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その23 わが家のお花見

 四月半ばの日曜日、家族でお花見に行くことになった。


 駐車場に車を止めて片側二車線の道路をはさんだ反対側が緑地公園で、見渡す限り桜が植えられている。


 信号待ちしている観光客もきれいだな、来て良かったなと言いながら早速スマホやデジカメを構えている。


 うちの家族はというと……



「おい、信号まだ変わらないのか。壊れてるんじゃないか?」


 三段の弁当箱を抱えたお父さんが苛立ち、赤いボタンを連打する。


「やめてよ恥ずかしい」


 私の言葉を聞いていないのか、お父さんはまだボタンと戦っている。


 お母さんは隙間時間を利用して、昨日テレビで見た痩せる屈伸を実践する。


「なあ、もう帰っていいか? 十二時限定のイベントがあるんだけど」


 兄さんは来たばかりなのにスマホゲームのことを気にしている。


「花見の時くらい一丸になろうよ……」


 私の呟きは誰にも届かないのだった。

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