表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
RightBack@U  作者: 珠玖 真(しゅく あたる)
1/3

第一話「誕生」

初投稿です!

稚拙ですが、楽しくやっていこうと思います。

よろしくお願いしますm(_ _"m)

 *  *  *


「・・・」

 僕が彼女を見守る。言葉にしなくても気持ちは伝わる。

「はぁ・・・はぁ・・・」

 彼女が僕を見つめながら息を漏らす。眼が白く輝いた。僕の気持ちを感じ取ったようだ。


 外では強風が吹き、雷雲が空を覆っていた。今にも落ちそうだ。

 窓を横目に余所事を考えている私とは違って、彼女は苦しそうだった。

「あぁ・・・もうすぐ・・・」

「先生‼頭が出てきました‼」

 そんな声が耳に入った、瞬間───。


 窓外で轟音が鳴り響き、遠くの都が燃えていた。


「生まれました‼元気な男の子です‼」

「お母さん、よく頑張りました・・・。あなたのお子さんですよ」

「私の・・・私達の・・・子供・・・」

 彼女は笑いながら涙を浮かべていた。


 我が子は彼女の腕の中で声をあげている。

 声をかけよう。

 僕にしかかけられない言葉を。

 今まで苦労しか与えてやれなかった僕を戒める言葉でもある声を。


「空・・・晴れたな・・・」

 ───あぁ・・・

 どこまでも僕は〝僕〟(おくびょう)だった。彼女はあそこまで変われたというのに・・・。

「・・・」

 彼女が僕を見つめる・・・。遂に失望されただろうか。

 実の夫が産後、最初にかける声がそれなのか、と。


「・・・名前・・・あなたにつけてほしい」



「・・・え?」

 意外な言葉に、僕は少し戸惑った。どうやらまだ嫌われてはいないみたいだ。

「そんなことで嫌いにならないわ」

「“視る”のもいいけど、あまり眼を使わない方がいい。身体に悪いよ・・・」

「あなたが無口なのが悪いのよ」

 そう言いながら彼女の眼の色は黒に戻った。

「で、どうするの?」


 ・・・。


 名前・・・名前か・・・。聞いたのは自分だが、そう言われると難しい。

 一生付きまとうものだ・・・大袈裟かもしれないが場合によっては翼にも足枷にもなり得る。

 慎重にならねば・・・。


「そんな慎重にならなくてもいいのよ?」

 また“視た”のか・・・。


「あなた…さっき窓の外を見て〝何か〟考えていたじゃない。それ…私は好きだけどなぁ」

 彼女の方を見ると、にこやかに微笑んでいた。

 彼女はあえて〝何か〟と伏せているがその内容は恐らくわかっているのだろう。

 結局、これでは僕ではなく、ほとんど彼女が決めたようなものだ。

「そんなことないわ」

「わかった‼喋るからもう“視る”のはやめてくれ・・・」

 彼女は微笑んだ。


「あの・・・()()と話しているんですか・・・?」

「・・・あぁ、ただの独り言ですよ」

 ニコニコしながら彼女は僕の方を見る。女医もこちらを見るが不思議そうな顔をしている。

 ・・・当たり前だが。


「で、さっき何を考えていたの?」

「・・・その子が生まれると同時に外で雷が落ちた。自然災害でもあり、現に都が燃えた。それなのに僕は何故だか美しいと感じた。それだけだよ・・・」

 僕は真実をそのまま・・・いや、少しだけ嘘を言った。なぜ美しく思えたのか、その答えを僕は知っている。


「・・・そう」


 彼女は少し考えていた。そして口を開く。


「だったら()()雷都(らいと)なんてどうかしら?」


 随分と単純に決めるんだな・・・

「いいじゃない。皆を導く(Light)。それが私たちの子供よ」

「だから力を使うんじゃない・・・。分かった。君がそう言うならそうしよう」

 やはり最終的に決めたのは彼女だ。

 いつも僕はどうでもいいことを考えていて、重要なことは彼女に任せっきりだ・・・。



 でも・・・


「今日からあなたの名前は雷都。」


 余所見も少しは・・・


「私たちの可愛い・・・」


 役に立つもんだ。


「息子よ・・・。」



 *  *  *


 ────────────十五年後────────────。


 ある星のある国のある都市のある養成機関のあるお部屋にて・・・


「「「ハッピーバースデー‼」」」

閲覧有難うございましたm(_ _"m)

高頻度で投稿していきたいと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ