#23
がちゃり、と。
テレビでしか見たことのないメイドに先導され、修たちはカタリナの待つ食堂へと帰還する。
「――おお、戻ってきたか!」
貼り付けたような笑み。ディビットが大仰に、両手を広げて修たちを歓迎した。
「どうだ、どうだ? 素晴らしいだろう! 我が自慢の占い師は!」
「ええ、素晴らしい腕でした」
恋愛運などでさんざんもてあそばれたこともおくびに出さず、修はあたりさわりのない言葉を返す。
「そうだろう、そうだろう!」
占いは茉莉の手柄だが、まるで自分が褒められたかのように喜ぶ。
「――で、改めて聞こう。俺に仕える気はないか?」
「いえ。アレクシアに恩がありますので」
義を大切にする人間は金で繋がっている相手よりも裏切ることは少ない。そして仮に、不義理な方法で味方につけようものならば敵に回るぞ、という牽制にもなる。
アレクシアの受け売りであった。
「ふぅーむ……それは残念だなぁ。我が覇道はもはや運命だろうが、貴殿がいればきっと数年、いや数十年と早まるだろうに」
そう言って、ちらりとアレクシアに視線を送る。
「ボクも、おさむに幾度となく助けられました。むしろボクがおさむに見捨てられないかと不安なくらいです」
遠まわしに「おさむはボクのだ」と言い放つ。
「なるほど、貴殿らの間には主従の強い絆があるようだ。いや、これは野暮な事をしてしまったなぁ!」
苦い感情を隠すように呵呵と笑う。
「ふられてしまっては仕方がない! どぉれ、今宵は改めて貴殿らを歓迎させていただくとしよう! 酒宴とまではいかないが、存分に飲み、喰らっていってくれたまえ!」
「ありがたくお受けいたします」
アレクシアは軽く腰を落として、そして慇懃なくらいに最大の礼を示すように小さく頭を下げた。
「我がフォーブリッジはなぁ、父上――先代のころから領土が豊かというわけではなくてだな。見ての通り、肉が多い。大丈夫だろうか?」
「あ、はい。宗教的にも、アレルギー的にも」
「あれる……なんだそれは?」
「あー……身体に合わないという意味です」
さすがに、毒になる、とは口が裂けても言えない。
「異国の水は、なじまない者には体の毒でしょう?」
実際は違うのだが、修は当たり障りのないような例とあいまいな笑顔でお茶を濁した。
「なるほど! マリーもそうだが、貴殿らの言葉はたまに分からないものが多いなぁ」
「ははは……ところで、畜産にはさほど詳しいわけではないので教えて欲しいんですが、肉が多いというのは?」
火山地帯だからだろう、それは理解できる。火山灰とは非常に、農業に向かない土壌であるからだ。
「なに、簡単なことだ。家畜の飼料にしか使えんような麦しか育てられないだけでな」
ディビットはパンかごから、バターロールのような小さなパンをひとつ掴み取った。
「このパンに使っている小麦も、本来はフォーブリッジで取れるような小麦ではない。まさに不毛の大地であった――だがしかしっ! 我が先祖はあらゆる努力の末に栽培小屋を作り、これを克服したのだっ!」
パンを高く掲げ、熱くフォーブリッジの歴史を語りだす。
(あれは元々温室として作られたものじゃないのか)
人間の適応力と知恵に思わず舌を巻く。
「……とはいえ、数をそろえるにはやはり雑穀を多くして飼料にし、家畜から乳と肉を取るのが最良なのだがなぁ」
「なるほど、そういうことでしたか」
放牧を行う理由の一つには、水を得る方法が限られているという側面があった。彼らは草から家畜を介し、飲み水の代わりとなる乳を搾ったのである。
おそらく火山地帯で、有数の温泉地帯だからだろう。味か匂いか、はたまた泉質か。いずれにせよここの水は人間の飲料に耐えるものではなかったらしい。
(……ただなぁ)
火山が島となった日本の国土はそのほとんどが火山灰に犯されている。なのに農作物に恵まれるようになったのはたゆまぬ努力の結果である。
(火山灰……種類によるけど、いい肥料になるんだよな……)
その努力の結果、火山灰に様々な手を加えることで優秀な肥料とすることに成功しているのだ。その効力たるや、条件さえ揃えば通常の土の数倍の生産量を記録する。
(何か……隠してそうだなぁ)
もちろん、火山灰の利用研究が進んでいないという可能性もある。しかし修には、どうもそういった知識を隠しているようにしか見えないのだ。
(輸入出だって街道ボロボロでまともに出来そうにないってのに……飛んで行けば大丈夫なんだろうけど……でもなぁ……)
ただし空は確実に陸や海と比べて輸送量の減る方法だ。
だいいち、巨大な飛行物体が、輸送目的とはいえ自国の上を飛んでいくのは精神衛生的に大変よろしくない。爆弾などが存在するかは知らないが、適当な高さから石ころや岩を落とすだけでも相当な大打撃を与えることのできる爆撃となるのだから。
(……まっ、俺には関係ないか)
自分に関係のないことには無関心になるというのは、あらゆる人種で共通のことだろう。
「貴殿になにか素晴らしいアイディアがあるなら、ぜひ教えていただきたいものだな」
「ははは、申し訳ないです。農業は専門外で」
とはいえ、理科や生物の授業で学んだこをまったく生かせないわけではないし、社会科で学んだ火山地帯近くの生活様相や経済学は確実になんらかのヒントになるだろう。
(……教える意味も義理もないしね)
茉莉の占いどおり、科学チートはするが時と場所はしっかりと選ぼうと心に決めていたのであった。
「あー……食事中にすまないが、少々いいかな?」
修がメインディッシュである硬いステーキ肉をほお張って悪戦苦闘しているさなか、ディビットが申し訳なさそうに声を上げた。
「……ん、お伺いしましょう」
喉が硬いもので広げられる痛みに軽く涙を浮かべながら、修はそう返した。
「なぁに、貴殿ほどの力があれば、スコーンを一口で平らげるよりも簡単なことだ」
にやりと笑い、
「実は貴殿らが我が占い師のマリーと歓談しているころ、我が領でちょっとした問題が起こってしまったようでなぁー……少しばかり、その素晴らしい腕を貸して欲しいのだよ!」
大仰なしぐさで演じるような説明だ。
それは為政者として演説するさいに必要なのだろう。熱心な語り口と合わさって、どこか引きこまれるような魅力さえあった。
「それは……裁判、ということでしょうか?」
「うむ!」
「――それはちょっと筋が通らないのではないでしょうか?」
アレクシアが声を上げる。
当たり前だ、アレクシアはフォトプロス領の"花の騎士団"所属、れっきとした他領の騎士――軍人であり、修はその客分、論客である。
さすがにアレクシアの家族とまでは行かないが、それに近しい地位である。そんな修に領主とはいえ他領の人間が命令を下すのは越権行為どころではすまない話だ。
「分かってるとも!」
だがそんなことはディビットも百も承知である。
「だが我が領はなぁ、実に恥ずかしいことだが弱兵ぞろいで数もおらんのだよ。恥ずかしいところを露呈するようで申し訳ないが、さすがに判事で消耗させるのは得策ではないのだ、いつ魔獣が出るとも限らない故に、万全を期したいからなぁ」
もっともらしい屁理屈をこねて、
「だぁーがぁー? 困っているものを見捨てるのは騎士としていかがなものだろうか! 備えとして温存しておきたい我が意思を汲むものは多かれど! 弱き領民を見捨てるほどっ! 義を見てせざるを我慢できるほど薄情な兵は! 我が領土にはおらん!」
義に厚い兵だと遠まわしに自慢しておいて、
「故にっ! 恥を忍んでお願いするわけだよ! 貴殿らがこの地を踏みしめたのもきっと神の思し召しというものだろうと確信してな!」
アレクシアが「ぐぬぬ……」と唸る。
神明裁判で腕のよい判事を捕まえることができるのもまた神の意思である。それは神明裁判の基本の考えであり、そのように言われてしまえば、アレクシアは騎士として否定することはできないのだ。
(……面倒な事になったぞ)
そして修の人間性はアレクシアという騎士が保証している。騎士ではない修ですら、アレクシアの顔を立てるためにはこの話を断れなかった。
「ま、って」
――魔術師であるカタリナを除いては。
「他の、領の騎士、に、依頼する、のは……内政干、渉に、なる」
平民であるアレックスはもとより、騎士であるアレクシアも、その従者のヘンリエッタも、客分である修も。誰もが口にはできなかった事実を、カタリナは突きつけた。
「うかつ、に、彼がでた、ら……フォーブリッジ、の、弱さを、露呈する。けど、それより、も」
固唾を呑んで見守るアレクシアと視線を交わし、
「彼、を、遠まわし、に、取り込むつもり、に、見えるわ、よ?」
「――まさかっ! そんなことなど!」
既成事実とは恐ろしいもので、ほんのちょっと手伝っただけでも、噂を流されまわりを固められればそういうことになってしまう。
ディビットは否定しているが、しかしその腹の中ではどう思っているかなど、誰もが調べられるようなことではないのだ。
「アレクシア、は、出られない、わ。フォトプロス領、の、騎士だか、ら……そして、彼は、その、論客で……だから」
と、カタリナはゆっくりと修を指差す。
「彼、しか、いない、わ」
いや、正しくは修の後ろで何が起こっているかを理解できていない男、アレックスを。
「――は?」
ディビットは思わぬ伏兵にぽかんと口を開けたまま茫然と、修の傍に侍るアレックスを見上げた。
「……ん? お、俺がどうかしたのですか? カタリナ様」
アレックスはこの期に及んでいまだに自分の置かれた状況を理解できていない。
「彼、は、アレックス……アレクサンドロス・バクスター、で、フォーブリッジ、自治領を、管轄する、スクリーヴァ領、の……バクスター村で、"金剛無双"、と、呼ばれていた、男……!」
カタリナは自信満々に、途切れ途切れながらも、鼻息を荒くして言い放った。
○
縦に割れた瞳孔を持つ紅玉の双眸が見開かれる。
太く長くしなやかな棘尾が火山の岩肌に叩きつけられ、強固な灰色の鱗に砕かれた石くれが幾つも跳ねた。
「ぅろろろろろろ――ぉお……」
向こう側の景色が歪むほどの熱気を帯びた吐息が、唸り声と共に鋭い牙を持つ口から吐き出される。それは、一対のしなやかな皮膜の翼を大きく羽ばたかせ、力強い四本指の四肢で岩だらけの山肌をがっしりと握り締めるように起き上がると、
「――ォオオオオオオオオ!」
身のすくむような恐怖を覚える竜の咆哮と共に、修たちをにらみつけた。
「タイム!」
「よかろう」
とっさにアレックスの口走った言葉と、彼と対峙するそれが交わした言葉は、おそらくその場ではもっとも似合わない言葉だった。
「……ちょっと待てくれ、なんだアレは」
「えっ?」
立会人としてその場にいる茉莉は、心底不思議そうに首をかしげた。
「被告人ですよ? ヴァシアス火山の暴君。私の先生ですねー」
「ちょ、おま――竜だとは聞いていないぞ!?」
「はんぶんにんげんですよー」
悟りきった空虚な瞳で遠くを見つめ、あはは、と乾いた笑い声を上げる。
「えっと……ああいうのは、普通、なんですか?」
およそこういった事情にもっとも詳しいであろうカタリナに、修はかろうじてその質問を投げかけることができた。
「わり、と」
「わ、割と、かぁー……」
それは頭と胴体以外はほぼ、ファンタジーにいるようなドラゴンだった。
ファンタジーはファンタジーでも、擬人化系のファンタジーなドラゴンだった。
胸や下腹部の特定部位に鱗が生えている、最近流行り系のソレであった。
爬虫類系なのになんでヘソがあるねん、と突っ込みたくなるような、ソレであった。
「……」
それは四つ指の鉤爪を岩肌に食い込ませ、逆膝の両足で立ち上がる。バランスを取るように大きく翼を羽ばたかせると、人ひとりぐらいは軽く吹き飛んでしまいそうな風が捲きおこる。
「…………」
それが手持ち無沙汰に太い棘尾を岩肌に叩きつけると、岩は軽々と砕け散り、石くれを飛び散らせた。
「………………ファンタジーだもんなぁー」
遺伝子学やら生物学やら、とにかく修の様々な常識に真っ向からケンカを売っているその存在に、彼は現実逃避気味にそう呟いた。
「でも、半人、半竜、の、実物は、私、も初めて、見た……」
カタリナはフードを外し、火山には似合わない熱気除けの雪風を撒き散らしながら言う。
「ほう……とんでもない化物をつれている」
半人半竜は、灼熱の吐息を吐き出しながら不敵に笑う。修はその言葉に思わず「あ、カタリナさんも化物なんだ……」と呟く。
「……まだ、人間」
ちょっと気にしているらしい。カタリナは唇を尖らせて訂正を求めた。
「それで……そんな化物を連れ、この地に足を踏み入れたのは、いかなるつもりか。茉莉をつれているのだ、とち狂って財宝目当てに殺しにきたわけではあるまい? ……ああ、いや、ディビットの差し金か」
「あ、はい」
茉莉は否定することなく、本題を切り出した。
「最近、先生、町に下りてるらしいじゃないですか。お酒飲みに」
「飲んで悪いかっ!」
怒鳴るように吐き出された吐息が、空中で突然燃え上がる。
(あー、アレが炎のブレスってやつかぁー……息に含まれてるアルコールが燃えてるのかなぁー……)
あれは一体どういう原理なのだろうと、まったく関係のない方向へと思考をめぐらす。
「なんか先生のこと裁判にかけるんだそうで、私、立会人? ってやつらしくて」
「なんと! たかが飲みに行っただけでか!」
「え、ボヤ騒ぎになったんじゃ?」
「……」
「…………」
「………………てへ」
「あ、裁判始めますねー」
「ま、まってくれぇえええええ!?」
意外と茶目っ気のある半人半竜は、涙ながらに待ったをかけた。
「あれは、悲しい事件じゃった……」
ともすれば茉莉よりも幼……若く見える半人半竜は、遠い目をして語りだす。
「まぁー、このナリじゃ想像できんだろうが、ワシもそろそろ、いい年でな……ふと思ったんじゃ。あ、だんなが欲しい、と」
「あ、そういうのいいんで。とりあえず罪状読み上げしていいですか?」
「やめてっ!?」
ファーストコンタクトの恐怖はどこへやら、もはやただの残念な人であった。
「ええっと……つまりこの人は何をしたの?」
彼女の話を聞いていたら話が始まらないと修は急かす。
「居酒屋さんでボヤ騒ぎですよ? ……あ、暴行された男の人もいるみたいですねー」
茉莉は「しゃかい」と書かれた可愛らしい大学ノートを読み上げる。修が覗き込もうとすると、胸で押さえて「だめでーす」とブロックされた。
「ち、ちがっ! あれっ、あれは向こうからナンパしてきてっ!」
「あ、ほかにも無銭飲食ってあるんですけど」
「後日ワシの財宝から高い剣を届けてやったぞ!?」
「あ、それ換金できなくて困ってるみたいですねー。なんか呪われてるとかで……」
ぱたん、とノートを閉じる。
「お金で払ってください、っていうのが訴えた男の人の言い分ですねー」
「ワシの財宝に金貨などないわっ! あんな混ぜ物だらけ! 真鍮と変わらんではないか!」
「じゃぁディビット様のほうで換金しちゃうので、財宝よこせ、って」
「お前は鬼かっ!」
「人でーす」
アレックスは口をぽかんと開けたマヌケな表情でそのやり取りを見ている。
「アレクシアについてきてもらえばよかった」
フォーブリッジ自治領内で迂闊に活動できないアレクシアは、従者の立場であるヘンリエッタと共にディビットの屋敷で待機中である。
ないものねだりをしてもしょうがないと、修はため息を一つ。
「ええっと、ドラゴンさん?」
「フランシスカ。フランと呼べ」
「ああ、フランさん……財宝をポンとくれてやれるなら、それを換金して、渡せばいいじゃないですか」
「なぜワシの財宝を他のヤツにくれてやらねばならん?」
「いや、換金……」
「やじゃ」
「……」
よく分からないが、換金するという行為はダメらしい。
「竜、の生態、と文化、は、ちょっと、特殊」
カタリナが補足するように口を開いた。
「財宝、は、彼女たち、の、魔力の、源、だから……財宝を、渡すのは、文字、通り、身を削るのと、同じこと」
身を削ってまで渡すものだから、認めた相手以外にはそれを渡したくないのだという。
「けど、たま、に、財宝に、呪いが、かかる、の。手放せなく、なる、呪い」
「て、手放せない……?」
「勝手、に、戻って、くる」
「最悪ですね!?」
確かに換金できないアイテム、いや、詐欺師あたりに喜ばれそうな効果だ。
勝手に戻ってくるということは、無限に換金所へ持ち込めるのだから。
「……どうやって解決するつもりなの?」
「あ、それはですねー。まずディビット様が、財宝を受け取るでしょ? で、お金に換金して居酒屋さんとか、殴られちゃった男の人に分配するんだそーです」
「……それ、下手に高いの貰ったら、一人だけ得しない?」
「手数料、ってやつじゃないですかねー?」
「いーやーじゃー! ディビットにやるのもそうじゃが! ワシのことナンパしておいて! 鱗のある女の人はちょっと……とか言う男には渡しとぉーなーい!」
それは子供のように駄々をこねる。それが本当に子供のものだったら良かったのだが、岩をも砕くほどの凶悪な棘尾を激しく岩肌に叩きつけるものだから危険極まりない。
「――どーしてもワシから財宝を奪うというなら! ワシに婿を差し出せっ! とびっきり強い男じゃ!」
もはや居直り強盗も同然の態度である。
「えっ、男?」
「こうなったのもぜんぶワシが独り身なのが悪いんじゃっ! ワシだって人並みに結婚したい! 卵を産みたい! 磨きたい! 小さくてもいい、窓からマグマが見える家にたくさんの財宝と愛するだんな! 子供は二人、いや三人! ペットは真っ赤な火蜥蜴!」
どうしてそこに行き着くのか分からないが、事の発端もいまだ独り身であるわが身を儚んでの酒乱なのだ。彼女にとってはとても、そう、とても重要な事なのだろう。
「先生、見苦しいです」
「見苦しい? うるさい黙れっ! 半人半竜のワシの悩み! 年食った女の苦悩! 若いお前には理解できんだろうなぁー!? 夜寝てるときふと襲い掛かる謎の孤独感! 竜からは『俺、ロリコンじゃないし……』と断られっ! 人間からは『鱗のある女はちょっと……』と否定されるこの悔しさよっ! 思わず拳がでてもしょうがなかろう!!」
ごぅ、と灼熱の吐息が空気中で発火し、燃えがある。
(あー……これは面倒くさい)
少なくとも、その場にいた修やアレックスが言葉を失うほどには見苦しかった。




