花のような糸と勇ましい羽(二)
父が連れてきたお客は、男女の二人組みだった。わたしよりも少し年が上のようだった。わたしより年が上で一緒にいるということは、二人はクホスなのだろうか。ドゥーのようには見えない。
何よりもまず、女の人の姿が目を引いた。モーン・ウータのような髪と、薄く透き通ったノダーの色の瞳、白い肌。弟妹たちがノースと言って騒いでいたけれど、本当にノースのように綺麗だった。
暖かい部屋で溶けてしまったノース・クーケルーデのお話を思い出して、溶けてしまうんじゃないかと心配したくらいだ。
それから、髪の毛にきらきらとしたツェッツェの飾りをつけていた。それが、山に降りた先にあるルキエーという場所のオール・アキィトというものだと気付いて、わたしは思い切ってそれを見せて欲しいと頼んだ。
トウム・ウル・ネイの言葉は伝わらないらしく、父がわたしの言葉を代わりに伝えてくれる。
ノース・クーケルーデは困ったように一緒にいた男の人を見た。その男の人が何事かを言って、ノース・クーケルーデの髪に結んだオール・アキィトを解いてゆく。
ノース・クーケルーデがためらいなく自分の髪を触らせるその様子を見て、二人はやっぱりクホスなのだろうと思った。