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花のような糸と勇ましい羽(六)

 白い布に羽を詰めて、モーン・ウータ(銀糸)の髪を縫い付ける。瞳の色はなかなか気にいるものが見付からないので、結局糸を何色か使ってクハトーザ(刺繍)することにした。

 そうやって作ったノース()クーケルーデ(人形)は、一番小さい妹がノース()と言って持って行ってしまった。わたしはもうクーケルーデ(人形)で遊ぶような歳でもないし、そのまま遊ばせてやることにした。次はノース()クーケルーデ(人形)の髪飾りを作れと言われている。

 オール・アキィトの髪飾りなら、小さい妹でも編めるかもしれない、教えてみようかなんて思ったりする。


 クホス(夫婦)ケレト(結婚)も、やっぱりまだよくわからない。けれど、リクトー(勇ましい)ラッフ()のことを思い出すのは、嫌じゃなかった。

 リクトー(勇ましい)ラッフ()にもらったホブトで紅を作った。次に会うときはこの紅を差そう。

 ツェッツェシグ(花のような)ウータ()がわたしに似合う名前だと言ってくれた。だから、綺麗なウータ()でたくさんのツェッツェ()クハトーザ(刺繍)して身に纏おう。

 名前の通りにリクトー(矢のよう)な人。きっといつか、わたしを(さら)いにくるときも、真っ直ぐに飛んでくるだろう。

 わたしはすっかり、リクトー(勇ましい)ラッフ()と次に会えるのを、心待ちにするようになってしまった。自分の変わりように、自分が一番驚いている。

 落ち着かないわたしの気持ちは、サルーヒ()に翻弄されるノース(氷粒)のようだ。

 その気持ちのままにザー()を動かす。わたしのザー()は布にたくさんのツェッツェ()を咲かせ、ラッフ()を舞わせた。





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