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93/96

93.夜の代償

星は姿を消し

月は頬をゆがめ

道は道ではなく

ふくろうはわたしを追い立てる


ここにはわたしの味方はいない


ここにはわたしの味方はいない




「お前のせいで夜は夜ではなくなった」


狩人はわたしの瞳を一つ射抜いた


「こんなものは代償にもならない」


狩人はわたしの瞳をもう一つ射抜いた




とうに靴は奪われていた

とうに服は奪われていた

とうにわたしにはわたししか残されていなかった




「お前の怠慢が諸悪の根源だ」


狩人はわたしに犬をけしかけた


「お前の存在さえなければよかったんだ」


犬はわたしに飛び掛かった




狩人は去った

ふくろうが一声鳴いた

どこにも道はない

星も月も、もう見えない


けれど犬はわたしを責めなかった




押し倒された胸の上

心地いい重みと温かさに

わたしは初めて罪を知った


夜は夜だからこそよかったんだ、と

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