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カードゲームのインチキ効果詰め合わせみたいなスキルを貰った場合、異世界に行って無双し、百合ハーレムを作ることができる。  作者: 浮脚ダツ
第一章 私が異世界に召喚・特殊召喚された場合、スキルを得て、世界から女神を装備する。
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私が異世界に召喚・特殊召喚された場合、スキルを得て、世界から女神を装備する。①

息抜きと思い付きだけで始めたので更新はクッソほど不定期です。エタる可能性も大。

 ――え?

 なに、ここ……どこ?


 気が付くと、森にいた。

 地面は舗装されておらず、剥き出しの茶色い大地が、都会の喧騒から離れた大自然を演出してくれている。

 今日日、学校のグラウンドも舗装されていて、公園で遊ぶということからも縁遠い、インドア派の私からすれば、こうして地面を踏みしめて、土の感触を足の裏で感じるというのは、実に、保育園ぶりくらいの感覚である。


 気が付くと、と言ったが、私は別に、意識を失っていたわけではない。

 学校からの帰り道、馴染みのカードショップに寄って、ストレージ漁りでもしようかと思いながら、スマホのデジタルカードゲームで対戦しながら歩いていたのだ。

 歩きスマホはやめろ?

 そこはごめんなさい。でも、友達同士で横に広がって歩道を塞いで歩くよりはマシではなかろうか――はい。自己正当化してすいませんでした。ついでに学校に友達もいませんごめんなさい。


 ゴホンゴホン。閑話休題。


 まぁ、歩いていたわけだ。そしてふと、進行方向を確認しようと顔を上げたら森だった次第です。

 スマホのゲームは、恐らく私側の通信切断で無効試合になっている。対戦相手側は勝ったことになっているだろう。無論、現在は圏外である。

 使えなくなった板切れをしまい、周囲を確認する。


 鬱蒼とした森からは、枝葉のざわめきや、鳥や虫の音がやたら大きく聞こえてくる。人の気配のようなものはない。そもそも気配とか分からないし……。

 特段見るものがないからと、いっそ全部をよく見てみると、舗装こそされてはいないが、この地面には、人為的な痕跡を感じられた。

 車か何かが通っているのだろう、すーっと二本、平行に、雑草の生えていない地肌の線が、森の奥へと伸びている。少なくとも、人通りのある場所ではあるらしいことが分かり、少しだけ頭の(もや)が晴れた気がした。

 今はとりあえず、この道のように見える平行線を辿っていくしかない。


 カラスのような、だけどカラスとは違う鳴き声の、鳥なのか何なのかも分からない音を四方から聞かせられながら歩くこと……三十分くらいだろうか? 暗い森の奥に光が見えた。

 すでに重い足に気合いを入れて、駆け足で向かう。


 そして、森を抜けた先は――


 また森だった……。

 だがまぁ、ただの森ではない。空が見えるのだ。空が見えるくらいには開けた場所に出た。

 車輪の(わだち)と思われる線も、二手、三手に別れて、この広場とも言える場所に、人の営みの痕跡を残している。

 切り株や、石で組んだ竈門(かまど)のようなものも見えるし、ここは休憩所のような場所なのかもしれない。


 久しぶりだなと見上げる青い空。雲がかかっていないので、快晴と言えるだろう。

 そういえば、空を意識的に見上げるなんて、飛行機の曲技飛行を見たとき以来かもしれない。あれは確か、小学校の四年生くらいだから……七年も前か……。地面なら毎日、無関心に視界に入れ続けているのに……。

 そんなことを考えていると、突如として、一陣の強い風が吹き荒れた。

 割とセットが面倒な、私の長髪のポニーテールが、風に煽られて暴れては、イソギンチャクの触手みたく広がって、顔にバシバシと当たる。口に入る。

 最悪である。

 満員電車で揉みくちゃにされて、セットも何もあったものではないような感じになった髪の惨状に茫然としていると――


――みつけましたあ!――


 と、女の人の声が頭の中に響いた。

2時まで1時間ごとに連続投稿します。

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