表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/32

その6 父さんと身だしなみ

「なんだその寝癖は。ちゃんと直しなさい」




 学校に行こうと靴をつっかけたら、お父さんが珍しくまともなことを言い出した。


 寝癖放置の私とシャツのボタンをかけちがえた兄さんの前で腕組みして、せつせつと語る。




「父さんの同僚の佐藤さんが言っていたんだ。高校生の息子が金に染めた頭とピアスのままでスーパーのレジ面接にいって落ちたと。いいか、よく聞け。人間どれだけ性格がよくても、結局世の中見た目が……」


 話が長いから残り三十分は聞こえないふりした。


 兄さんは講釈開始三分で飽きてスマホアプリに興じている。


 少なくとも私は、金髪に染めてピアスしてからバイト面接に向かう予定はない。


 要点だけ言ってくれないかな。途中四回も同じ話が出てるのに、本人は気づいていない。


 今ほど私達兄妹の心がシンクロしたことはないだろう。


 ――お父さん。ステテコ一枚で説教されても、説得力皆無だよ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ