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「国王陛下は能力主義の冷酷な方じゃないか」
ジョゼがこっそりサラに言った。
「第二第三王子を謀反の罪で粛清されたのも話す気か?」
「それはあの子自身が見て判断する事さ」
サラはため息をついて言った。
「あんな世間知らずで素直すぎる子、見たことがないよ」
父親が猜疑心の塊で、魔導師たちは己の力を誇示するのに必死、貴族たちは互いの足を引っ張っているばかりだなんて。
どう説明したらいいんだ。
魔法学院にいる三人の息子と、四人目のお妃の仲も険悪らしいし。
ま、お貴族様の事は、私ら平民が口を出す事じゃないけどね。
サラの講義は続く。
「ダーラムシアは森と山が多い、細長い国。
西側の平地、ローランディアに近い方に王都があるのは、東に行くほど森が深くなって、強い魔物が出て来るせいなんだ。
東の端の高い山が国境で、それを超えると、魔の大森林地帯。
森の果てを極めた者は誰もいない」
フランツが好きだった、冒険物語の舞台だ。
魔法使いと冒険者の国、ダーラムシア。
その魔法使いに、僕がなれるかもしれない。




