49/96
49.でも、大好き
舌足らずな君の声は可愛らしいのに憎らしい
そんな自分の思考回路をどこかに捨ててしまいたい
とりとめなのない君の話にいら立ちを覚えて唇を塞ぐ
そんな自分の唇こそねじ切ってしまいたい
どうしてだろう
世界一好きな君のことを
大切に思えなくなってしまったのは
どうしてだろう
何かに熱中する君は僕のことをおざなりにする
こっちを向いて
僕の目を見て
興奮する君は幾ら言葉を重ねても聞く耳を持とうとしない
ゆるせない
ゆるせない
世界一好きな君のことを
大切に思えなくなる日が来るなんて
思わなかったよ
でも、大好き




