスがいるんですよね?」


地底湖に行くことを提案したら、ミヤビちゃんが少し不安がった。

フルレイドボスに1パーティで挑む可能性があるなら怖くなるのもわかる。

だから、地底湖から離れた所にいた岩トカゲを倒すつもりだ。


確か、地底湖とは離れたところにある段になっていた場所や、岩場に密集していた気がする。

そこなら首長竜が出てきても気づけると思う。

出てきたら即座に逃げる。


「フルレイドボスの首長竜がいる地底湖とは離れたところに岩トカゲがいるから、その岩トカゲを倒そうと思ってるんだ。もしも地底湖から首長竜が出てきたとしても、距離があるから逃げることはできるはずだよ」

「わかりました!地底湖に注意しながら戦います」


ミヤビちゃんは胸の前で両拳を握るいつもの気合を入れたポーズを取った。

やる気満々だ。


「また岩ですよね。苦無よりも火遁を使うべきですか?」

「MPに余裕があれば使ってほしいですけど、岩トカゲは結構密集しているのでしのぶさんの速さ活かして撹乱してほしいですね」

「わかりました!周囲の壁や天井を活かして注意を引きます!」

「あー。天井は高かったので難しいと思います。ただ、岩トカゲが岩場に生息しているので、壁と岩でできると思いますよ」

「壁と岩ですね。わかりました」


地底湖だから天井はすごく高かった。

だけど、ゴロゴロと大きな岩が転がっていたから、それを足場に使えばしのぶさんの動きで簡単に撹乱できると思う。


岩から岩に飛びながら苦無を投げて、それが岩トカゲの口に刺さったりしたら大ダメージになるかもしれないけど、しのぶさんのコントロールだと無理だろうね。

下に投げるのは問題なさそうだったから、飛び越える際に投げてもらえれば当たると思う。

それよりも火遁で攻撃してもらった方が確実だろうけど。


「私はモンスターを糸で縛ってみますが、ダメだった時はまた地面と壁で糸を張ればいいですか?」

「そうなりますね。1つ思いついたんですけど、うららさんの張った糸をしのぶさんが足場にするのは可能なんですか?」

「どうでしょうか?問題ないとは思います」

「やってみましょう!」


今のうららさんが使う糸だと、たぶん岩トカゲは縛れない。

だからといって何もすることがないというのはうららさんにとって辛いと思う。

そう思って色々考えていたら糸でもしのぶさんなら足場にできると思ったので提案してみた。


しのぶさんがとても乗り気で、張る糸の角度や距離を色々注文したことで、結構な本数の糸を使った蜘蛛の巣のような物ができあがった。

ロックゴーレムが相手だと想定して作られたので、中央にある程度の広さがありつつも、そこを囲むように様々な角度で糸が張られている。


「それではやってみますね!はっ!


しのぶさんが意気揚々と空間の中央に立ち、気合を入れて跳んだ。

そして、張られた糸に足をかけて方向を変えたり、勢いをつけて糸に踏み込むことで、反動を利用した移動ができた。


上手くいってよかった。

これがあれば多少広い空間でもうららさんのサポートによってしのぶさんの速さを活かせるようになる。

ロックゴーレムでも少しは動きが制限される糸だから、モンスターが引っかかれば隙が生まれるかもしれない。


「これはいいですね!」

「しのぶさんの役に立ててよかったです」

「いえいえ。うららさんのおかげで戦いやすくなったのでお互い様です!」

「ふふっ。ありがとうございます」


しのぶさんに感謝されてうららさんも嬉しそうだ。

できれば、これを使ってロックゴーレムと戦ってみたかったんだけど、まだ復活していなかった。


「それじゃあ、地底湖へ向かいましょうか」

「わかりました!」

「はい!」

「わかりました」


うららさんとミヤビちゃんは僕の近くに移動してきた。

しのぶさんは元気よく返事をすると、糸を使って跳ねながら次の糸へ飛び移る瞬間に使用した糸を苦無で切りだした。

糸が張られたままだと、どれくらいの時間が立つと消えるかわからないから切るようにしている。

切れた糸はすぐに光になって消えるからね。


糸を切った後は、段を降りて右の道。

リトルロックゴーレムが岩を運んでいた所に入る。

そこにはまだ岩が積まれた山があって、以前来た時より高く大きくなっていた。

何のためなのかわからないけど、これの存在を聞いていたミヤビちゃんたちは、実際に見てとても驚いていた。


モンスターの行動だから何か意味があるのかもしれないので、一応岩山の周りを1週して見たり触ったりしてみたけど、特に何も起きなかった。

しのぶさんから何か条件があるのかもしれないと言われたけど、特に思いつくものはない。


気になるとすれば虹色にコーティングされたような白いリトルロックゴーレムより小さなロックゴーレムだけど、今日は見かけていない。


少し気になるけど岩山を後にして地底湖へと続く道を進んだ。

地底湖は以前来た時と同じで、他にパーティはいなかった。

そして、相変わらず岩トカゲが沢山いた。


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