25話目 現実
◆~ リーシュ・アクアリア ~◆
今日もまたいつも通り。
何も変わりはない。
夜風がとても心地よい。
本当に異変なんてあったのかしら?
「ん?何かしら?これ?」
夕食後、部屋に戻ったけど特にやることもなく歩いていた。
先生に見つかったら怒られるからもちろん対策もして。
「これは、不干渉魔法だわ。何か実験や訓練でもしているのかしら」
単純に会議かもしれないけど。
でもここまでやるなら相当重要なことだわ。
…少し見てみましょう!
これは調査、調査なのですから!
「透明人間に強制入場!これなら大丈夫だわ!」
おっとっと。
声を出したらいけないわね。
*
部屋をのぞいても誰もいない。
会議でも訓練でもなさそう。
それに範囲も少し大きいし。
もしかしてみんなが寝ている部屋?
それならすぐ近くまで来ているから行ってみよう。
「よし!届けたわ。あとは」
「囮くんに話すだけね!」
誰、かしら?
黒いモヤのせいでよく見えないわ。
こんなの見たことないわ。
200年でここまで進化する者なのね。
とりあえず追ってみましょう。
囮くんってのも気になるし。
この学校で何か起きているっぽい。
「着いた!」
「さっさと終わらせちゃおう!」
ここは、誰の部屋かしら?
自分の部屋とジルくんとシロちゃんの部屋しか知らなかったわ。
一緒に入っちゃおう!
「誰!」
「どもどもー!」
「シャル&ネルでーす!」
「シャルちゃん…ネルちゃん?こんな時間に?」
お笑い番組みたいに登場するね。
黒いモヤが晴れていく。
シャルちゃんとネルちゃんだったのね。
「あれあれー?」
「一緒の部屋にいるはずの人がいないですねー」
「ガウならほかの友達のところに行っているよ…」
「おお!それは好都合!」
「ラウくん!よく聞いてね!」
「まずはこれを見てね!」
「これは?」
「映像水晶。今別の部屋の状況を見れるの」
「…!フウちゃん!」
フウちゃん?
ちょっ、私にも見せて!
「ここはどこ!」
「教えてほしい?」
「教えてほしいよね?」
「いいから早く!なんでこんなことを!」
「ふふっいいねいいね!」
「そういう表情は好きよ!」
この2人様子がおかしいわ。
さっき2人を覆っていた黒いモヤがまた出てきた。
「「!?!?」」
「見るのは初めてよね」
「これが、ぼくたちの正体だよ」
悪魔ですって!?
私でも覚えているわ。
人類に絶望を与える存在の一つ。
ドラゴンとはまた別の恐怖だわ。
「ウチたちの要求は一つ」
「これを奪ってくること」
「これを…?」
そんなことは許さないわよ!
どれどれ?
何を奪おうとしているのかしら?
『お遊びはそこまでよ。こちらに来てもらおうかしら』
「え!?」
視界に映っていたものが変わった。
飛ばされた?
どこに?なんで?
それよりなんでバレたの!?
「理由はこの子よ」
「コウモリ?」
「そう。コウモリは目ではなく超音波で動くのよ。透明化しても意味はないわ」
目ではなく耳ね。
そこまでは対策はしていなかったわ。
それより誰なのかしら?
こんなことをできるなんて先生か招かれざる客か。
「声を変えたからわからないようね。これでどう?」
「うそ…」
「うそじゃないわ。このとおり」
「クロちゃん…」
*
「さて、私たちの願望まであと少し。邪魔はさせないわ」
「邪魔?何を企んでいるの?」
「あなたには関係はない。内容を話す必要もない。ただおとなしくここで倒れていればいいのよ!」
「くっ!…あれ?」
「余裕そうね」
力が、出せない?
ある程度は使えるけど神の特権がない…。
まずいまずいまずいまずい!
なんでなの!
これじゃあ人間と変わらない!
これが死への恐怖。
背中に冷や汗が流れているのが分かる。
普段みんなこんな状況で戦っているの…?
「そっちが来ないならこっちから行くまでよ!」
「キャアァァ!!」
どうしよう…。
今まで神の力を頼っていたからどうすればいいのか…。
いや!
あれさえ使えれば!
「お願い出てきて!神水晶の杖!」
よかった!
普通の魔法でしまっといたから取り出せたわ!
「ここから反撃よ!」
「…楽しみね!」
「水竜!」
「なにこれ!?」
「特別な魔法よ!」
いわゆるチートアイテム。
魔力が必要ないし、使い慣れていなくてもいい。
ただ、使える魔法が限られているのが残念なところ。
と言っても使える魔法は多いから全然使える。
「まだまだ!水竜」
「ウッ!…くそっ…!」
これならいける!
次の攻撃で仕留める!
「ふふっ。本気を出さないと私がやられそうね」
「え?…あっ!」
忘れていた!
悪魔は本来の姿に戻ると戦闘能力が!
「遅いわよ!」
「守って!水の人形!」
「甘いわ!影爪!」
「っ!?!?だ、超束縛…!」
「あら?」
速いって…。
しかもゴーレムも簡単に倒された。
でもよかった…。
何か来ると思っていたから構えといたのよ!
「これは、見たことあるから大丈夫だわ。おりゃっ!」
「うそでしょ…。笑えないわよ」
「ただの悪魔だと思わないほうがいいわよ?」
「どういうこと…?」
「これを見て分かるかしら?…いや、知っていそうね」
「その羽は吸血鬼!」
「正解。本当に子どもなのかしら?」
「その言葉、そっくり返すわ」
「あははっ!私は子供の何十倍も生きているわよ?」
さすが悪魔。
寿命も比較にならない。
おまけに吸血鬼ときた。
「吸血鬼は悪魔の中でも上の存在だった。何不自由なく優雅に暮らせていたわ。いつものように感じる生活でも楽しく思えていたわ。それなのに、それなのに!たった一日で居場所を奪われたのよ?…あなたにこの気持ちが分かるかしら?」
「だからってみんなを巻き込まなくても!」
「…いくわよ」
「あぶなっ!」
さっきより力が入っている。
どうやら仕留めに来ているわね。
「そっちがそういう気なら私が止める!」
「させない!」
「事が収まるまでおとなしくしていて!凍結された牢屋!」
「なっ!?」
うまく捕らえることができた。
「そこは肉体だけではなく魔法も凍らせる牢屋。そこでおとなしく反省してなさい」
「ふっふっふっ、私がいなくても2人が成功させるわ」
「…2人も止めるわ」
「油断しないことね…!!」
強かった…。
やっとクロちゃんを止めることができた。
休んでる暇はないわ!
早く2人、シャルちゃんとネルちゃんを止めなければ!
*
2人を探し歩いてたら何か大きな声が聞こえた。
「この声は…シロちゃん!?」
シロちゃんの声が聞こえた。
けどいつもとは違う。
ドラゴンの声だった。
2話ぐらいでおわるかなーって思ったら全然終わらない...
ついつい足していってしまう




