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38話目 プールの後ってめちゃくちゃ眠いよね

「じゃあそろそろ行こうかしら」

「そうだね」


 暗い話はここまで!

 今は楽しもう!

 せっかく泳いだりして遊べるんだし。


「ジルー!お話は終わったー?」

「終わったよ」

「じゃああそぼ!こっちこっち!」


 ああ、この笑顔は何でも浄化してくれる。

 悪い子としたら速攻で暴露しちゃいそうなぐらい。

 もしかして浄化する魔法でも解き放っているんじゃない?


「あっちでペイルが面白いことしてるんだよー!」

「へー、何をしているの?」

「ほら、あれ!」


 ……浮いていない?

 いや、浮いているっていうか飛んでるっていうか。

 なんであんな高いところにいるんだ?


「……何しているの?」

「ペイルに何かしないの?って言ったらあんなことしてた!」


 なんて事させてるんだよ…。

 というかなんでみんな平然と見て楽しんでるんだよ!

 先生も『いい景色ねぇ』みたいな感じで見ているし。


「なんでみんな冷静なの…」

「なんかジルがやったんでしょーとか言ってたよ!」

「あー、え?」


 ずっと話していたのに俺のせいになってる?

 どゆこと?


「あらジルくん!ペイルちゃんすごいわねー!」

「ええ。まさかあんな芸ができるなんて」


 あんなことできる犬なんて存在しないよ!

 噴水のてっぺんでくるくる回るとかどんだけだよ!

 と言ってもペイルの正体がばれるわけにはいかない。

 ここは俺が引き受けておこう。


「す、すごいでしょー!」

「ええ。でもあまり無茶させちゃだめだよ?」

「はーい…」


 ということでペイルを回収。

 まったく、驚かされることをするなあ。

 魔法を使えてうれしかったんだろう。

 気持ちはわかるけど、ここでやられると困るからな。

 後で教えておかないと。


*


「ねむーい…。ジル―」

「ほら、しっかり歩きなって」


 結局ずーっとペイルと遊んでいた。

 あの後はペイルに注意をしたらみんなが『次はなにするの?』と言われる始末。

 何個か繰り返しやっていたらいつの間にか日が暮れていた。

 俺はもちろん疲れていてペイルも疲れていた。

 というか寝ているから俺がだっこしている。


「ガウは元気だよな…」

「そりゃあ男だからな!これ…ぐらい」


 見栄を張っていただけだった。

 みんなも眠そうだ。

 シロに至っては眠さのあまり俺に寄っかかってくる。

 やめてくれ…。

 本当に倒れてしまう。


「せんせー、ヘルプー」

「はいはい。ほら、シロちゃんおいで」

「は~い…」


 眠いおかげでやけに素直。

 ありがたい、ここで駄々こねられると俺も駄々こねたくなる。

 これで少し楽になった。


「ジルくーん、肩かしてー」

「いや、リーシュちゃんは自分でどうにかできるでしょ…」

「けちー」


 なんで俺ばっかり…。

 頼む!近いからまだいいけど俺も眠いんだ!


「これは帰ったら即解散のほうがいいかもねー」

「そうね。夕飯どころではなそうだし」

「ほらみんなー!あと少しよー!」

「「「「はぁ~い…」」」」」

「ダメみたいね」


*


「ん~…」

「クゥ…」


 部屋につくと二人はぐっすり眠ってしまった。

 途中で寝ていたけど。

 シロは先生に運んでもらった。

 すごく助かったけど、そのあとは俺がやることに。


「せめて着替えてから寝てほしかったけど、仕方ないか」

「なにか…いった~?」

「いや、何でもないよ。おやすみ」

「おやすみ~」


 本当は体を拭かないといけない。

 みんなもそうだろう。

 一応、体を綺麗にする魔法があるからな。

 それで綺麗にしておこう。

 もちろんペイルも。


「ありがとージルー」

「あはは、どういたしまして」


 目を閉じて寝ているのにお礼か。

 寝言がぴったりあって面白い。

 俺も寝ないとな。


「そういえば、こんなの渡されていたなあ」


 一枚の紙を置きっぱなしにしていたのを忘れていた。

 前とは違い、こっちの夏休みは暑くなってからすぐある。

 ようするにこの紙は夏休みについて書かれている。

 書いてあることは前の世界と変わらない。

 期間は1ヵ月。

 みんな実家に帰っていく。

 先生たちはその間、冒険者に戻り勘を取り戻す。

 誰も学校にいない日が続く。

 安全上、校長はいるみたいだけど。


「どうしようかな。父さんに頼もうかなあ」


 もちろん俺も実家に帰る。

 ただ考えていることが一つ。

 強くなりたい。

 そのために訓練をしたい。

 元々気長に暮らしていこうと思ったけど、ドラゴンにも危険がある。

 シロとペイルは俺が守るんだ。

 強くならないと。


「ふあぁ~あ、寝るか…」


 今日はもう寝よう。

 遅刻なんてしたくないしね。



……………

………



「――きろ。起きろ。人間の子よ」

「へ?」


 あれ?

 寝ていたはずなんだけど、ここどこ?


「うむ、(うぬ)が戸惑うのは仕方あるまい」

「ラグドラーグさん!」

「久しいな。一か月ぶりか」


 どこかは分からないけどお久ドラゴン!

 やっぱいつ見てもかっこいいなあ。


「それでどうしたの?」

「強くなりたい、そう聞こえてな」

「声に出したつもりはないんだけど…」

「それのおかげで聞こえる」


 このペンダント?

 これってそんな昨日まであったのか。


「それで休暇があるのか?」

「うん。夏休みがあるよ。一か月間」

「ほう…」


 考え事をしている。

 何を考えているんだろう?


「うむ。強くなりたいなら出会った場所に来るがいい」

「え!?」

「何、少しぐらい鍛えてやろうかと」


 まじで!

 ドラゴン直々に教えてくれるの!?

 これは乗るしかない!


「まあ家の事情もあろう。考えてから来たまえ」

「わかった」

「うむ。では、またな」


 話が終わると目が開いた。

 というか起きた。

 もう朝だ。

 体は眠った感覚なのに記憶は起きたまま。

 なんか変な感じ。

 夢を見たけどそれがくっきり覚えたままのような感じなのかな。


「シロ―起きてー」

「んー、もうあさー?」

「そうだよ。ほら、早く起きて着替えないと」

「はーい…」

「ペイルも、起きてー」


 この朝の一通りの流れも慣れてきた。

 基本全部俺が起こしているしな。

 ……二人とも自分で起きるようになってほしいなあ。

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