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22.お願い、フェアリー
私は灰をかむり汚れた娘でした。
ですがある日、妖精の力で変身したんです。
誰よりも美しいプリンセスに――。
違う、違う。
そうじゃない。
本当の私は奇跡を与えられる器など持っていません。
ただの汚れた娘です。
王子様のキスで目覚めたらバラ色の未来?
勝手にキスしないでください。
私は私が望む人にしかキスはゆるしません。
意地悪な継母に焼けた靴を履かせる?
勝手に殺さないでください。
私がこの手で殺すんですから。
お願い、フェアリー。
私の運命を勝手に決めないで。




