ランクとクラスの誤用について
Sランク冒険者! なろうで良く見る表記だが、盛大な誤用であるってことにそろそろ気付いて欲しい。
S区分の必要性の疑問とか、なぜアルファベットなのかという疑問はともかく、まずランクという言葉の意味を知ってくれ。
ランクとは序列という意味だ。順位をつけるということだ。順位、じゅんい! 順位だ! 1番、2番という意味だ。アルファベットで表記するのはおかしいのだ! いい加減気付いてくれ!
ランキングって言葉知ってるよな。順位をつけるってことだ。トップランカーって1番のことだぞ。Sランクって、何だよ。謎。S番、意味不明だ。
Sランク帯なら分かる。例えば1番から10番までの順位帯の人をそう呼ぶみたいなことなら分かる。だが、そもそもだ。順位をつける意味があるのか! 順位だ! ポイントレースだ! 意味ある? それ。
冒険者を順位付けする意味とは? 酒場では誰が上だ下だみたいな話に花を咲かせるのかもしれん。だが、わざわざ公式に順位付けする必要性がどこにあるのか。相対的にどの程度の実力があるか示す目的で分けるなら、それは階級分けだ! つまりクラス分けだ! クラスだ、ランクじゃない。分かるよな。
勿論、ポイントレースがあってもいい。だがその場合、あるのはランク1、ランク2とかいう表記だ。
アルファベット使うのもやめておいた方がいい。ファンタジー世界なら、アルファベットは存在しない。別の文字をアルファベットに当ててるんだとか言うのもいるが、ややこしいだけだ。それなら素直に特級、一級、二級とかにしておけ。数字はどの言語にもあるし、何も問題ないだろう。それが嫌ならプラチナクラスとかゴールドクラスとか、どっかのカ会員制ードみたいにしておけばいい。
なぜSランクなんて表記が誤用されるのか、最大の理由は、ランクに順位と等級、二つの意味があるからだ。順位とは、すなわち1位、2位ってこと。等級は階級とは違う。ある評価基準においてどの段階にあるかを示す言葉だ。これは個別の評価であって、全体から見てどの層にいるかという意味ではない。
つまり、等級でいうSランクとは、特等という意味。特等席の特等な。一等、二等と続く。星の明るさを考えてくれ。一等星は数ある星の中で相対的に一等の層にいるから一等星なのか? 違う。明るさが一等星の基準を満たしているから一等星なのだ。相対評価ではなく、個別の絶対評価だ。等級とはそういうものだ。勿論評価基準は相対的な比較の元作られるが、評価自体は個別に行われる。
等級は数字だろうとアルファベットだろうと、あくまで各基準の名前だから何でもいい。Sランクという表記に問題はない。だが絶対評価であるという点を忘れてはならない。等級とは、ある基準を満たしたという資格なのだ。誰かと比べてどうかということではない。
それに照らせば、冒険者にも色々なタイプがいるわけで、一概に等級をつけること自体が不可能だ。各専門分野ごとの資格的意味合いで英検一級とかいう感じで使うなら意味は通るけどね。
いいか、ランクとクラスを間違えて使わないでくれ。見苦しくて敵わない。これだけで切る人いるからね。自分は切る。
あ、あとSSクラスとかSSSクラスとか作らない方がいいよ。特特特級とか意味不明だからね。既存のクラス分けを形骸化させるばかりか、何のためにわざわざ特級指定してるのか分からなくなるから。頼んだよ。