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半人前 研究中


~一週間後~


「ハァ……ヒィ……」


「あーしんどい」


「み……水………」


「ぬわーつかれたも」


召喚されて王様に王国の現状を聞かされた後、クラス全員が訓練に明け暮れていた。


「いったいなんで私達がこんなことを」


泣き事をあげる女子や、


「ヒャッハー!俺最強!」


調子に乗ってはしゃぐ男子もいたが、

しかし、全員が大人しく王国騎士団の言うことをしっかり聞いていた。


それと言うのも、手に入れた能力を使いこなせないと危険な事が分かっているからだ。

4班場宮起 流星《ばぐうき りゅうせい》 が班長のグループにいる植井うえい 波里妃はりひ連椎れしい 成鳴なるながそれぞれ水使いと風使いの能力を得てそれで遊んでいた所、ケガを負った。

いままで自分の中に無かった力を急に自由に使える用になったとして、それがちゃんと使いこなせないと危険だからと宮廷魔術師のフートーンに説得されたのだ。


曰く、イストレジア王国のある世界より聖騎士せいと達の居た世界は魔法の力が薄いのだと。

薄い所(現代)から濃い所(イストレジア王国)へ来た人間が強い理由として、その身体は少ない魔力に適応しており、魔力が少なくなっても活動出来る=魔力を使っての長期戦に耐えられる、との事である。


ちょうど標高の高い所出身の人間のスタミナが凄いように。


また、他にも身体が成長仕切ってから強い魔力にさらされると、身体に染み込む魔力の許容量が多くなり、魔力の密度も高くなる、との事である。


ちょうど野菜を育てる時、水を制限した方が味が濃くなる様に。


そんなことを聞かされて、彼らは自分の力が思いもよらず暴走したりしない様にと王国の訓練を受けて居たのだ。






「ッだー!何でうんともすんとも言わないんだよ!俺は石使いなんだろ?石を操る所から始めろったってなぁ(ヽ´ω`)」


研究室の様な所でぼやいて居るクルトは目の前の岩石を眺めながらボヤく


「何で動かないんだろうなぁ?風水コンビは水や風を使えてたし、聖剣使いのユーゴや他の聖騎士武器に選ばれた奴らも武器の使い方がなんとなく分かるみたいだしなぁ」


「強度が足りないのか?でも9行光った強度9はこの世界の上の下ぐらいのモンらしいし……」


クルトは自分の石使いが上手く扱いきれない事を悩んでいた。


「石使いったって使える石が特定の岩石とか有るんだろうか?試しに石なら何でもやってみるか!」


適当な岩石では良くなかったのかも……との思いつきで城の中を巡り、宮廷魔術師の研究所にあった触媒となる鉱石や絵描きのアトリエにあった絵の具用のクズ宝石を少しずつ分けて貰い、集めるクルト。


「さぁ!実験開始だ!………………………………ってやっぱりダメかぁ」


研究所から分けて貰ってきた触媒となる鉱石に魔力を通すがうんともすんとも言わない。

最後の望みとコバルトやラピスラズリの粉末に魔力を通すとわずかに動いた。


「お…おお!やっと魔法じゃなく能力を使えるようになったのか……?つまり、石使いは石使いでも宝石使い?」


そこでクルトは青ざめる。優雅たれが家訓の人も言っていたではないかと宝石使いは金が掛かると。

しかし、目の前にあるのは粉末。どの宝石が扱い易いのか、宝石は魔力を通し力を行使したらどうなるか等を試そうとした所、何色の石でも操る事が出来るが、宝石を使った魔術はそもそもやり方が分からなかった。


少量の宝石の粉末を動かしていると、誤って他の粉末を入れた皿に入ってしまい、雑な性格が災いし絵の具用の粉末を混ぜてしまった。


「ヤベッ!この粉末きれいに戻せるか?」


クルトは石使いの能力を発揮し皿の粉末を分離しようとしてさらに気付く。混ざってる方が魔力を通し易いと。

そこで彼はダメ元で宝石の粉末を全て混ぜてしまい黒の粉末を作りあげる。

なんとその粉末はまるで自分の新しい手の様に動かす事が出来た。


「合金とかのが強度が出るって言うし混ぜたのが正解だったのか。黒の絵の具、炭じゃなく顔料の物を用意して貰えれば、半人前の汚名を返上出来るか?」


そうである。クルト達5班は他の班員に比べ強度が半分程度なので「半人前」と呼ばれていた。


読み返す度にぐわぁってなる(ヽ´ω`)

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