表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

なろうラジオ大賞4

ランドセルを絶対にプレゼントしたい姑VS絶対に自分で選びたい奥様

「あのね……ヒロト君のランドセルなんだけど。

 私の知り合いの職人にお願いしようと思うの。

 もう見積もしてもらったのよ」


 さっとパンフレットを差し出す姑のみよ子。

 テーブルを挟んで向かいに座る嫁のミクは口端をヒクヒクさせる。


「おおっと!

 いきなり先手を打ってきました!」


 実況の山口が言う。


「特注のランドセルはキツイですねぇ。

 絶対に回避したいところでしょう。

 どう反撃するか見ものです」


 解説の田中が言う。


「お義母さん、折角ですけど。

 ヒロトのランドセルはイウォーンで買うことにしました。

 色も沢山の種類があって好きなものを選べるんです」


 言葉を振り絞るように言うミク。

 援護を期待してちらりと隣にいる旦那のタイチに目を向けるが、彼は腕組みをしたまま黙っている。


「あーっと! タイチが動かない!

 ミクさんは厳しい戦いになりそうだぁ!

 援護できないのは何か理由があるのかぁ⁉」

「昔持っていたエロ本をネタに脅されたようです。

 息子の性癖なんてお見通しですからねぇ」


 みよ子は差し出した見積書をさっと開く。


「量産型よりもオーダーメイドの方がずっといいわ。

 ほら、ここを見て。

 オプションでサイドポケットを付けられるの。

 全部で20個まで増設が可能よ」

「そんなに沢山いらな――

「ああ、それと。

 防犯ブザーを取り付けるホルダーに、

 タブレット収納ケースもついてるの。

 とってもお得なのよ」


 にっこりとほほ笑むみよ子。


「完全にミクさんが押されています!

 このまま勝負が決まってしまうのかー⁉」

「なにか決め手がないと厳しいですねー」


 そこへ颯爽と現れるヒロト君!

 話し合いをしている三人に向かって笑顔でこう告げた。


「僕ね! おじいちゃんからもらったカバンで学校に行くの!」


 そう言って背中に背負った古い鞄を見せるヒロト。

 古い鞄を見て、三人は言葉を失う。


「なんてことだー!

 意外なところに伏兵が潜んでいたー!」

「おじいちゃんのナオフミさんは、

 ずっと前からこのネタを仕込んでいたようですね。

 ヒロト君の幼稚園の送り迎えを進んで引き受けたり、

 両親が忙しい時は代わりに面倒をみたり、

 少しずつ彼との関係を深めていたようです」

「策士ですねぇ!」


 こうして意外な形で幕を閉じたランドセルを巡る戦い。

 しかし戦いが終わったわけではない。


「次回は中学の学生服!

 いったいどんな戦いが待っているのか!」

「これは見逃せませんね!

 それではみなさん、ごきげんよう!」


 T R K 終わり

お読みいただきありがとうございました!

感想を頂けますと、大変うれしいです!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 笑えるんだけど、実際に姑をもってると、笑えないwwwwwwww [一言] またお姑さんも暇だから、色々張り切っちゃうんですよね。世のお母様方騒然の作品だと思いますw
[良い点] うわぁ身につまされる……。 旦那ダメじゃん! 援護しないと! ……っていうか脅しに使える性癖ってどんだけ……。 あ、本は巨乳の女の子で、ミクさんはひんに(以下自主規制) おじいちゃんが…
[良い点] お金だけ出してもらって、子どもに選ばせるのが一番平和でしょうけれど、流行りものは後で後悔しそうだし、つい口を出してしまいそう。 おじいちゃんグッジョブ(≧▽≦)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ