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魔力で攻撃され、一瞬で大きな被害を出して、父上は、降伏した。
勝利に酔った敵兵たちの略奪と暴力が収まったので、俺は隠蔽の魔法を解く。
わずか数時間の事だったのに、もう、俺は魔力切れでへろへろ。
なんて弱っちくなっちまったんだ、俺って・・・。
城を見回ってた敵の将らしい人物が、片隅にかたまっている子供の集団に気付いて、あれっ、ていう顔して、部下に何か言った。
しばらくしたら兵士が俺たちを連れ出しに来て、中庭に集められた城の人たちと一緒にした。
子供たちが家族の元に走っていき、抱き寄せられる。
探し回っても、家族を見つけられない子が何人か、知り合いらしい女たちに囲まれる。
母上の侍女のティサが姫さんを見つけ、抱き上げて中に入っていく。
俺もよろよろついて行こうとしたら、戸口のところで見張ってる敵兵に捕まえられ・・・ようとしたんで、するっと逃げて中に飛び込んでやった。
はっ、トマスよりとろい奴め!
そのトマスは、姿が見えないなぁ。
俺は人だかりのしている広間に忍び込み、大テーブルの下に潜り込んだ。
広間の、父上のいつもの席には、傲慢そうな敵の将が座っていて、父上と、母上と、フランツ、あと数人の父上の部下が、中央に立ったまま。
降伏の儀式とか宣誓はもう終わったらしく、武具も武器も付けていない父上は、敵に囲まれても誇り高く頭を上げている。
母上が喜びの声を上げて姫さんを抱きとった。
・・・父上たちは、帝国の捕虜になったんだ。
帝国に護送されて、身代金が払われるか、捕虜交換に使われるかするまで、引き止めておかれるんだって。
父上とフランツと部下たちは先に連れ出され、母上は情け深くも[ケっ!]身支度をさせてやると言われ、侍女のティサと姫さんのエマを連れて部屋に戻され、荷物をまとめた。
母上が自分で大事そうにまとめたのは、赤ちゃんの肌着だ。
おれもそーっと忍び込んで、姫さんのそばに座った。
「ねこしゃん・・・」
姫さんがぎゅうと抱きついてくる。
母上が気付いて、声をかけた。
「マリアン、ねこさんは・・・」
姫さんは涙目でぷるぷると頭を振る。
母上は決心したようにうなずいて、言った。
「エマ、ねこさんにブラシをかけておやり」
そうして俺は、ぴかぴかに磨かれ、首にリボンを[あ、ピンクはやなんだけど・・・]結ばれて、とっておきの『世界一気立てのいいおとなしい犬ですー』って顔をして、姫さんにぴったりくっついて階段を下りて行ったんだ。
この後に、まちがえて数時間だけ他の作品を乗せてしまいました、
変に思った方々にお詫び申し上げます。




