無くても、そうじゃなくても
─次の日─
レオは目覚める。何か物音が聞こえる。何か果物の皮を剥いてるような音、この音で起きたようだ。体を起こし、音の方を見ると
「おや、起こしちゃったかい?」
「……何やってんだ」
アザレア・ランシス。ガリヤードと同じく実力者で英雄隊所属。レオの親友で育て親だ。まだ寝てる時にレオの家へ来たようだ。
「何って、うさぎは嫌いかい?」
「違う。何で急に家に来て、うさぎ形のリンゴ作ってんだって聞いてんだよ」
「懐かしいだろう?前は……といっても1年も前だけど、よく料理と一緒に出してたもんだよ」
落ち着いた声で放つその言葉は、懐かしむようで、どこか悲しんでるように感じた。
「………」
レオはその言葉を聞いて、ただ心が締め付けられただけだった。それでも文句は言わない。よく、知っているからだった。
「…で、何か用?俺そろそろ行くんだけど」
「おや?何か用事かい?」
「ちょっとな」
「そうかい……なら行く前に…おひとついかが?」
アザレアはリンゴを爪楊枝で刺し、レオの口元へ差し出す。
「…」
少し躊躇した後、リンゴを咥えて爪楊枝から抜いた。少しして、食べ終わった。
「……それじゃ」
「一応聞くけど、分かってるかい?明後日だよ?」
「分かってる。…あ、そこの紙は全部友情戦記に投稿していいから。じゃ」
レオ孤独への花束を発動して家を出た。
「………何でだろうねえ。前より、背中が遠く見えるようになったのは。リラードの方がまだ近くに感じるよ。あたしの勘だけど、久しぶりに会ったからとかじゃない……そうだろ?ケイソレイ。それとも、別の誰かかい?」
─1時間後─
クルス王国の中央にある城に着いた。その中に英雄隊の本拠地がある(英雄隊専用の隣接した部屋がいくつかある)。
レオは孤独への花束を解除し、入ろうとしたが
「止まれ‼︎ここは貴様のような者が来る場所ではない‼︎」
門番が行手を塞いだ。
「はぁ……確認することがあって来ただけだ。退け」
「駄目だ‼︎」
「……」
レオはスキルで黒い渦を出し、ボロボロの白い和服を取り出す。そして、その服の右肩辺りにあった勲章を見せた。
「見ろ。これ見ても退かないつもりか?」
レオが見せたのは、クルス王国の紋章。英雄隊所属である証拠だった。
「ッ‼︎………」
「…それでも退かないか……自分を貫いてんのか?なら褒めてやるよ」
「だ、黙れ‼︎貴様に言われなくとも…」
「仲間が、友がいるってか?」
門番の言葉を遮って話す。そして、左目を瞑る。
「あ、ああ。分かってるじゃないか。そうとも。私には大切な友がいる。貴様のような奴にはいないようなッ」
─《夢眸》─
突然のことだった。門番は、レオの姿が消えたと思ったら、門に叩きつけられる音と共に吹っ飛ばされていた。その一瞬は認識できたが、その後、門番は意識を失った。
(《描く者》)
「スゥー………フゥー………」
深く息を吸い、長く息を吐く。そして、吹き飛んだ門番が突き破った門を潜る。
「…要するに、俺と一緒にいてくれた奴らが、俺以下ってことだろうが。2度と、侮辱するな」
レオは左目から流れる1滴の黒い液体を拭って左目を開け、城の中へ入っていった。
「あいつは………」
城内の警備などはレオの存在に気づいたが、入る資格は一応持っているため、何もできなかった。それに、圧倒的な強さを察したのもあるだろう。
レオは門前以外で何事も無く、英雄隊本拠地へ着いた。レオは作戦室へ入る。そこにある大きいテーブルの上の物を見た。この世界の地図だ。
「ええっと、軍事国家ハレトスは………あった。ここから…あっちの方面か」
レオは今夜、北東にある軍事国家ハレトスに用があり、場所を知るためだけにここへ来た。
「よし…じゃ、帰るか」
レオはスキルで黒い渦を出し、その中へ入って行った。
「………ただいま〜っと。相変わらず便利だなこれ」
レオは黒い渦を通って家へ帰った。ワープとほぼ同じだ。
「今日の分は……明日書けばいいか。どうせ思いついたの書いて1日1日に分けて投稿してるだけだし」
寝転がり、ぬいぐるみを抱き寄せる。
「おやすみ。良い夢見てね」
レオはそう呟き、眠った。




