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3月~4月

普通のサラリーマン山田太郎が時々ハードボイルド小説風になる能力バトル小説。

自身の能力に気づいた山田はその能力を駆使して仕事とバトルの日々に突入する。


サラリーマンがかっこいいと思ってもらえたら光栄です。


俺は書類に埋もれ、パソコンに向かい、目が疲れ果てるまで働いた。

年度末の締め切りが迫り、仕事量は増えるばかりだった。


いつもなら、同僚たちと少しでも気晴らしをするが、今日は違った。

皆、同じように書類に埋もれ、機械的に仕事をこなすだけだった。


Bホーム社は完全子会社になりA建材社はA建グループとなった。

会長鈴木一郎すずきいちろう氏が最高顧問に就任した。

会ったことはないので多分名前だけ貸して高額報酬をえる元役人だろう。


俺たちはすでに、年度末の疲れというものを抱えていた。

それは身体的な疲れだけでなく、精神的な疲れも含まれていた。

だが、それでも俺たちは仕事を続けた。

Bホーム社から出向している後任の

伊東芽衣子いとうめいこ君も

パソコンと格闘している。


柏木美月かしわぎみつきから引き継いだ能力で植物を操れるが

美月の能力の半分くらいの力らしい。


企業戦士の鉄の掟として親会社の人間には逆らえないのだ。

「美月はBホーム社を守るため俺を消しに来たのか。」

子会社社員になった伊東芽衣子君からすべてを聞いた。

美月のお見舞いにいった芽衣子君に、何もわかってない俺に、

「山田さん基本を教えてあげて下さい。」

と頼んだらしい。


企業戦士の鉄の掟

1,親会社には逆らうな

これは能力にダイレクトに関係する。

子会社が増えると能力も強くなるってことみたいだ。

左手の光も放射状からスッポトライトみたいにできる

ことに最近気づいた。対象を限定できるのだ。


2,勤務時間の守り方

休日に能力が使えなくなるのはこのためだ。

接待ゴルフは業務としてみてもらえてるって事はありがたい。


3,コミュニケーションの取り方

ハラスメントは一定期間能力の弱体化、使用不可になるようだ。

また上司に気を使いすぎて組織にマイナスな状態が続いても同様らしい。


4,業務の品質と納期の守り方

企業戦士は、自分が担当する業務に対して、

品質と納期の両面で責任を持つ。

業務の遅延や品質の低下などが発生した場合は、

適切な対応を行うことが求められる。


5,機密情報の扱い方

安易に同し組織の企業戦士情報を漏らすなということだ。



芽衣子君をはじめ同僚、部下の頑張りで締め切りの日を乗り越えた。


例年もう少しで終わる、という希望が見えた矢先、

突然、パソコンがフリーズ、俺はやり切れなさと怒りを抱えながら、

近くの壁に拳を叩きつける。

でも、それでも、今すぐやらなければならないことがある。

俺はどうにかして、仕事を終わらせるために、苦労して再起動した。

それは、俺たちサラリーマンの年度末の憂鬱だった。


今年は違う。俺にはこの時を遅らせる能力がある

中田さん、芽衣子君、岡田さん。

支えてくれる仲間がいる。

中田さんは

「また、残業なら飲みにつれていけ!」

と冗談交じりに言っていた。


見事、ノーザン!


【4月7日土曜日】

朝の見慣れた窓。太陽がカーテンの隙間から漏れる。目を覚ます。


隣には中田洋子がいた。


彼女の存在が私を包み込むように感じた。

彼女は、そばにいるだけで俺の心を踊らせる女性だった。


彼女の優しさに俺は圧倒された。

彼女の瞳は深く、まるで俺の心を覗いているようだった。

俺は彼女に対して、強い魅力を感じていた。


彼女は俺に寄り添い、彼女の香りが俺を包み込んだ。

俺たちは言葉を交わすことなく、ただ彼女の存在を感じながら過ごした。

彼女は俺にとって、まるで夢の中にいるような存在だった。


彼女の手が俺の手に触れ、俺は彼女の温もりに包まれた。

彼女の目が俺の目を見つめ、

彼女は俺に対して何かを語ろうとしているようにも感じた。


俺は、彼女に対して強い想いを抱きながら、

彼女と一緒にいたいと願った。

彼女の優しさと美しさに俺はとりこになっていた。

そばにいる限り、俺は幸せだ。



完敗だ。幸福な降伏だ。

タバコの煙が天井に昇る。

中田さんは髪をかき上げタバコを吸っている。

俺は布団にくるまり中田さんに顔を見られないよう背を向けている。


警報はならない。


どこかで見たことのある光景だ・・・!


そうだ!あの時のトイレだ!


そういえば中田さんはタマを覚えていた。

「また、残業なら飲みにつれてけ!」・・・

残業してた能力解放される前の事を覚えていた。

能力者だ!産業スパイは中田さんか?

考えを巡らしていたその時、背後から俺の身体に腕がまわってくる。


中田さんが声が嬉しそうに耳元に聞こえる。


「そうだよぉ。私は企業戦士の能力者だよぉ。

能力は対象のサポートを完璧にする事ぉ。

Bホーム社合併の件で能力が強まり対象の考えが分かる様になったのぉ。

太郎君の想いが分かった時はうれしかったなぁ。

でも私はスパイじゃないよぉ。」


そういうと中田さんの体が光だした。

「あれ・・・?俺に力が戻ってくる・・・・」


再び果てた。


吸いかけの中田さんのタバコを一口もらう。

心地いいめまいが俺を襲う。


「じゃ。私は仕事だから。また来週ね。」

「経理の休日出勤。お疲れ様です。」

「うん。」

中田さんはいつもよりツヤツヤしていた。


土曜日はそのまま寝た。

日曜日は洗濯、掃除して、昨日より広いベッドで寝た。



【3月5日月曜日】

c建設株式会社。最大手のゼネコンだ。

建材屋のA建材も取引があったが、

Bホーム社の一件で新規の取引はなくなった。



俺は、今日岡田部長と一緒に営業に出ることになった。

この男は、誰もが憧れる存在だ。

口数は少なく、冷静沈着な態度で仕事をこなす。

俺は、彼のようなプロフェッショナルを見習いたいと思っていた。


出発前、岡田部長は俺に厳しい視線を向けた。

「お前は何をするんだ?ミスは許されないぞ。」

この時はこの言葉の意味がよく分かっていなかった。


俺たちは、c建設の支店へと向かった。

そこで、岡田部長は俺に商談の進め方を教えてくれた。

俺は、彼のアドバイスを忠実に守り、なんとか商談の手ごたえを得た。


岡田部長は、表情を変えず俺に声をかけた。

「よくやった。でも、これからが本番だぞ。」


部長と並んでロビーを歩いていると


「あーいたいた!すみませーん!

初めまして!。是非ご挨拶を…」


というと彼は名刺を差し出してきた。

サラリーマンの神聖な儀式、名刺交換だ。

岡田部長とともに名刺交換をする。


「c建設・・・武田朝陽たけだあさひさん。環境対策特別室長…」

「A建材の岡田さんと山田さんですね。」


武田は、まるで鋼鉄のような意志と、

鍛え抜かれた肉体を持つ、青年だった。


彼を見ると、彼の青い瞳に燃える炎と、

強靭な筋肉によって彼が克服する困難に向けて、

強力なエネルギーを感じた。


「気をつけろ山田!企業戦士だ!」

「流石、レジェンドの岡田さんですね。もう分かったのでかすか。」

「これからが本番だからな…後ろで見てろ!山田!」

「部下を守りますか?上司の鏡です。

わが社にもそんな上司が欲しいです。」

「能力の相性が悪いだけだ。山田が弱いわけではない。」


あまりの展開で俺は訳が分からなかったが

岡田部長があっさり企業戦士の能力者だと暴露した。

c建設に営業は部長から出た話だったが…


考えを巡らさていると

「商談中ですよ。集中してますか?」

右手を前にだす。

「山田!炎だ!」

「すみません!考え事してました。」

俺は左手を光らせ炎を寸前で止める。

だが熱は伝わる。

熱い!ダシュで逃げる。

「へー時を止めたんですか?確かにそれだけなら、

わが社は御社を完封できます。」


「集中してますか?」

岡田部長だ。

180センチ位で細身のはずの岡田部長が筋骨隆々になってた。

飛びかかり右の拳を振り下ろした。

寸前でかわす武田。


「脇があいてます。」

右手を岡田部長の左わき腹にあて直接火炎放射する。

部長の上半身が炎に包まれる。


「部長ーーー!」

焦げた臭いが鼻を衝く。俺は時を遅らせ消火栓を全開にし消火した。

上半身が焦げた部長が立っていた。しかし目は鋭いままだ。

「山田サポートしろ!この商談ものにするぞ!」

部長の傷が消えていく。

部長は筋骨隆々とした体を自慢げに表し、

肉体の緊張感がその身にまなぎっているように見えた。

部長の筋肉は鉄のように硬く、

血管は細いながらも青筋立って浮かび上がっていた。

その身体はまるで、暴力や危険に対する抵抗力を象徴するかのように、

たくましく鍛えられていた。

「はい!」

部長に認められた気がした。

「奴の能力は炎を操るが恐らく右手だけだ。

炎を喰らって分かったが右手が炎をを操っているのではなく、

右手が炎になる能力だ。」

部長の洞察力はいつも適格だ。


「俺の能力は、この超回復だ。あとは昭和の愛あるゲンコツ。

令和だとパワハラになる。」

「私は時を限りなく遅らせることができます。

止めているわけではないです。」

「分かった。離れて奴の邪魔をしろ。方法は任せる。」


「やっぱり。さすがレジェンド岡田部長!一撃でばれましたか。

ほんと凄いな!」

能力を丸裸にされた事に武田は感嘆した。いや余裕なのかもしれない。


武田の右手は2本に増えていた。その右腕を鞭のようにしならせ

俺と部長に迫ってくる。


俺は時を遅らせ、コンビニエンスストアの

家族セブンのビニール袋に小石を詰めてとってくる。


小石を投げる。時を遅らせる中での俺の行動は相対的に高速になる。

小石も弾丸になる。


武田は小石を避ける。

「危ないですね。なら」

武田はさらに腕をさらに3本増やし自分の周辺をグルグル回しだした。

俺はかまわず小石を投げる。

小石はマグマのように溶けて床に落ちる。

山田は近づけない。


「視野は広い方がいいぞ。」

部長はガードを固め接近し右の打ち下ろしを放つ。

武田避ける。

部長がかまわず突進し左のボディブロー

武田は鞭のように伸ばした2本の腕があだとなった。懐に入り込む部長。

武田は体をねじり左手で抑えるしかない。

かまわず、部長の右ストレート。

武田体を後ろにのけ反り回避。すぐさま斜め上に火炎放射。

部長も距離をとり回避。


この一連で焼けた部長の皮膚が再生していく。


部長は息が上がっている。


「そろそろ限界じゃないですか?再生…疲れるんじゃないですか?

今年から来年の取引は諦めてもらえませんか?」


「冗談じゃない。はぁはぁ。c建設は業界最王手はぁはぁ。

いくらの売り上げを失うと思ってる。わが社にとって死活問題だ!」


再びガードを固めて突進する部長。

「またですか?もう最後です。蛇王じゃおうー…」

炎は腕は10本に増えていた

「ここまで強力な能力か…」

部長は歯を食いしばり突っ込む。

10本の武田の腕が部長を包もうとしたその瞬間。


パンパンに水の入った家族セブンのレジ袋が武田の右肩にかかる。

「え!ん?」

「でかした!」

炎が一瞬で消える。消火は根本から。消防訓練で教わる。

山田は高速移動で脚立を持ってきてた山田は

全ての腕が岡田部長に向いたのを確認し

脚立をたて天板の上に立ち

上から袋を落としたのだ。


「商談成立ーーー!」

部長の雄たけびと共にゲンコツが武田の頭にヒット!


地面に叩きつけられる。負けを直観した武田は

「愚直な直線的な攻撃は山田さんを生かすため?。

聞こえるように後ろに下げたのも私の油断を誘う為。?

すべて初めから計算してたのか?」


地面に叩きつけられる寸前で消える武田。



「はーーーい!不安全行動はやめてくださーーーい。

脚立の天板に立つと危険でーーーす。」



10メートル位離れたところで背の低い男が黒縁の眼鏡をかけ、

七三に分けた髪型が精悍な顔を際立たせていた。

スーツを着こなし、

彼の身体からは薫り立つような緊張感が漂っている。


「初めまして。蒼井大翔あおいだいしょうといいます。

名刺交換はまた今度でお願いします。」


横には武田が片膝をついて頭に手をあてている。


注意された俺は、

「あ!すみません。すぐおります。」


「今回はこちらの負けですね。

御社の製品正式に使わせていただきますよ。

これ以上は労災になっちゃいますね。

ではまた~。いきましょうか。武田さん。」


「また、助けられました。ありがとうございます。

いつもすみません。安全室長。」


「僕のテリトリーでは労災0ですよ。労災隠しも・・で・・よ。」


そう言いながら、消えていく。

どうやら俺の時遅ときおくらせとは違う能力みたいだ。


「すまんがスーツを買ってきてくれないか。」

上半身が裸の細身の岡田部長がタバコを吸いながら

クレジットカードをだしてた。


「はい!音速で!」



俺たちは、互いに補い合いながら、

なんとか契約を獲得することができた。


俺は疲れ果てていた。

だが、岡田部長はまるで疲れを感じていないかのように、

冷静に仕事をこなしていた。


最後の商談が終わった後、岡田部長は俺に微笑みかけた。

「お前は、まだまだ修行が足りないが、よくやった。

次は、もっと大きな仕事を任せてやる。」


部長の言葉に、俺は感激しながら、再び立ち上がった。

これからも、俺は彼のようなプロフェッショナルを目指して、

仕事に取り組んでいくことを誓った。


長い1日が終わった。


【同時刻のA建グループ本社】

中田洋子と伊藤芽衣子が、闇に溶け込むようにたたずんでいた。

周囲には人影はなく、ただ静寂がただよっている。

中田は鋭い眼差しを浴びせ、伊藤はふとした瞬間に視線を動かす。

二人は背を合わせ、慎重に周囲を見渡していた。


「この場所には誰もいない。けど、そこには何かがある」

と中田がつぶやく。


伊藤芽衣子君は沈黙を保とうとしている、周囲を警戒する。


二人の緊張感は、まるで緊張した大気を漂わせているかのようだった。

誰かが追いかけてくるような予感がする。


そのとき、後ろから足音が聞こえてきた。

二人は瞬時に反応し、周囲を見回す。

だが、誰もいなかった。

ただ、あたりに漂う風とともに、

何かが逃げ去っていくような気配を感じた。


中田と伊藤は、決して警戒を解かないでいた。

彼女らは、背を合わせて、

狭い空間で闘いを続けるサバイバーのように振る舞っていた。


産業スパイがいる。周りには非能力者の社員が倒れている。


「伊藤さん。サラダ人間は軟体出せるの?」

「家族イレブンで買ったサラダを取りに行ければ小型5体はいけます。」

「大型は?」

「2メートル級1体です。」

「分かった。サポートは任せて。1・2・3で走るわよ。」

「え?あっ?1・2・3・ドンですか?1・2・ドンですか?」

「1・2・ドン!で行くわよ!」

「「1・2・ドン!」」

2人が走り出した瞬間。

横たわる死体が突如として動き出した。

まるで倒れ込むように、その身体はグラつき、

生気を感じさせない顔が歪む。


周囲には強い鉄の匂いが漂い、

恐ろしい気配が立ち込めていた。


しかし、動き出した死体はただのゾンビではなかった。

その身体からは人間離れした力が湧き出し、暴れだした。

沈黙を破り、物音が鳴り響く中、死体は襲いかかってくる。

それはまるで、地獄から生還したかのような恐ろしい様子だった。

その姿に、伊藤は恐怖を覚えた。


戦闘向きではない彼女らは、必死に抵抗しながら冷蔵庫の扉を開ける。

伊藤はサラダに手をかけて容器を開ける。

その瞬間40センチ位の人型のサラダが5体現れる。

外見はテレビ版ナ〇シカのあのビームを吐く巨人みたいにグロ系だ。

鳴き声は「キューキュー」と可愛い。だが凶暴だ。

小型サラダが2体でゾンビ1体を爪と牙でしとめる。

また、奥の部屋からゾンビが1体現れる。


中田は気づく。

仕留めたゾンビの残骸がない。

「これは幻覚です。正確には実態がある幻覚です。」

「それって…実物ですよね!?」

半泣きの伊藤がパターを振り回している。山田の私物だ。


「この能力者。捕まえてみせる!」

中田の覚悟だ。

「伊東芽衣子さん!立ち向かうしかないの。

もし、今日が最後の日だとしたら、

怖がってばかりいたくないでしょう?」


ゾンビの襲撃に怯えていた伊藤の胸中には恐怖の渦が渦巻いていた。

中田の言葉で伊藤は自分自身に言い聞かせるように、

深呼吸をしてからゆっくりと戦況を確認した。


周囲の状況を冷静に確認し、自分にできることを考えると、

徐々に恐怖心は薄れていった。

心の中で強く決意を固めた彼女は、

怯えることなく立ち向かう覚悟を決めたのであった。

中田のパーフェクトサポートが発動している。


中田の能力は対象を決め完璧パーフェクトにサポートする。

A建グループとなった事でサポートの派生で考えが読めるようになった。


「伊藤さん。あの観葉植物は使える?」

「グリーンアイビー!そいうことですね。いけます!」

ツルが特徴的な植物の、グリーンアイビー。

グリーンアイビーは、細くしなやかな茎を伸ばし、

壁面や棚などに巻きついて成長する。

観葉植物としても非常に人気があり、室内での育成に適しているため、

オフィスや自宅でよく見かけられる植物だ。


5体という一定の数のゾンビ。

サラダ君も5体だが仕留めるには2体のコンビネーションが必要。

そこで伊藤は倒すことをやめた。

「サラダ君たちー!サラダさんになってゾンビを1か所にまとめて!」

「キューキュー」

サラダ君達は何かコミュニケーションをとっている。

2メートルほどサラダに合体した。


ゾンビが1か所に集められるのにそう時間はかからなかった。

サラダさんはその際左肩を負傷し伊藤も左肩を抑えている。

しかし、伊藤の目は前を向いていた。

すぐさま中田が左肩の手当をする。そう、手を当てると傷が治るのだ。


少し離れた所にあるグリーンアイビーに駆け寄る伊藤。

一気に成長するグリーンアイビー。

捕獲されるゾンビ。

「伊藤さん花粉を大量に出して」

その言い方に違和感を覚えた伊藤は中田の顔を見る。

「分かりました!」

さらにグリーンアイビーのツルを伸ばし小刻みに震わす。

「へークション!ハークション!」


もちろん中田、伊藤も花粉症だ。

実際グリーンアイビーは花粉をばらまいていない。

多少のホコリが散ったくらいだ。


マイナスプラシーボ効果・・・

本来ならば何らかの効果が期待される医療行為や治療において、

治療効果が期待されるにもかかわらず、

逆に患者の症状が悪化する現象のことを指す。

つまり、小男が、花粉に対してマイナスな感情を持っていて、

過剰な症状を招いてしままった現象だ。


奥の机の下から清掃員の服を着た年配の小男が現れる。

「降参だー許してくれぇー」

すぐさま伊藤がグリーンアイビーで捕獲する。

中田が問い詰める。

「産業スパイはあなたですか?」

「そうだ。ワシがずっと情報を流していた。」

「どこに?」

「・・・」

黙る小男。

「あなたをサポートの対象にします。」

「へ?」

「分かりました。あなたの任務は失敗です!」


「い・や・だーー!」

謎の小男は非能力者に降格。

自社の情報漏洩は降格事由だが、

正確には中田に情報を抜き取れた。情報漏洩は情報漏洩だ。

「お帰り頂いて結構です。」


小男は肩を落としてA建グループ本社を出ていく。


謎の小男退職!


【4月9日月曜日企業戦士会発足】

今朝のニュース

「○○湾で釣り人がおぼれていると通報があり捜索したところ浮いている男性の遺体を発見。持ち物から清掃会社勤務の山崎勉やまざきつとむさん61歳であることが判明。なお目撃情報から事件性はないとのことです。」

桝真一のおはようでショウ!だ。ながらで仕事している。

今日は企業戦士会発足の日だ。

c建設株式会社の武田さんと蒼井さん

産業スパイの謎の小男。


能力次第で1対1では勝てない事を実感した。

社内の能力者を把握する必要性を感じ、起案書をだした。

やっと岡田部長にから許可が下りた。

個人情報の取扱いになるので少し時間がかかった感じだ。

組織とはそんなものだ。


岡田部長もその必要性は分かっていたが

会長まで行くのに時間がかかった。


「おはようございます。では早速第1回企業戦士会定例会を始めます。」


岡田修おかだおさむ部長。

超再生ボディーと契約を無条件で契約成立までもってく右の拳。


山田太郎やまだたろう

時を遅らせる左手の光。右手はまだ何もない。


中田洋子なかたようこ

対象を完全サポート、対象の考えを読める。


伊東芽衣子いとうめいこ

柏木美月かしわぎみみつきから引き継いでいる能力で植物を操る。

人型にしたものがダメージを負うと自身に返ってくる。


嵯峨久美さがくみ

A建グループ傘下の介護施設職員兼ケアマネージャー。

力の方向を変える。人体にも有効。


高橋翔太たかはししょうた

Bホーム社所属の解体から基礎土木までやる会社の正社員作業員。

無尽蔵の体力で1日5回まで完璧に物体を壊す。


青木武あおきたけし。物を固くできる。


山田は、仕事をしながら能力者と戦い、生き残るために戦い続けた。

自分が弱いと感じた時には、助けを求めた。

仲間を得ることで、より強くなった。


c建設株式会社そしてd証券会社が動こうとしている。

A建グループはこの経済戦争を生き残る事ができるのか。


Bホーム社決算月の利益確定により株価下落。

株価489円  (3月510円)

一株配当15.00

いよいよd証券とのバトルに突入していきます。

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