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その4 母さんと今日のこんだて

 私のお母さんは悩み多き人だ。

 レストランに行っても、目移りして食べたいものを決めるのに二十分かかる。


 今日はそんなお母さんと夕飯の食材を買いに来た。

 お母さんは例に漏れず、もう十五分もスーパーの鮮魚コーナーでふたつのお魚パックを見比べていた。


「ねえ、どっちがいいと思う?」


「なんでもいいよ」


 待ちくたびれて返事がおざなりになっているのは許してほしい。お母さんは私の答えを聞き、ムッとする。


「なんでもいいがいちばん困るのよ。作る方の身にもなってみなさい」


「だって……ねえ」


 お母さんの悩みの種は、夕食のお好み焼きをイカ玉にするかエビ玉にするか、だから。


 いっそ二つとも買ってミックスシーフード玉にすればいいのに。


 私が提案すると両方はお金の無駄だからダメと言う。


 悩み抜いた末、お母さんが選んだのは今日のチラシ特売の豚肉だった。あの十五分はなんだったのか。

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