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二日後、村から黒い煙が上がった。
「焼き討ちだ!」
父上は兵士たちを率いて出ていく。
進路にある集落に火をつけながら、敵がこの城に向かって進んでくる。
女子供だらけになった城の中は、もう騒がしいったら。
十歳以上の子は荷物運びに駆り出されたけれど、姫さんたち小さい子は年寄りと乳飲み子をかかえた女性、妊婦さんに預けられて、大人の邪魔をしないのが仕事。
夏の水遊びで一緒だった子もいて、姫さんと同じくらいの子供たち十人集まると。
もう、俺なんて、もみくちゃ。
尻尾を引っ張るなっ!背中を乗ろうとするなっ!
俺のことおもちゃにするんじゃないよっ!
俺たちは中庭に出ちゃいけないって言われて、戦況はよくわからないけど。
けがをした兵士が運ばれてくる。
代わりの男たちが出ていく。
厨房の男たちが、食料の心配をしてる。
城の外から、ワーッと言う歓声が聞こえるようになった。
そうして、数日たったある日。
姫さんと遊んでて、空気が変わったのに気づく。
全身の毛が、ざっと逆立った。
大きな、魔力の流れ。
やばいぞっ!と立ち上がった途端。
どおん!と大きな音がして、城壁に何かがぶち当たった。




