俺と、ついでに皆の為に
「おりゃあああああ‼︎」
「ぐはっ‼︎」
「そこまで‼︎」
「…ふぅ…」
審判の合図を聞き、アーレルドは構えを解く。
「…ありがとうございました…」
一礼し、観客席へ戻った。
「…はぁ………」
自分の席に座り、ため息を吐く。
(…何で……何で、あんなことに…)
アーレルドはレオとの件以来ずっと引きづっていた。
「アーレルド」
「ッ!?……あ、ああ…ガリヤード先生でしたか」
「俺が出しゃばっていい事かは知らんが…最近どうした?元気が無いぞ?」
「ああ……そうですね、話します。ええっと…まずは……」
その時
「ッ!?地震!?先生‼︎早く避難しないと……」
地震が来て、落ち着いてガリヤードは構えた。だが、それよりも、感じる何かの気配に気を取られていた。
(地震?ここは地震なんて滅多に来ないだろ。この揺れ…あっち側から感じた。だが、あっちに地面が揺れる程の原因になるようなものは………ッ‼︎)
1つの予測。それは、最悪の答えだった。
「魔族だ‼︎魔族が攻めてきた‼︎全員校舎へ避難しろ‼︎」
「え?ま、魔族?」
「実感が無いのは分かるが急げ‼︎死ぬぞ‼︎」
ガリヤードの声かけにより、段々と事の重大さに気付いて先生生徒全員が校舎へ避難し始めた。
「校舎にはバリアを張ってると聞いたが…どこまで耐えれるか…」
ガリヤードも生徒を護る為に自分の教室へ向かった。
教室に着く。突然の襲撃により、校舎全体がピリついていた。
(俺は英雄隊として行くべきか?いや、じゃあこの学校の守りはどうなる?違う、英雄隊はこの国全体を守るのも役目だ。だが…)
「………」
ガリヤードは先生として残るべきか、英雄隊として魔族を倒しに行くべきか迷っていた。アーレルドは、襲撃によって想いがごちゃ混ぜになってしまっていた。
「ガリヤード先生‼︎」
「ッ‼︎どうした!?」
「情報が来ました!襲撃したのは魔族四天王のバルト・ムガル率いる約7千の魔族‼︎」
「やっぱりバルトか…‼︎」
ここまでは予想通りだった。だが、問題は次の言葉だった。
「そして、それに魔王が迎え討っています‼︎」
「………は?」
「が、ガリヤード先生?しっかりしてください‼︎魔族に魔王、ケイソレイ・ムユジクが戦っているんですって‼︎」
「あいつが…1人で…?」
それを聞いて、自分がすべき行動は1つになった。
「リラードにあいつを託されたんだ…」
「はい?」
「今から加勢しに行く」
「ガリヤード先生がですか!?駄目です‼︎四天王も魔王もいるんですよ!?死んでしまいます‼︎」
「英雄隊を舐めるな。俺がやらなきゃ誰がやる」
アーレルドは、加勢しに行くという言葉に反応し、少し間を置いて口を開く。
「先生‼︎」
「アーレルド?」
「俺も…行かせてください。いえ、何と言おうと…俺は行きます」
アーレルドは恐怖があったが、それでも、会いに行かないといけなかった。魔王になってしまった友達に。どう言われても、護りたかった。
「………死ぬなよ」
「ッ‼︎……はい」
アーレルドに何があったかは知らない。ただ、ガリヤードも同じ立場ならそうしてただろう。そう思い、許可した。
「行くぞ‼︎」
だが、その時
─ドゴォォォォオオン‼︎─
「「ッ!?」」
「はっはっはっは‼︎」
教室の壁を壊し、2人が出てくる。レオとバルトだ。
「おらよ‼︎」
「ぐはッ…‼︎あ"…ぁが……」
だがそこにいたのは…笑いながら圧倒的な力で四天王を蹴り落とし、そのまま踏みつけて抑える。左目を瞑り、右目から3つの禍々しい黒い炎を放つ…まさに魔王だった。
「…お?あ、ここ学校じゃん。しかもウチのクラスだし。……あ」
ガリヤードとアーレルドに気付く。
「………」
(描く者)
気持ちを切り替える。伝えたいことがあった。魔王はガリヤードの方を向き
「こいつはこの魔王ケイソレイ・ムユジクの獲物だ。邪魔するなよ?お前は先生として、せいぜい俺らから生徒を護るんだな」
「ッ‼︎」
「それと……」
レオはアーレルドの方を向き
「お前は誰かのせいにすることを覚えろ。生きていけねえぞ。全部自分のせいにする大馬鹿野郎が」
「ッ‼︎」
言いたいことを伝え終わり、少し俯く。
「…責任か……」
(…描く者)
気持ちを切り替える。
「悪い悪い、待たせたなぁ?んじゃあ、第2回戦いってみようかあ‼︎」
「ッ‼︎うぐっ‼︎」
レオはバルトを一旦持ち上げてから壁穴の方へ蹴り飛ばし、追いかけた。
「あ、ケイソレイ‼︎」
アーレルドは手を伸ばしたが、ケイソレイには届かず、レオや魔王にさえ届かなかった。
理解できる?多分俺だったら初見読んでも理解できん。展開早いくせに情報量多い。




