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World Wide Wonderland –人形使いのVRMMO冒険記–  作者: 星砂糖
第1章 –World Wide(ログイン2日目)-
115/287

バトルジャンキーマサムネちゃん

評価2万ポイントを超えました!

ありがとうございます!


更新日付間違えてました!

申し訳ない!


出張先でトラブル続出なんです……

許してください……

とりあえず毎日更新は継続ということで……

同期操作(シンクロアクション)でラナンキュラスに意識を移して、ヌシ釣りの森の上に浮かんで周囲を見ていると、森が遠くまで続いてるのがわかる。

北の鉄鉱山もしっかりと見えるし、その奥に広がる北の森とも繋がってる。

これで、街の北と東は森に囲まれてるってことになるね。


東は途中から木が大きくなっていてさきが見えないし、北も遠くてよくわからない。

森を抜けたらどうなるか気になってるんだけど、ここからじゃわからない。

抜けた先が草原になってたりすればそこを目標に進むんだけどね。


その後もふらふらと限界高度に沿っていろんなところを見たけど、気になるところは焼け焦げた木が倒れてる所ぐらいだった。

限界高度は25mなんだけど、僕の体を中心に半径25mだから、離れれば離れるほど下がってしまうので遠くを見づらいのもある。

もっと遠くまで飛べたら色々見つかるかもしれないから、これからはいろんな所でラナンキュラスに同期操作(シンクロアクション)して景色を見て、スキルのレベル上げをしようかな。


うわっ!

考え事をしながら木の上を飛んでいたら、少し遠くの木の下から何かが飛んできた。

矢というよりも何かの刃のようなものだった。

マサムネちゃんが使ってた飛刃(ひじん)ってスキルと同じような技かな。


また来た!

避けられたことで熱くなったのか、今度は3連続で飛んで来た。

避けられることを踏まえてか、1つ目の左右に2つ目と3つ目が少しズレて飛んできていた。


左右に避ければ当たるかもしれないけど、空中では上下もある。

だから、下に避ける。

上は限界高度があるからね。


下に避けると更に飛んできた。

今度は縦だけじゃなくて横や斜めのものもある。

どんどん避けづらくなっていくんだけど。

プレイヤーかメルカトリア人に攻撃されてるのかもしれない。

僕の体は真下にあるから、遠くからラナンキュラスを見ただけだとモンスターに見えるかもしれないし、攻撃されることは考えてなかった。


縦横斜めの斬撃を上下左右に避けると、今度は数や範囲が増えてどんどん避けづらくなってきた。

密度は正面と左右に集中しているから、更に下に避けると、それを狙っていたかのように大きな斜めの刃が飛んできていて、それを追いかける白い巨大な何かも木から飛び出てきた。


左手で持った盾で刃を防ごうと前に出す。

刃は縦に当たった瞬間パッと光って向きを反転させ、刃を追ってきていた白い塊の方に向かった。

鏡写しの盾(ミラーシールド)を使ってたことを忘れてたよ。


「なっ?!」


反転した刃は白い塊の上を通る軌道だったんだけど、白い塊の上から驚きの声が上がった。

よく見ると白い塊はマサムネちゃんの従魔のしらたまだった。

ということは驚いたのはマサムネちゃんってこと?!

今マサムネちゃんと戦ってるの?!


急いで僕の体のところに戻り同期操作(シンクロアクション)を解除して、ラナンキュラスを抱き上げる。

糸も解除されてるから背中の翼は無くなってる。

もしもまだあったら僕が切られてたかもしれないけど。


「マサムネちゃん!ストップ!」

「オキナさん?!退いて!そいつを倒せない!」


広場に着地したしらたまの上には、予想通りマサムネちゃんが乗っていた。

僕の声を聞いて一瞬動きが止まったけど、即座にしらたまのお腹を軽く蹴って、僕に向かってきた。


「いやいや!待って待って!この子は僕の人形だよ!」

「え?!人形?!しらたまジャンプ!」


近距離まで迫っていたマサムネちゃんは、急に止まれないからか、しらたまを跳ばせて僕の頭上を越えた。

4、5mは跳んだね。


着地したしらたまは振り返り、動きを止める。

しらたまに乗ったマサムネちゃんは、僕の腕の中にいるラナンキュラスを見て渋い顔をしていた。


「新種のモンスターだと思って攻撃したんですけど、避けられた上にオキナさんの人形だったなんて……」

「えっと、ごめんね?ところで、今回の攻撃でマサムネちゃんはPK扱いになったんじゃないの?」

「こちらこそすみません。えっと、PKっていうとイエローネームかレッドネームですよね。なってませんよ。オキナさんに2回ダメージを与えてたらイエローになってますけど、人形にしか攻撃してませんし、人形も壊れたわけじゃないので」

「プレイヤーのHPを2回減らすか、持ち物を壊すとイエローになるってこと?」


確かに僕自身はダメージを受けてないし、ラナンキュラスも盾で防いだだけだから、減ったとしても盾の耐久値ぐらいだ。

だからマサムネちゃんの言う通りならイエローネームにはなってないんだろうけど、何で2回なんだろう。


「だいたいそんな感じですね。2回なのは街の外だけで、街の中だと1回でアウトです。外だとモンスターだと思って攻撃したら人間だったってことがあるかもしれないので1度目は判定されないらしいです。街の中だと攻撃している時点でアウトですね。あと、他の人の持ち物を2回連続で傷つけるのもダメだったはずです」

「なるほど。街の中と外で判定が違うんだね」

「はい。他にも細かい条件があるみたいですけど、概ねその認識でいいと思います」


モンスターと思って攻撃したら人間だったっていうのはありえる。

曲がり角でモンスターが来るのを待ち構えてたら、そのモンスターを倒した人が来るかもしれないし。

一度攻撃して人間だってわかってるのに更に攻撃したらPKってことだね。

街中でそれをやれば1回でアウトなのもわかる。

街中でモンスターだと思ったなんて通用しないし、仮に従魔を見間違えたとしても、普通は主人が近くにいるはずだしね。


物を壊す場合も同じだけど、たまたま曲がり角でぶつかって壊れた時はどうなんだろう。

偶然だからセーフになるよね。


「そういえばオキナさんからのメッセージを読みました。私はフルレイドボスに興味はないです。今はまだ実力も足りてません」

「強くなったら挑むの?」

「当然です。強いモンスターと戦えるならどこへでも行きます。ただ、無謀な挑戦はしないだけです」

「そうなんだ。さすがだね」


マサムネちゃんは生まれる時代を間違えてると思うぐらいに戦うことが好きだからね。

怪我をするかもしれない、痛いかもしれないという緊張感と、技が決まった時やいい対応ができた時の爽快感、相手を痛めつける快感、相手の意識が全力で自分に注がれることが好きらしい。

僕は共感できないけど、ナックルはわかるらしい。

さすが兄妹。


「オキナさんはこれからどうするんですか?それよりもここで何をしてたんですか?」

「新しく手に入れたラナンキュラスの操作練習だよ。後は流れで木を手に入れてたぐらいかな。この後は帰るだけだね。途中で木の加工をお願いするつもりだけど」


ラナンキュラスを指差した後、倒れた木も指差して答える。

マサムネちゃんは湖付近の開拓に参加してたはずだから、どこで加工をお願いするかわかると思う。

まぁわかったところで何かあるわけでもないから言っても問題ないよね。

マサムネちゃんの紹介で割り引かれるなら逆にお願いするけど。


「木を?なるほど人形の材料ですね。それに、帰るだけなんですね」

「そうだよ。じゃあ、また用事があったら連絡するね。たぶん近々連絡すると思うけど」

「はい。わかりました」


もちろん連絡する理由は工房への招待だ。

今すぐ連れて行ってもいいかもしれないけど、何となく最初はうららさん達の方がいいと思う。

生産職から見た設備のレベルも気になるし。


その点マサムネちゃんは戦闘職だからいつでもいいんだよね。

だったら初めての招待はお世話になってる人を優先したい。


繰り糸(マリオネット)


ラナンキュラスに糸を繋いで、倒れた木を引きずらせながら収納した。

まだマサムネちゃんは残ってるんだけど、用事を片付けに行かないのかな。

何か考え込んでるようなので声をかけずに来た道を戻ることにした。


「ん?」


歩きだして広場から森に入る瞬間ウィンドウが表示された。


『マサムネから対戦が申し込まれました。』


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