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World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記–  作者: 星砂糖
第1章 –World Wide(ログイン2日目)-
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イベント参加メンバーと合流

ミヤビちゃんに1人追加するとメッセージを送ったので、源さんを今日の集まりに呼ぶかどうかは返事次第になった。

ミヤビちゃんが嫌だと言ったら別で連れて行けばいいから、とりあえず話しておこう。


あと、フレンド登録もお願いしよう。

マサムネちゃんが刀を作って欲しいと言うぐらいだからね。


「源さん」

「なんだ?」

「炉についてですけど、なんとかなるかもしれません」

「本当か?!」

「はい。ただ、今すぐってわけじゃないんです」

「わかった。なら、フレンド登録してくれ。そして、行けるようになったら教えてくれ!」

「わ、わかりました」

「私もお願いします!」


炉について話したらすごい勢いで迫ってきた。

目の前いっぱいに源さんの厳つい顔があって正直怖い。

ミヤビちゃんなら蹲るか泣くんじゃないかな。


そして、源さんからフレンド登録をお願いされたので、僕からお願いする必要がなくなった。

フレンドになってくれって言うだけなんだけど、源さんぐらい年上の人に言うのは少し緊張するよ。


「これで儂らはフレンドか。今は炉が無いから刀は作れんが、それ以外だったら生産施設で作ってもいい。何か欲しいものがあったら連絡をくれ」

「わかりました。ですが、刀以外ですか?」


刀以外ってことは、鉄のインゴットやプレートメイルなんかは作ってくれるってことだ。

僕はインゴットだけでいいんだけど、これでミヤビちゃんに装備を作ってもらえる人だと紹介できる。

後はなんで刀だけ作れないかだけど、いい設備じゃないと火力が足りないのかな。


「そうだ。刀はほとんどスキルを使わずに作ってるからな」

「え?!スキルを使わないと時間がかかりますよね?!」

「かかるぞ。と言っても現実よりだいぶ早いがな!はっはっは!」


源さんの回答にしのぶさんが驚いた。

確か、生産系スキルは物作りを効率的に進めるスキルだったはずだ。

スキルを使わなくても作れるんだけど、その場合現実と同じ手順で作らないとダメなんだよね。

なんで刀だけなんだろう。


「どうして刀だけスキルを使わないんですか?」

「ん?マサムネの嬢ちゃんから聞いてないのか?儂は現実でも刀を打ってるんだ。だから、スキルを使って打つのに違和感があるし、慣れると現実にも影響が出そうだからやらねぇんだ」

「そ、そうだったんですね」


僕も気になったことをしのぶさんが聞いてくれた。

その答えには驚いたけど納得もできた。

ある程度同じ手順で作るとしても、ゲームだから簡略化されてたり必要な時間が減ってるんだよね。


「でも、こっちでスキルを使わず作っても、作業に使う時間が狂うと思うんですけど、そこは大丈夫なんですか?」

「坊主。鍛治ってのは会話なんだよ。10回叩くところが1回になろうが、状態を見て、話して整えていくんだ。だから影響はねぇ。坊主も何かスキルを使わずに作ってみるといい」

「わかりました」


源さんは職人の顔になってた。

かかる時間や叩く時間が変わっても、作ってる物を見て次の行動を決めるってことだね。

どう変わるか気になってきたから、源さんに言われた通りスキルなしで何か作ってみようかな。

僕にできることで簡単なのは絵を描くことだから、それにしよう。


「長くなりましたけど、僕からのお願いは以上なので街に戻りましょうか」

「はい!」

「あぁ。炉のことは頼んだぞ」

「はい。また連絡します」


話を終えて、源さんと出会った場所を通りアイアンゴーレムがいる場所まで戻ってきた。

途中の開けた場所には他の人達が居て、リトルロックゴーレムを倒してた。

僕たちは戦闘の邪魔にならないように進んだので、戦うことなく来れた。


他のパーティがアイアンゴーレムと戦っていたので、バトルフィールドに触れて向こう側へ移動して、ゴーレム坑道を出た。

話を終えた時点でハピネス達を収納していたから、そこまで注目を集めることはないと思ってたんだけど、しのぶさんと源さんが見られて、ついでに僕もジロジロ見られた。

全身真っ黒な忍者と甚平を着てハンマーを肩に担いだお爺さんという組み合わせは目立つからね。


「ん?メッセージだ。すみません。確認するのでちょっとペース落ちます」

「うむ。構わん」

「警戒は任せてください」


草原に出て10分ぐらい歩いたところでミヤビちゃんからメッセージが届いたので、確認のため少しペースを落としてもらって、周囲の警戒もお願いした。

もう夜になりつつあるから、草原とはいえモンスターが変わると面倒なことが起きるかもしれないからね。

ブラックドッグに囲まれたりとか。


メッセージには集合場所は『冒険者協会前』で、新しく1人増えても大丈夫ということも書かれていた。

てっきり『ふぁんしーけーき』集合だと思ってたから、ふぁんしーけーきを前にした源さんがどういうリアクションを取るか密かに楽しみだったんだけど、それはまた今度かな。


「源さん。この後時間があれば炉に案内できそうですけど、どうしますか?」

「おぉ!じゃあ夕食後でもいいか?街に戻ったら一度ログアウトしようと思ってな」

「いいですよ。僕も一旦ログアウトします」

「私もです」

「よし!そうと決まればさっさと戻るぞ!」


ミヤビちゃんが良いと言ってくれたので、今日のイベント前の顔合わせに源さんも連れて行くことにした。

合流後は工房に行くつもりだから、イベントに参加してもらうかどうかは別にして、源さんを炉に案内しようと思う。

もしも源さんが気に入ったのなら、そのまま作業に入ってもらえば良いし、イベントに参加するならそっちに来てもらえばいい。


源さんがやる気を出して走り、戦闘もなかったこともあって20分ほどで街に着いたので、冒険者協会前に20時前に集合だと伝えて、パーティを組んだまま噴水広場で解散した。

集合時間まで1時間半はあるから、夕食を食べてから少し休憩する時間もある。


僕としのぶさんは南の屋台エリアまで行き、適度に屋台で食べてから冒険者協会前でログアウトした。

ちなみに茜色のみかん水は出てなかった。


夕飯を食べてからログインして待っていると、ミヤビちゃんとうららさんがやって来た。


「こんばんは。早いですねオキナさん」

「こんばんは!」

「こんばんは。ミヤビちゃんは元気だね。夕食を食べてからログインしたんですけど、微妙な時間だったんでここで待ってました」

「そうだったんですね」


挨拶をしながらミヤビちゃんにパーティ申請をしたんだけど、うららさんが操作して受理してくれた。

ミヤビちゃんに送った申請はリーダーのうららさんに届くみたいだね。


「オキナさんの晩御飯は何だったんですか?私はハンバーグです!」

「僕はとんかつだったよ」


ミヤビちゃんが夕飯を聞いてきたので答えた。

ハンバーグもいいよね。

僕はとんかつよりハンバーグの方が好きだ。

どこかに屋台かお店でハンバーグ出してないかな。


「今日来られるのはどのような方なのですか?」

「忍者の女性と鍛治師のお爺さんです」


ハンバーグのことを考えていたらうららさんに合流する2人のことを聞かれたので、わかりやすい特徴を答えた。

あの2人を端的に言うとこうなるよね。


「忍者と鍛治師ですか。よくわからない組み合わせですね」

「そうですね。忍者はハピネス達を見て声をかけてきたんです。鍛治師の方は僕からですけど」

「そうなんですか。楽しみにしておきますね」


うららさんと話していると、ミヤビちゃんがうららさんの後ろに移動した。

緊張してきたのかな。


少しするとしのぶさんがやってきた。

周囲で全身黒ずくめはしのぶさんだけだからとても目立ってる。


「お待たせしましたオキナさん。こちらのお2人が一緒にイベントに参加するかもしれない方ですね?」

「そうです。でも、自己紹介はもう1人が合流して、場所を移してからにしましょう」

「わかりました」


人が増えるたびに自己紹介をするのは面倒だから、集まってからまとめてやる方がいい。

ミヤビちゃんはさらにうららさんの後ろに移動したから、慣れるまで時間がある方がいいと思う。

しのぶさんはミヤビちゃんに興味津々みたいで、チラチラ見てるけど、うららさんに人見知りだと説明されて少し離た。


「待たせたな。む。儂が最後か」

「いえいえ。では、行きましょうか」


しのぶさんが来てから数分で源さんも合流した。

これでメンバーが揃ったので、あとは移動するだけだ。


「オキナさんごめんなさい。『ふぁんしーけーき』は人がいっぱいで入れないんです」

「大丈夫ですよ。今から移動します」


スキルを使おうとしたらうららさんに謝られたけど、今回は逆によかったよ。

工房に行きやすいからね。


「工房!」


スキルを使ったんだけど、視界が白くならなくて、ウィンドウが表示された。

パーティメンバーの誰を連れて行くか決める内容だったので、全員を選択した。


すると、僕以外の全員に行くかどうかの確認ウィンドウが表示されたみたいだ。

いきなりのことで戸惑いながらも、全員が移動することを選択してくれたみたいで、全員が決定すると視界が白くなった。


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