居場所
─1時間後─
レオは真眼の能力で空を飛び、家へ帰った。ただ、地面に降りる時には気力が尽きてしまっていて、もはや墜落と言っていいほど勢いよく落ちた。スキルの使用には気力を使い、真眼は消費が激しいのだ。もっとも、気力が尽きた理由はそれだけじゃないだろうが
「………これでいい。もう道は残されてない、ただ1つの道を征くだけ。よくやった」
独り言を吐き捨てる。ゆっくり立ち上がり、家へ歩く。足取りが重い。それでも、歩かないといけない。ゆっくりと足を進める。
「…あっはっはっは。にしても、めっちゃ急だったな。なんか会話が変になった気がするわ。てへっつってな。うっはっはっは。キッショ」
皮肉のような笑いをする。本心からは笑っていない。ただ、笑いとして消化してるだけだ。自動的にMRも発動している。
「てか急になったのも別に結果オーライじゃん。元から縁は切るつもりだったし。てかしゃあないって。あいつが名前呼んだんだもん。チャンスだったし、実際不愉快だったし。まぁ…理不尽なのはそうだけど気にしなーい気にしなーい。…めっちゃクズやんけw」
だんだん足取りが軽くなる。散々偽りの想いを吐き出し、家の扉を開ける。そこにいたぬいぐるみが、暖かく出迎えてくれた。そんな気がした。
「ただいまー!言った通り早く帰ったぞー!」
サッとぬいぐるみを抱き抱える。そして壁を背にしてゆっくりと座った。
「どう?凄くない?早いっていうかまだギリギリ午前!結果的にそうなっただけだけど、凄いでしょ。ふふ〜ん♪褒めて褒めて!……ん?何ぃ?それって俺のおかげじゃないってぇ?んなぁもう別にいいじゃん?頑張ったのには変わんないしさぁあ?学校だよ?学校。この、俺が、学校に、行ったんだぞ?俺にとっちゃぁ学校なんてトラウマとかクソッタレの宝庫だぜ!?明日は大雪でも降りそうだってか?やっかましいわ。素直に褒めろっての」
楽しく独り言を交わす。ぬいぐるみとは純粋に楽しく話せる。唯一、本心で話せる相手だからだ。国の外だから危険はあるが…レオにとって、ぬいぐるみのいるここが1番安心できる場所だった。
「ん?あぁこれ?ああね、ちょっと待ってな」
左目を拭い、開ける。
「やっぱ俺のまだまだだな。ま、今んとこ自分を貫けてるしいいか。………ん?あれ?あるぇ?あれれれれれれ〜?てか普通にさ……もう学校行けない感じ?学校行かなくていい感じィ!?ッシャアアアアアアアアアアオレィ‼︎フー‼︎ん〜〜〜〜‼︎」
ぬいぐるみを思いっきり抱きしめて、顔を埋め、体をくねらせる。想いが溢れそうになった時にいつもやっている。最初は恥ずかしかったが、誰も見たいしいいかとなってから恥ずかしくない。
「あ〜〜。あぁ………」
突然、落ち着く。
「今のとこ、上手くいってるかな。嫌ってくらい上手くいってる。…ほんと…嫌になる」
何かを察しているような目をする。その目に、生気は無い。声も、どこか懐かしむような、苦しいような…そんなことを感じてしまう声。それでも、笑顔だった。
「あぁ…どうしてこうなったかな…。見てるか、リラード。元気か?俺はこの通り……このザマだ。ったく…英雄から叩き落とされるのもキツいね。思想とか歪んだってしゃあないじゃん」
ふと、手元のぬいぐるみの存在を思い出す。
「あぁあぁごめんて。俺は元気だぞ?多分。ほら、ニコニコ〜」
レオは両手の人差し指を頬に当て、左目を閉じてウィンクしながら笑顔を作る。
「ふふ、笑顔上手だろ?こんなこと、お前にしかやんねぇんだからな?……別にいいけどさ」
ぬいぐるみを撫でる。優しく、大切に、最後まで一緒にいれるために。よく見ると、ぬいぐるみだけは汚れ1つ無かった。
「はぁ〜もう疲れちゃったな……寝よ。……ああいかんわ。今日の分描いてねえ」
紙とペンを用意した。レオは日記を書いている。日記と言っても、ただ思いついたものを書いたり、結構自由に書いてる。タイトルは友情戦記。何故かはレオにも分からないが、結構読んでる人がいる。毎日書く必要があるが、何十日かためてから投稿しだした為、投稿はしなくても多少はいい。
「はぁ…これ書いてんのが俺ってバレたらビリッビリに破かれるだろうな〜。さてと、書くか」
レオは今日の日記を書き始めた。
最後までの下書きあるわけじゃないからっていうか下書きしてないから修正がめっちゃあると思うけど、ごめんなさい。今んとこ大丈夫だと思う。




