父との話し合い
後日父とも話しをする事になった。
父の話を聞くと、どうやら母は父に何の相談もなく急に私たちを連れて家を飛び出した。
私はてっきり、父と話した上で離婚になったのだと思っていたけど逃げる様に家を出たらしい。
父は常識やマナーにはとても厳しい人だった。
だけどユーモアがあってしっかりわかる愛情表現をしてくれる。
母はどちらかと言うと手を抜くところは抜く
ちゃんとする所はちゃんとする。
割と自由な人で感情を表に出すタイプではなかった。
真逆の性格。
だから限界が来ていたのかもしれない。
でも、私達の人生は何も考えてなかったのかと思った時もあった。
母は養育費などはいらない。今すぐ離婚届にサインして、そう父に告げたらしい。
父と話したあの日今でも鮮明に覚えている。
パラパラとフロントガラスに当たる雨の音
静かに父はサイドブレーキをかけ
父の家の近くの道路脇に車を停めた。
「どっちかでいいからついてきて欲しい。」
もちろん弟はずっと黙り。
私は重い口をあけながら父と話す。
「響は私がついて行くならついて行くって言ってるから」
「なら花音がついて行くって言ったらくるん?」
一回縦に頭を振る。
「でも、ママが2人がおらんぐらいだったら死んだ方がマシって言うから…」
「その言葉ずるいよなぁ…パパだって急にみんなおらんくなって死にたくなるわ」
確かに父からすれば大事だった家族が1人もいなくなる。
辛いはずだった。
でも、父は強い。1人でもやっていける強さがある。
母は私に話す時いつも泣くし、よく1人で出て行くし
母を1人にするのが心配だった。
「パパは強いけどママは弱いから1人にするのが心配」
父の事も、もちろん心配だった。
でも子供ながらに父は1人で生きていける人そう思っていた。
どちらか1人を選ぶなんて本当はしたくない。
2人とずっと家族でいたい。
「もうそれならママについて行かれ。離婚したとしても家族は変わらんから」
板挟みになった私を父は解放してくれた。
父も辛かったはずなのに、諦めたくないと本当は思っていたはず。
だけど私達の事を考えてそれ以上何も言わないと決めたんだと思った。
私が決めた事。誰も責めれない。




