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風切の花  作者: ふーさん
3/3

微笑

風が強く吹いた。

「あなた、何してるの?」

「え?あ、写真撮影をしてるんです。」

反射的にこたえてしまい、ぎょっとして声の聞こえた方向に顔を向けた。

瞬間どくりと心臓が脈打つ。

あぜ道の先、ほんの二三歩前にいたのは、長い黒髪の女の子だった。

いつからそこに居たんだ?

淡いブルーのワイシャツに紺のスカート。

背は俺より少し低く見えるけど・・・まさか同い年か?

顔をよく見ようとして目が合った。

明るい茶色の瞳。

その子は微笑んで言った。

「ここを撮ってるってことは、あなた、帰省してきた人なのかしら?それとも中小鹿中(なかおがちゅう)の・・・写真部員?」

「え?中小鹿中(なかおがちゅう)??ええと、俺は帰省してきた人だけど。写真を撮ってるのは、ちょっとした宿題みたいなもん・・・です。」

「それは面白い宿題ね。私もやりたかったわ。」

その子はまた微笑んだ。

季節外れの桜色の頬、きゅっと細められた二つの目、透き通った明るい声。

・・・ただその子の笑顔は、何かを懐かしむように揺らいでいるように見えた。







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