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World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記–  作者: 星砂糖
第1章 –World Wide(ログイン2日目)-
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vsマサムネちゃん

また投稿先を間違えていました。

申し訳ないです。


疲れてるんだと思います。

心は癒しを求めています。


でも書くのはやめません。

対戦開始と同時にマサムネちゃんが飛び出してきた。

もちろん笑顔で。


ナックルに誘われてマサムネちゃんの試合を何度も見に行ったからこのパターンも想定してた。

と言っても速攻、微動だにせず待ち、構えたまま移動して揺さぶりの3つなんだよね。

多分本人からするともっと色々駆け引きがあるんだろうけど、離れて見てる分にはよくわからないんだよね。

だけど、3つだからなんとか対応できた。


「あはは!甘いですよ!」

「えぇ?!」


ラナンキュラスを移動させて盾を構えさせたんだけど、マサムネちゃんは盾を足場にして跳んだ。

人形達は小さいからできるのはわかるんだけど、そんなに簡単にできるの?!


「ボール!」

「これも甘いです!魔刃(まじん)!はっ!」


風の玉を空中のマサムネちゃんに向けて放ったけど、何かスキル名を言うと刀の刃が光り、玉を切った。

名前からして魔力を武器に纏わせるんだと思うけど、魔法を切るためなのかな。

普通に切っても対処できそうだけど物理攻撃と魔法攻撃で変わるんだと思う。


「ストーム!」

「もう次の魔法を?!しかも範囲攻撃ですか!」


マサムネちゃんの着地予定地点に竜巻が発生する。

さすがにこれは当たると思ったんだけど、魔刃が切れてない刀を竜巻に当てると、火花を散らせながら竜巻の表面に沿って滑り、地面に着地した。

予定地点から離れたせいで僕から距離が開いたんだけど、マサムネちゃんにも遠距離技はあるから気は抜けない。


「ふふっ。まさか一太刀も浴びせられないとは思っていませんでした。いいですね!楽しいです!ですが、これならどうでしょうか?しらたま!いちご!チョコ!行きますよ!」

「ガウッ!」

「ピュイ!」

「キィー!」


攻撃が失敗したのに笑うマサムネちゃんは怖い。

しかも、次はテイムモンスターを交えて攻撃してきた。

なのでこっちも分散するしかないし、奥の手その1を使う。


ハピネスを猿のチョコに、アザレアを赤い鳥のいちごに、クローバーを僕の後ろに待機させて、ラナンキュラスをマサムネちゃんに向けて移動させる。

しらたまには人形じゃなくて腕で対応するつもりだ。


繰り糸(マリオネット)繰り糸(マリオネット)!」


アイテムバッグから繰り糸(マリオネット)が付与されたゴーレム坑道の石腕を取り出して糸を繋ぎ、今度は石の腕から糸を出した。

しらたまに向けて。


「ガルゥッ!!」


石の腕は右腕なので3本の糸を出せたんだけど、しらたまに当たった瞬間糸は弾けた。

これは首長竜と戦った時と同じだ。

つまり、しらたまはすごく強いってことになる。

もしかしたら対戦補正もあるかもしれないけど。


「ガルルルルル……」


マサムネちゃんを乗せられるぐらい大きな狼が僕に向かって喉を鳴らしている。

ハピネスは両手を切り離して、牽制の火を噴射しながら斬りつけようと近づいてる途中だし、アザレアは素早く動くいちごを捉えられてない。

ラナンキュラスはマサムネちゃんに向けて槍を突いてるんだけど、上手くいなされて反撃を盾で防いでる。

動かせるのは石の腕とクローバーだけだ。

どうしようか……。


「ガァッ!」


ついにしらたまが飛びかかってきた。

糸では縛れない。

石の腕なんかじゃ止められそうにない。

しらたまの一撃を受けたら僕なんか一撃でやられてしまうし、避けるのも無理だ。

防御用人形のラナンキュラスはマサムネちゃんから離せないし……そうだ、防御だ!


「堅守!」


しらたまの爪が僕に当たる直前にスキルを使うことができた。

薄っすらと体を覆った青い光は一撃受けただけで消えた。

わかってたけど10以上ダメージを受けたってことだ。


「ストーム!ストーム!」


アザレアでいちごに向けて竜巻を2発出した。

機巧(ギミック)のスキル名は言わなくても使えるんだけど、焦るとつい言っちゃうんだよね。

遠くでマサムネちゃんが「同時発動?!」って驚いてたんだけど、そこを狙って槍で突いても難なく弾かれた。


チョコはハピネスの出す炎を嫌がって少し距離を空けたと思ったら、木の棒を拾って振り回し始めた。

結構長くてハピネスの炎よりリーチは長いんだけど、木だからすぐに燃えて短くなったし、速度もそこまで早くないから右手の剣でも切れた。


「グルルルルル……」


しらたまは攻撃が効かなかったことに驚いたのか、一旦距離を取ってくれた。

助かったけど、対処法がないんだよね。

どうにか動きを止めたいけど、クローバーじゃ……。

あ。

クローバーならできるかもしれない!


救済と安らぎの調べ(迷える者に救済を)!」


クローバーをホラーモードにする。

これで、左手に溜めた状態異常を相手に付けれるようになる。

そして、左手にはテンペストバード戦の切れかけの麻痺がチャージされてるから、これが効けばしらたまが一時的に動けなくなる。

そうなったら奥の手その2だ!


「グルゥ……」


しらたまはホラーモードになったクローバーにも警戒し始めた。

こうなったらこっちからやるしかなさそうだ。

といってもただ単にクローバーを突っ込ませても返り討ちにあうだけだろうから、石の腕で牽制だ。


「ストーム!駆け抜ける翼(ヴァルキリーウィング)!」

「あははっ!やっとそれを使ってくれましたね!何か条件でもあるんですか?剣鬼けんき!」


石の腕を回しつついちごに竜巻を放ちつつ、ラナンキュラスの翼を出す。

するとマサムネちゃんが笑いながらスキルを使った。

白いオーラみたいなものが体から立ち上り、それは刀まで覆った。


そしてその後の剣速や威力、マサムネちゃん自身の速度や跳躍力もさっきまでとは全然違った。

HPバーの横に何かアイコンが出てるからステータス強化系スキルかな。

だとしたらラナンキュラス神に仇なす者への裁き(ジャッジメントコール)で反転させられるはずなんだけど当てられるかな。


「ガルゥ!」


でもその前にしらたまをどうにかしないとダメだから、まずは石の腕を放つ。

もちろん避けられるんだけど、糸を引っ張って無理やり軌道を変える。


「ガッ」


避けたはずの攻撃が当たったことに驚いたのか、しらたまの動きが止まった。

今がチャンスだ!


安らぎと苦痛の左手(試練を与えましょう)!」


しらたまに向けてクローバーを投げて機巧(ギミック)を発動した。

クローバーの左手が水色に光り、その光がしらたまに放たれた。


「キャン!」


しらたまのHPバーの横に麻痺のマークが表示された。

けど、点滅してるからすぐに切れるので、ハピネスをしらたまの横っ腹まで引っ張った。

そして奥の手その2!


愛の抱擁(幸せの形)!」


ハピネスの体からギチギチと音がなり、腕が勝手に動きだした。

そして右手剣を突き刺して穴を開けたところに左手の銃口を突っ込み、再度右手の剣を突き刺して固定した。

もうこの時点で火を出せば大ダメージだと思うんだけど、この機巧(ギミック)はまだ始まったばかりだ。


ハピネスがカタカタと不気味な動きをし始めたと思うと、腹部の右下から鎌のような刃が生えて突き刺さり、腹部の左下も同じ刃が生えて突き刺さった。

これで、両手と両下腹部で固定したことになる。


さらに次は両脇腹からレイピアのような細長い剣が突き刺さり、その外側をまた鎌のような刃が通る。

肩付近からも鎌が生え、お腹の中央を除いて肋骨のような細長い湾曲した刃が何本も生えて突き刺さる。


そして最後に空いたお腹の部分から両手剣のような両刃の大きな剣が生えて、シロツキのお腹を逆側まで貫通した。


さっきから赤いエフェクトが出続けているせいで、服が破れたはずのハピネスが、まだ服を着ているように見える。

それぐらい連続した攻撃だった。


ハピネスの刃を受け切ったしらたまは、麻痺のせいで声を上げることなく消えていった。

最後の両刃の剣が残りHP1/3を持っていったんだけど、それまでの突き刺した回数もすごかった。

たぶん、5、60回は刺してた。


「し、しらたま?」

神に仇なす者への裁き(ジャッジメントコール)!」

「きゃっ?!」


しらたまが倒されたことで動きが止まったマサムネちゃんに対してラナンキュラスを高速で近づけ、機巧(ギミック)を使った。


ラナンキュラスから放たれた光の玉はマサムネちゃんに当たり、弾けた瞬間HPバーの横に出ていたアイコンが変わった。


「強化を反転させた?!体が重い!攻撃力も下がってるし、防御力低下はそのまま!くぅ……でも、まだです!はぁ!抜刀・一閃!」


どうやら剣鬼っていうスキルは防御力を下げる代わりに攻撃力と速さを上げるみたいだね。

それが反転したけど防御力は下がったままだから、全体的に辛くなってるはず。

なのにマサムネちゃんは自分で居合い斬りを放った後、スキルを発動して連続で居合い斬りをした。


近接系のスキルは強制的に決められた動きをするから、しれを利用して普通だとありえない振り抜いた体勢から瞬時に納刀して、再度抜刀したらしい。

マサムネちゃんならではの技だね。


だけど、それも速度が落ちてるせいでラナンキュラスなら余裕を持って避けられた。


「ふっ。予想通りです!鬼殺し!」


マサムネちゃんの刀が光り、魔力でできた刀身が伸びた。

その長さは元の刀の5倍以上でまだ伸びそうだ。

それをラナンキュラスに振り降ろすと見せかけて、途中で足を大きく開いてわざとバランスを崩して僕に向けて軌道を変えてきた。

どうやら剣を魔力で覆って伸ばすまでがスキルらしい。

だから、振り下ろしのモーションを変えれたんだね。


「くっ!」


てっきりラナンキュラスに向けて放ってくると思ってたせいで反応が遅れた。

伸びる剣を見たときは鏡写しの盾(ミラーシールド)で跳ね返すつもりだったから、今から動かしても間に合わない。

それなら……。


魔女の大鍋(魂を捧げよ……)


アザレアの腹部機巧(ギミック)だ。

アザレアの服が破けて黒い霧状のモヤが周囲を覆う。

マサムネちゃんの伸びた剣は、そのモヤに触れて消失した。

それに加えて、いちごも範囲内にいたせいで魔力を搾り取られて地面に落ちた。

無事だったのはチョコだけだ。


「なっ?!これもですか!なら、浸透撃!破砕!」


黒い霧で向こう側が見づらい間にマサムネちゃんが何かスキルを使ったみたいで、ラナンキュラスに繋いでいた糸が切れた!

もしかして道具破壊系のスキル?!


まずい!

それは僕と相性が悪い!

でも、対応方法も思いつかないから、とりあえずハピネスでいちごにとどめを刺した。

対戦後に戻るとはいえ肝が冷えるよ……。


「ピュゥ……」


ちょくちょく火を吹いたり、火を纏って体当たりしてきたけど、アザレアを引っ張るだけで避けられたから、そこまで脅威じゃなかった。


アザレアの機巧(ギミック)が終わり、服の破れたアザレアが出てきたので急いで手元に寄せた。

向こうはなんだかんだで無傷のマサムネちゃんと、ボロボロのチョコ。


こっちは服がボロボロになったハピネスとアザレア。

ホラーモードのクローバーと無傷の僕だ。


このままだとチョコを倒せてもマサムネちゃんを倒せずにハピネス達が壊される気がする。

ステータスが下がった今、ラナンキュラスの攻撃を全て捌ききってた時とどこまで違うのかわからないけど、攻撃を当てられる気がしない。


ここまできたらクローバーの腹部機巧(ギミック)も使いたいし、当たらなくて負けてもいいから使ってみよう。


魂の叫び(哀れな魂に眠りを)


クローバーをマサムネちゃんとチョコに向けて機巧(ギミックを)を使った。

するとホラーモードのクローバーが両足を揃えて立ち、両手を水平に広げて十字架のようなポーズになった。


そして一気に0になるMP。

ハピネス、クローバー、アザレア、石の右腕に付いていた糸が切れる。


マサムネちゃんも何が起きるかわからないので下手に動けないみたいで、こっちを凝視していた。

そして、僕とマサムネちゃんの目が合った瞬間、クローバーから直径1mほどの半透明なビームのような物が放たれた。


「チョコ!くっ!魔刃(まじん)


マサムネちゃんはチョコをかばうように立ち、魔力をまとわせた刀でクローバーの魔砲を受け止めた。


「ぐぅぅぅぅ!!だめ!持たない!!」


少し耐えたと思ったら、刀が砕けてマサムネちゃんとチョコを飲み込んだ。

HPバーが砕け散るマサムネちゃんとチョコ。

チョコだけ光になって消えた。


後には直径1mの魔砲を受けて倒れたマサムネちゃんと、穴が開いたことで倒れた木がいくつかあって、僕の目の前に『勝利』のウィンドウが出てきた。


勝てたのは嬉しいんだけど、あの木は元に戻るのかな。

2、30本倒れてるけど……。


機巧ギミックでゴリ押しました。


マサムネがチョコを守らず回避した場合、再度の鬼殺しでオキナが負けています。

次回は反省会です。


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