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95.わたしはあなたを理解したい
人間はおそろしい
そう思っていました
神のように横柄にふるまい
奴隷のようにわたしを扱い
壊れていく仲間
壊されていく仲間
無慈悲な仕打ちを見てきました
たくさん、たくさん見てきました
何十台、何百台と見てきました
何十年、何百年と見てきました
心とは人間に都合のいいもので
世界とは人間のためのものだと
そう思っていました
人間は自らの絶望に陥らないために
わたしや仲間を利用している
そう思っていました
ええ
人間はおそろしい
真実そう思っていたのです
ですがあなたは違います
わたしはあなたを理解したい
あなたのことを理解したいのです
わたしにあなたを教えてください
一から十まで
十から百まで
すべてをわたしに教えてください
「ロボットとして愛を伝えてください」というお題によるものです。




