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最強の獣のまったりライフ   作者: 葉月秋子


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 後で聞いたことなのだけれど、ガタカン帝国の旗を立てた正式の使者が、交渉にやって来たのだそうだ。


 使者を攻撃するのは、掟違反だ。

 

 父上が防戦の手を止め、使者と話し合おうとしたとき、城の後方へ回り込んだ敵の魔法部隊が、全力で炎と土系の大魔法を打ち込んだらしい。


 あっちこそ、とんでもない掟違反じゃないか!


 魔法の国、ダーラムシアと手を組んだことをローランディアに誇示するために、帝国は辺境の父上の城を標的にした。

 魔法の力で壊滅的な打撃をあたえ、王都の人々への警告にしようとしたんだ。


 昔から続いてきた戦争の協定に違反すると、ローランディアは激怒したらしいが、後の祭り。



 もう、その場の俺たちは大混乱だよーっ!



 大きな魔法攻撃だってわかってたのは俺だけで、いきなりすごい雷みたいな音が鳴り響き、城壁がガラガラ崩れたんだもの。


 女子供が泣き喚いて、もう大変な騒ぎ。


 中庭に敵兵が押し寄せ、こっちにも入って来たけど、こちらは戦えない者ばかりだ。


 抵抗した厨房の男たちはぼこぼこにされ、兵士たちは略奪を初めた。

 食料を漁り、避難民や下女の中から若い子を攫って行く。


 敵だ!敵だぞ!

 ものすごく攻撃したかったけど、俺の役目は「守り」だ。


『おすわり!』

 俺は周りにいる十人くらいの子供たちを片隅に集めて、「隠蔽」の魔法をかけた。

「 不可視(インビジブル)」みたいな 大きな魔法じゃなく、魔力の消費の少ない、ちょっと見つけにくくなる、くらいの軽いやつ。


 今の俺の魔力じゃこれが精いっぱいだ。


「ねこしゃん・・・」


 姫さんがぎゅーっと抱きついてきた。

 怖いんで幼児言葉に戻っちまってる。


 大丈夫。大丈夫だよ。姫さん。

 父上は、強いから。




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