過去の仲間
「………あ?」
音がし、左を向く。数千もの人間が武器を持って歩いてきた。
「へー、勇気あんじゃん」
増援で来たクルス王国の部隊だ。元は襲撃してきた魔族討伐が目的だったが、今は違うようだ。
「よー!今回の討伐対象は、この魔王かー!?」
「当たり前だ‼︎貴様のような者は、もう生かしておけない‼︎」
至極当然のように言う。さっきまではそういう事を言われる度に傷付いていたが、もう何も感じない。また、別の人間として生き始めたからだ。
「あはははははは‼︎それは自己紹介か?生かしちゃおけねぇのは、てめぇらだろ」
「何を言う‼︎我々は偉大な正義の下、戦って」
「じゃあ正義の為っつって同じ人間で同じ国民の1人を殺すのかぁ?お前らが掲げる偉大な正義っつぅのは私利私欲と何が違うんでしょうね〜!?」
ハイのまま、相手が嫌がってイラつく言葉を考えて放つ。
「ふざけるな‼︎貴様は人間でも国民でも無い‼︎我らの正義と国民…そして、人間を馬鹿にするな‼︎」
「現実から目を背けてんじゃねぇよ‼︎伝承には『魔王は人間であるが、周りに災厄をもたらす者』って描いてあるぜ〜!?俺もそんくらい調べてんだよ‼︎いや〜滑稽だなー!?お前ら人間が自身である人間についてを、お前が人間じゃないと判断したこの魔王が‼︎お前ら人間より知ってるなんてな〜!?馬鹿にするならまず自分を馬鹿にでもしてるんだなあ‼︎」
テンションを狂わせているせいか、相手が話し終われば一瞬で言葉が思いつく。ここまで誰かを煽ったのは初めてだ。相手を圧倒し、優越感に魔王は浸っていた。
「だ、だま」
「黙れ‼︎」
「ッ!?」
「……どう?急に黙れって言われて嫌だったろ?自分がされて嫌なことはしないようにしましょう。これ、人間様が通う小学校ん時の教えね?そうだろ?人間様?」
相手は何も言い返せなくなった。そして、この言葉で我慢の限界が来た。
「ッ‼︎武器を取れ‼︎」
「お、自分の怒りの我慢の限界で武力行使‼︎力でねじ伏せるか‼︎職権濫用ってやつか!?それとも、それが人間てやつかあ!?」
「目標‼︎魔王‼︎」
「ああいいだろう……一瞬で、全員殺してやる」
描く者で気持ちを切り替え、声が低くなる。
「かかれー‼︎」
「《むぼ──」
その時
「止まれ‼︎」
その声に両者の動きが止まる。そこに現れたのは
「ッ‼︎あなた方は…!?」
「………」
ガリヤードとアザレアだった。
「な、何故貴方がここに………あ!まさか我らの加勢へ来てくださって」
「違う。大馬鹿を止めに来た」
「…はい?」
この隊長は理解できていなかった。目の前が見えていなかったからだ。
「あいつを見ろ」
「?……ッ!?」
魔王は右手を上げ、後ろに何千もの武器が隊長側を向いていた。
「………」
「あの右手が下ろされてれば、お前らは全滅していたぞ」
「そんな……でも、ここまで……」
「相手の強さを見極めろ。そして、穏便に済ませれるならそうしろ。いいな?」
「わ…分かりました……」
凄く悔しそうだったが、隊長らは撤退していった。
「……もう楽にしていいよ」
「…」
アザレアの言葉を聞いて、レオはスキルを解除した。
「……始末書でも書けってか?」
「…とりあえず、今は大丈夫だよ。それより、ほら。一緒に帰ろう」
笑顔で手を差し伸べる。
「ッ──!………」
レオはハッとし、一瞬手が動く。…だが
「……いい」
「ケイソレイ…」
レオは、動いた手を止めた。
普通に見ればただ誘いを断ってるだけだ。だが何故だろうか。アザレアには、どこか苦しそうだと感じてしまった。そして、この手を取りたくても取れないとも。
「明日の作戦会議に間に合えばいいんだろ?………はぁ………帰って、さっさと寝る。今日は…疲れた…」
レオはゆっくりと足を進め、帰り道を歩み始めた。
「あ………」
アザレアは動けなかった。追いかけて、何をすればいい?何と話せばいい?分からなかった。今になってやっと、何も理解できていないことに気付き、痛感する。約1年もの間、何も。アザレアにできることは、ただ1つ
「ケイソレイ」
「…?」
「ゆっくり、おやすみ」
「………」
笑顔で送るだけだった。
「……ああ」
レオは返事をし、再び歩み始めた。
その……マジでごめん。前回のタイトル間違えた。これ投稿後に修正する。しかも今回2000文字じゃなくて1800文字。また少ない。良いのか悪いのか分からんけど、マジでごめんです。




