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50話目 シロとペイルの修行2

「ガグ」

「ガグ」

「普通ならなんて言っているかわからないっすけど、なぜかなんとなくわかるっす。ジルと言ってるっすね?」

「ガウガウ!」

「グン!」

「今は何を言っているかわからないっす。母音が変わっただけだとまだわからないっすよ」


 ここに来てから一週間。

 シロとペイルは頑張ってドラゴンの姿で言葉を話せるように頑張っていた。

 成果としてなんとか母音が変わったものの、ガ行のみなので何を言っているのかよくわからない。

 ただ、ジルのときだけは二人ともうれしそうに言うので声色からわかる。


「いいっすねジルくん。こんなに好かれているんなんて」

「ガー!ガー!」

「大丈夫っすよ。狙っていないんで」


 どうもジルの話をするとシロは不機嫌になる。

 ペイルは特に反応はないが。


「じゃあ今日の切断風(カッターウィンド)の練習っす」

「ガアッ!!」

「ちょちょ、シロちゃん気が早いっす」


 シロは翼を羽ばたかせ魔法を使った。

 目の前にある木をスパスパと切り落としていった。


「まあ、いいっすか。次ペイルくんっす」

「ガラアアッ!」

「うーん、でもいい成長っすねー」


 シロには劣るものの、年的に考えれば早い。

 いや、早すぎるレベル。

 平然とここにいるが、二人とも10を満たない年なんだ。

 その年でクーリアやサツキと同じ舞台に立ったらいままでの修業は無意味に感じる。


「あとは言葉のほうを頑張りたいっすねー」

「グゥ……」

「落ち込む必要はないっすよ。うちも苦労したっすから」


 こうして練習前の前日の成果を見せあう。

 その後にいつもの練習へと入る。


「言葉はいつも通り進めるとして、次の魔法を覚えるっすよ」

「ガウガウ!」

「ガアッ!」

「そうだった、このままでは何を言っているのかわからないっすね」


 ドラゴンの姿を話せない二人。

 人の姿になればいいが、これからドラゴンの姿で魔法を覚えなければならない。

 そのためにはドラゴンの姿のまま、言葉を理解する必要がある。


「今回はしっかり持ってきたっすよー」

『これで聞こえるのー?』

「聞こえるっすよー」

『今日は何をやるのー?』

「っと、その前にうちもドラゴンになるっすよ」


 そう言い、サツキはドラゴンの姿になった。

 シロとペイルより大きい。


「人になくてドラゴンにあるものってなんでしょうか?」

『牙!』

『翼!』

「牙も翼もそうっすけど、もうちょっと違うところっす」

『うーん、爪?』

「そうっす!今回はその爪の魔法っす」


 ドラゴンにはほかの種族に比べ、いろいろと優れている部位がある。

 その上、ほかの種族に対して大きさもある。

 中でも爪、牙、鱗、翼、場合によっては尻尾がドラゴンでも鍛えるものが多い。

 もちろん、皆が鍛えているから自分たちも鍛えないと不利になる。


「翼のほうは今のところ最低限できているから大丈夫っす」

『それで爪はどうやるのー?』

「今回はすごいっすよー!何せ前のよりかっこいいっすからね!」

『ほんとー!?』

『やったー!』


 嘘は言っていない。

 ドラゴンの中で爪を極めたものは山まで切り落とすまで言われている。


「じゃあいつも通りまずお手本っすけど、今日も移動っすよ」

『『はーい!!』』


 飛んですぐ。

 大きな岩や小さな岩、たくさんの大きさの岩がある場所だ。


「この大きさでいいっすか」


 ひとつの大きい岩を見つけ、そこへ移動した。

 大きさはげきりんっげげき10メートル。

 こんなのが転がってきたらひとたまりもない。


「じゃあいくっすよー!竜撃裂(ドラゴン・クロー)!!」


 腕を振り落とすと岩がばらばらに切り裂かれた。

 木ではなく岩を何等分に。

 硬さはもちろん、大きさも違う。


『すごーい!!』

『かっこいい!!』

「ふっふーん!これはおすすめっすよ!」


 ほかの部位に比べ、爪は攻撃力が高い。

 そして使いやすくもある。

 覚えればひとつの武器となる。


『どうやるのー?』

『教えてー!』

「さっきの竜撃裂(ドラゴン・クロー)と言いながら腕を振るだけっす。コツは目の前にあるのを切り落とすぞー!っていう感じっす」

『『やってみる!』』

「でも最初からやるのは危ないからそっちの木からやるっすよー」


 普通の爪でも木は切れるが、岩は爪を傷つける可能性がある。

 そんなことになったら修業の期間が短くなってしまう。

 安全かつ早めに。


『『竜撃裂(ドラゴン・クロー)!!』』

「おっ!シロちゃんいいっすね!」


 目の前の木が真っ二つに切れた。

 ただ振るだけだと、シロはせいぜい傷跡がつく程度。

 そう考えるといい成果だ。


「ペイルくんもいい感じっすね」

『切れなかったー』


 木には大きな傷が付いたものの、切り落とすまではいかなった。

 それでも大きな傷を残している。

 二人とも初めからこれほどできれば十分なぐらいだ。


『お姉ちゃんすごーい!』

『えへへ。ペイルもすごかったよ!』

「本当っすよー。本当に教える必要あったんすかねー」


 本当にそう思うぐらい、もともとの才能があった。

 親が親だけあって子も引き継いでいるようだ。


「最初からできてもこの後引っかかる可能性あるから気を抜かないで下さいよー」

『『はーい!』』


 それから何回か練習をした。

 ペイルも負けずとやりこんでいくうちに木を切り落とすほどまで行った。

 シロに至っては木を通り越し、奥の木まで貫通するようにまでなった。


「そうっすね。試しに岩でやってみますか?」

『いいの!?』

「シロちゃんはいいっすよ。ペイルくんはもうちょい練習しましょうか」

『はーい!』


 シロはもう岩で練習してもいいだろう。

 普通なら早すぎるけど、シロならできる気がする。


『いっくよー!竜撃裂(ドラゴン・クロー)!!』


 岩には大きな傷跡が付いた。


『さっきみたいに砕けなーい!』

「それでもこんだけでかい跡が付いたのは驚きっすよ」

『そうなの?やったー!!』


 なにより驚いたのは、これだけのことをしたのに爪に傷はなし。

 初めて硬いものを壊そうと使えば大体かけたりする。

 それなのに傷一つない。


「なにかコーティングでもされているんすかねぇ」

『なにがー?』

「いや、シロちゃんの爪は頑丈だなーって」

『ジルがいつも削ってくれるの!あっ、人の姿の時だけど!』

『おなじくー!』


 二人とも爪に傷はなし。

 ジルの手入れがこんなことを起こすのか?

 いや、二人とも綺麗にやってもらったのを壊さないようにしているんだろう。


「よし!今日のこっちのほうはおしまい!話す練習をするっすよ!」

「はーい!」

「いい返事っすねー。早速魔法……を……」


 あれ?今普通に外していたから聞こえないはず。

 でも今返事が聞こえたような。


「シロちゃん、何か言ってみてほしいっす」

『ゴアアッ!』

「気のせいみたいっすね。何言っているか分からないっすから」

『グウ?』


 二人は先週同様話す練習をしつつ、新しい魔法を。

 ドラゴン相手でも負けないほど成長をしていった。

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