プロローグ
ー僕が幼い頃、魔女が性別を入れ替える、という御伽噺をよく聞かせてもらっていたー
昔々、ある1人の魔女がいました。
この魔女は誰にも相手にされず、寂しがっていました。
そこで魔女は考えました。
悪戯をしたら振り向いてくれるのではないか、自分の事を見てくれるのではないか。
そう考えた魔女は、早速人々に悪戯をする事にしました。
どういう悪戯をしたら人々に振り向いてもらえるのか。
魔女は一生懸命考えました。
そこで1つのアイデアが浮かんだのです。
性別を入れ替えたらいいのではないか。
そう考えた魔女は、早速1人の男に魔法をかけました。
すると、魔法をかけられた男は女になってしまったのです。
悪戯をしていく内に魔女は人々を困らせるのが楽しくなっていき、どんどん人に魔法をかけていきました。
人々は元の姿に戻してもらおうと魔女の所へ行ったが、何も教えてはくれませんでした。
魔女は人々が自分の所に来てくれる喜びで、悪戯を止めようとはしなかったのです。
結局魔女に性別を変えられた人々は、元に戻る事が出来ず一生を過ごすことになってしまったのです。
元に戻る方法は、魔女本人しか知りませんでしたとさ。
こんなのはただの御伽噺…そう思っていた。
魔女も居ない、ただの空想話だ、と思っていた。
あの時までは…
まさか僕に、あんな出来事が起きるとは夢にも思っていなかったんだ。