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創生の姫と最強の守護者  作者: 早瀬 翔太
序章
2/63

[交渉]

書き溜め分があるので、ある程度修正出来次第更新して行きます。

スタートで燃料切れ、よくある話ですよね。

 あわよくば新しい身体を入手出来るかもしれないと、期待を込めて聞いてみた訳だが…

 正直言って舐めていたと言わざるを得ない。

 機械人形の話を振った途端、堰を切ったように少女が喋り始めた。


「私、機械人形技師になるのが夢なんです!

 いえ、なってみせます!」


 唐突な宣言から始まった機械人形技師を目指す少女の溢れ出続ける情熱的な話が始まって、既に五時間は経過している。


 鉄格子の付いた小さな通気口から漏れていた太陽の光も暗くなり、すっかり日も落ちた様だ。ランプの灯りも消えてしまった。

 真っ暗闇の中で少女の嬉々とした声だけが響く。


「それでですね!私はまだ通常の汎用コアを用いた機械人形の製作しかした事がないんですけど、いつか自分の技術を使って、って聞いてますか?!話はまだこれからですよ!」

「お、おう……」


 何故か怒られた。

 終始この調子で一向に本題に入れないのだ。

 当然何度が話を戻そうとしたのだが、少女の溢れ出る情熱を前に白旗を上げた俺は大人しく話が終わるのを待っているわけだ。

 決して何度も怒られるのが嫌になった訳ではないのだ。本当に。


「えっと、どこまで話ましたっけ?」

「お!終わったか?なぁ、そろそろ……」

「あ!そうです!思い出しました!ちゃんと聞いて下さいね!それで汎用コアと言うのはですね……」

「あ、ああ……」


 少女の話の中で興味深い話がいくつかあった。

 大まかな点は二つだ。


 まず一つ目。

 俺の様な人型は今では珍しく、機械人形の形態も様々らしい。より戦闘に特化した形態が主流となっている様だ。

 また、それに伴ってコアそのものの技術が進歩している事が分かった。

 だがそれは、二つ目の点に大きく影響を受けている。


 二つ目。

 戦争の形が変わった事だ。

 以前の戦争は国家の存亡を賭けた総力戦で、兵力や武器の性能に頼った戦いだった。

 しかし、長く戦争を続ける内に各国は人口の減少を止められなくなる。


 当たり前だ、誰も死なない戦争などありはしない。


 だが、それでも争うことを止めない国々は失った戦力を補填すべく機械人形を戦争に投入し始めた。


 血を流す事無く、自国の国民の減少を防ぐ。


 勿論、国民には好意的に受け入れられた。

 これで家族を失わずに済むのだ。

 しかし、最初こそ上手くいっていたが、じきに新たな問題が発生する。


 機械人形量産の為に大量のコアが必要になったのだ。


 この事により、主に互いの領土を奪い合う事が目的だった戦争はコア生産の為の材料、技術、そして使用すれば絶大な力を得ることが可能なオリジナルのコアを探索する事が目的となった。


(戦争なんぞ俺の知った事では無いが、技術の進歩か……

 少女の話からすると三百年以上は経っている事になる。それだけ時間が経てばそりゃそうだよな。しかし、オリジナルの核か。これは面白い事を聞けたな)



 技術の進歩、その最たる物はコアと呼ばれる機械人形の心臓部にあたる最も重要なパーツだ。

 コアとは力の塊のような物とでも言えばいいだろうか。

 人間で言えば脳と心臓が一緒になった様な物だな。


 コア単体では意味が無く、使用者との魔力的なパスを繋ぐ事によりその真価を発揮する。

 つまり、使用者の魔力がそのままコアを動かす動力となる。

 というのが現代の機械人形に用いられる一般的な汎用コアと呼ばれる。

 他にも種類があるそうだが、それは後で聞けば良いだろう。

 迂闊に聞いて、彼女の情熱という火に油を注ぐ行為は避けるべきだ。

 これ以上話が長くなってはたまらない。


 ちなみに、そのいくつかある新たに開発されたというコアでも、使用者の魔力を必要とするシステムそのものは変わっておらず、契約者とのパス無しでは稼働しないのだそうだ。

 他にも特殊な条件でパスが繋がる場合もあるとかないとか、いまいちはっきりしないがそれも後で良いだろう。


 実に興味深い。

 俺が作られた当時は少女が最初に説明した汎用コアと呼ばれる物のプロトタイプにあたる物が主流だった。


 そして元になったオリジナルコア。

 これは当時の研究者達の話を聞いた程度の話だが、コアにはオリジナルと呼ばれる現在の汎用コアの元になった物があるというものだ。


 最初にオリジナルコアを見つけた人間達はそのコアを解析してプロトタイプコアを作ったそうだが、研究は難航したらしい。

 使用者とのパスを繋ぐ仕組みを始め、何故その仕組みで力が発揮されるのか等の詳細は遂に分からず終い。

 行き詰まった研究者達はオリジナルのコアをデッドコピーするのが精々だったという。


 出来上がったプロトタイプコアの出力はオリジナルのコアの十分の一程度。

 オリジナルには大分劣るが、よく分かりもしない物をコピーとは言え再現して見せた技術者達の熱意と技量は賞賛に値するだろう。

 だが、そられらは最初の研究者がオリジナルのコアとパスを繋いで解析をしていた間の話だ。


 最初の研究者が亡くなった後は誰とのパスも受け入れなかったそうだ。

 オリジナルのコアとパスを繋げられなくなり新たなコアの研究は中断を余儀なくされた。

 オリジナルのコアはそれ以外には見つかっておらず、後の技術者達は仕方なくそれまでの解析結果を元に研究を重ね、量産までもっていった、ということだ。


 そこで一つ思い至った点がある。

 使用者との魔力的なパスを繋ぐ点だ。

 コアは使用者と契約し魔力的なパスを繋いで真価を発揮する。だが、それだけでは説明のつかない事があるのだ。

 機械人形である俺にも当然、核は存在するはずだ。

 三百年以上もの間、魔力の供給もなく自我を保っている俺は何だ?という話である。


(動かずにいたから魔力を消費していなかった、のか?うーむ……分からん)


 それに、だ。

 少女の話が真実なら、驚くべき事に技術が急速に進歩したのはここ最近。

 たった十数年の間だと言うではないか。

 それ程短期間で飛躍的な進歩を実現出来たのなら魔力の供給無しに稼働可能なシステムがあっても良さそうなものだが、そんな技術は無いらしい。


 俺は自分に使われているコアのデータを参照してみる事にした。

 人間の記憶にあたる部分、記録データならば閲覧可能なはずだと思ったのだが……

 三百年以上も劣悪な環境で引き篭もりみたいな状況にあった影響か、身体が欠損してしまった影響か、自分のコアデータが一部欠損しているらしく詳細データの閲覧が出来ない。


(閲覧不可って、おいおい。俺は自分のデータも確認出来ない状態なのかよ。これは思ったより不味いな。この少女が遺跡に来ていなかったら俺は気が付かないまま肝心要のコアまで機能を失っていた可能性もあるということか…

 嘘を付いている様には見えないが、ほんの十数年で飛躍的に技術が発展したというのはやはり変だ。これは自分で確かめるしかないか。俺が何者なのかも、な)



 そんなギリギリの状態で少女に出会った事。

 これは幸運と呼ぶべきだろう。

 理由は不明だが、自我データが無事であったおかげで今こうして修復のチャンスがあるのだから。


「何だか急に目の前の少女が女神に思えて来たぞ。頭以外瓦礫に埋まったままだけど……」

「何か言いました?質問は後にして下さいね」

「お、おう……」


 おっと、つい声に出していた様だ。

 気をつけよう……


 少女の言葉の中に出て来た永久機関。

 確かにそれが存在したなら三百年以上もの間、自我データを維持することができた説明にはなるかもしれない。

 しかし、そんなものは存在しない。

 現代でも実現不可能な代物がだ、俺が作られた当時の技術で開発されていたとは思えない。

 あるとすれば何者かが俺に魔力を補充していたのではないか?という推察だが、俺は早々にその考えを破棄した。

 仮にそんな事をする酔狂な奴がいて、それをする理由があったとしてもだ、少女が遺跡に来るまでの間、俺のセンサーは魔力の類いに一切反応していないのだ。


 思考に耽っている間に少女の話が終わった様だ。


「とりあえずはこんなところでしょうか。まだまだ話したい事が沢山あるのですけれど……」


 少女の勢いが落ち着いた今がチャンスとばかりに俺は本題を切り出す。


「ちょっと聞いてくれ。俺の身体は見ての通り朽ちてしまって使い物にならない。

 お前は機械人形に詳しいようだし、俺に新しい身体を作ってくれないか?

 動けるようになったなら何か礼をしよう。

 そうだな、お前が話していた最新技術の知識は無いが、俺の機能が回復すればコアデータを閲覧出来るはず。生態パーツについてなら少しは協力出来るかもしれない。

 丁度その辺りに俺のパーツがいくらか転がっているし…… まぁ、年代物で状態が良いとは言えないがサンプルくらいには使えるはずだ。どうだ?」


 このチャンスを逃すまいと一気に畳み掛ける。

 少女が再び喋り始めたら次に発言出来るのは当分先だ。

 ここで少女の協力を得て新しい身体を手に入れさえすれば、後のことなどどうにでもなる。

 そんな風に考えながら少女の返事を待つ。


「わ、私なんかで良いんですか?」

「(よし!興味を持ったな!)何を言う、あれだけ情熱的に喋っていたんだ。

 それにお前なら出来るのだろう?汎用コアとやらを使った機械人形の製作経験もあるみたいだしな。凄いじゃないか!

 見ての通り、ご覧の有様で俺にはお前しか頼れる者がいないんだ。頼むよ!」


 ここで見捨てられたら朽ちるまでこのままだ。

 多少煽ててもバチは当たらないだろう。

 だが、そんな俺の期待とは裏腹に少女は暗い表情で話し始めた。


「……たくさん偉そうに喋りましたけど、本当は自信なんかありません。

 貴方は凄いって言ってくれたけど、私はその…学校でも成績は後ろから数えた方が早いくらい悪いですし。特に実技なんかもうダメダメで……

 もちろん機械人形技師になるのが私の夢であり目標ですけど、才能なんか全然無くて、周りの皆には馬鹿にされるし、魔力だって弱くて……

 何も取り柄なんか無い駄目な生徒だから……

 貴方の力には…」


 俺は少女の話を黙って聞いていたが、だんだん腹が立って来た。

 あんなに情熱的に一心不乱に機械人形について語れる奴が、あんなにキラキラした眼差しで機械人形の事に真剣になれる奴が、自身が無い、だと?

 ふざけるな!そう思った。


 確かに俺は煽てて上手く少女に取り入ろうとした。

 けど、嘘は言っていない。

 少女が遺跡に来てからの短い間だが、俺は確かに感じたのだ。

 本気ってやつを。


 だが、目の前の少女は自分を駄目だと言う。

 気付けば俺はそんな少女に我慢出来ず喋り出していた。


「駄目駄目駄目駄目言いやがって!自信が無い?成績が悪い?そんなの始めから出来る奴なんて居ないんだよ!

 俺はお前と会ったばかりだしな、事情も知らねえ。簡単に頑張れなんて言わねぇよ。

 けどな、自分の夢が!目標が!お前にはちゃんと見えているのに、自分で自分を貶めるなよ!前を向け!誰に何を言われようがお前が自分自身を信じなくて、夢を貫こうって前を見なくてどうするんだよ!!!

 お前は最初に言ったな、機械人形技師になるのが夢だと、なってみせると。だったらなれよ。自分の可能性を自分で見限るな!」


天井の窓から太陽の明かりが差し込む。

 どうやら朝になってしまった様だ。

 俺はひときしり喋り終えると黙って少女を見据える。

 正直、自分でも驚いている。俺がこんな事を言うなんてな。

 ちょっと恥ずかしい。


(つい勢いで説教しちゃったけど、歳かなぁ。機械人形にも当てはまるのか分からないけど)


 俺の突然の剣幕に目を丸くして驚いていた少女は少しの沈黙の後、意を決した声で応えた。


「分かりました。それなら、私から提案…いえ、お願いがあります。

 私には今から新しい機械人形を作る材料もお金もありません。だから私が今作っている機械人形を差し上げます。

 ですから、その……

 あ、新しい身体に移れたら、少しの間で良いんです。私に協力してもらえませんか?」


 差し込んだ太陽の光が少女の埃で煤けた顔を照らす。

 少女の瞳は輝いていた。

 俺の突然の説教じみた発言に戸惑うでも無く、ただその溢れんばかりの情熱を瞳に宿して。


「(その目だ。それで良い)ほう、既に機械人形があるのなら話は早いな。勿論だ、協力しよう。

 契約成立だな」

「はい!よろしくお願いします!」


 太陽の様な満面の笑みで少女は元気よく応えた。


 良かった。

 これで新しい身体はどうにかなる。

 問題はその後だが、何やら協力して欲しい事があるらしいし、俺も状況を把握しないといけないわけだしな。

 新しい身体が手に入る礼だ。


 (それに恥ずかしい事言っちゃったしなぁ……

 しばらく少女に協力するとしようか)


「それじゃあ、早速お前の家に行くとするか。連れて行ってくれ、善は急げってやつだ」

「あの……」

「どうした?」

「動けないんですけど……」

「は?」


 瓦礫の山から首だけ出した少女は力を込めて抜け出そうと身をよじるが、瓦礫はビクともしない。


「……」

「……」


 二人は見つめ合い長い沈黙が訪れる。


「あはは、私も頭だけになっちゃいましたぁー、なんちゃって……」

「……」


 気まづそうに冗談を言う少女。

 目が泳いでいる。


 そして再び訪れる沈黙。


 今度沈黙を破ったのは俺の絶叫だった。


「はあぁあああぁ⁈どうすんだよ!

 俺の新しい身体が手に入らないじゃねぇか!

 お前、もっと力入れろ!抜け出せ!絶対そこから抜け出せよ!」

「わぁーーー!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!でも、無理ですぅ!」

「体を揺すれ!反動で抜け出せ!」

「瓦礫が痛くて無理ですぅーーー!」

「根性が足りんわーーー!」


 お互いに頭だけの状態でどうにもならない。

 俺は少女に檄を飛ばしながら、どうにか脱出出来る様にとあがいていたが一向に瓦礫の山から出られそうにない。

 しばらく奮闘していた少女も力尽きたのか黙り込んで泣き出してしまった。

 俺は慌てて少女を慰めようと試みる。


「す、すまん!強く言い過ぎた!謝るからもう泣かないでくれ」


 まずいまずいまずいまずいぞ!

 少女に機嫌を損ねられたら非常にまずい。

 新しい身体どころではない!

 大切な身体を失った事に気付いた時以上に動揺するとは思いもしなかったが、今はそれどころではないのだ。


「お……」

「お?お、って何だ?どこか痛いのか?」


 俺は幼い子供をあやすように出来るだけ優しく問いかける。

 そう、今は何より優しい対応が肝心なのだ。


「おトイレ行きたいですぅーーーーーーーーーーー!!!」


 絶叫だった。

 埃で真っ黒になった顔が真っ赤に染まって見える程の羞恥心を何かがぶち破り心の底から叫んだのだ。

 限界である、と。

 一晩夢中で語りまくっていたのだ。生理現象が起きても仕方ない。

 それに瓦礫の山から抜け出そうとして身体を動かしたことで緊張が緩んだこともあるのだろう。

 俺は現実逃避気味に視線を逸らし、冷静に、そう、冷静に考察してみる。

 正直諦めろとしか言えない。

 ここでの事は見なかった事にしてやる。今は脱出に専念するのだ。

 そう言ってやろうと少女に視線を戻すと、目に溢れそうなほどの涙を貯めてふるふると震えながら俺を見つめていた。


「く……(やめてくれ、そんな目で俺を見るな)」


 少女に仔犬の様な目で見つめられ、先程の考えを改める。

 あんな顔をされてはとても諦めろとは言えない。


 どう声をかけるべきか悩んでいると俺のセンサーが地響きを感知した。

 音は次第に近づいて来る。


 魔物だ。


 それもかなり大型の。

 間違い無くここへ向かっているのが分かる。

 あれだけ騒いだのだ、近くを通っていた魔物に気付かれたのかもしれない。

 少女も音に気付いて顔が引きつっていた。

 当然だ。二人共動けない状態ではまず生き残れまい。

 せっかく掴みかけたチャンスだが、こうなってしまっては諦めるしかない。

 正直、俺は生き残れる。

 センサーをオフにして文字通り死んだフリをしていれば良い。魔物もまさか頭だけのガラクタに興味を示さないだろう。

 しかし、少女は無理だ。

 その先は言うまでもない。無残な結末が待ってるのは分かりきっている。

 だけれど……


(あんなに夢中で機械人形について語っていた少女を、目の前で黙って見捨てるなんて胸糞悪いこと出来る訳ないよな。

 クソッ、今の俺じゃ出来る事は限られてる。

 というか、頭だけでどうしろってんだ!だが、可能性は低いがやるしかないか)


 俺は今日初めて会ったばかりのまだ名も知らない少女を助けると覚悟を決めて今出来る事を模索する。


(そう言えばまだ名前も知らねえや。笑えるな。

 機械人形の俺にもお人好しなんて性格あるのかな?)


 何もせず少女を見捨てて、また一人でこんな所に朽ち果てるまでいるなんて御免だ。

 可能性は低くくともやるしかない。

 俺は怯えて震える少女になるべく小さな声で指示を出す。


「いいか、近づいてくる音からして相手は十中八九魔物だ。それもかなり大型のな。このままじゃ助からない。

 今から俺の言う通りにしろ!いいな?声は出さなくて良い。分かったら頷け!」


 少女は俺の言葉に小さく頷く。

 先程よりも震えが酷い、顔も青ざめている。


 そりゃそうだ。死が間近まで迫っているのだ。

 むしろこの状況で取り乱して叫び声を上げない事を褒めてやりたいくらいだ。


 (まぁ、怖くて声が出せないってのもあるか)


「作戦だが、俺が奴の注意を引く。危険は承知だが、奴が近付けば歩く振動でその瓦礫も多少なり崩れ易くなるだろう。

 振動が大きくなったら力を込めて一気に抜け出せ!奴がお前に気が付かない保証は無いが、黙ってやられるよりはマシな筈だ。

 抜け出したら出口まで走れ。外へ出てからは、まあお前の運次第だな。

 他の魔物が居ない事を祈りながら逃げろ。止まるなよ!」


 自分で言って虚しくなる。

 何が作戦だ。

 こんなの全部賭けだ。

 助かる可能性がゼロから一にもなるかならないかってくらいの分の悪い賭けだ。


 自己犠牲。

 そんなつもりは毛頭無いが黙ってやられるだけなんて我慢ならないんだよ。

 機械人形舐めんな!


「さぁ、作戦開始だ!」



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