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最強の獣のまったりライフ   作者: 葉月秋子


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 呆然としているうちに、別れがやって来てしまった。


 収まらないのは、姫さんだ。


「いやーっ!ノアはうちの子よぉーっ!いっちゃいやーっ!」


 前の時と同じに、ノアにしがみついて、わんわん鳴いて。

 文官が邪険にノアを引っ張り、母上が姫さんを抱きしめて引きはがす。


 バチッ!


 火花が飛んで、大人二人が目を剥く。

「そんな!腕輪はちゃんと魔力を封じているはずだ」

 文官があわててノアの腕を持ち上げる。

「もが・・・」

 母上がしっかりと姫さんの口を押えた。


 皆の気をそらそうと、俺はあわててノアに飛びついた、

「わあっ!」

 文官が驚いて下がろうとして・・・あ。尻もちついちゃったね。


 馬車のわきの水たまりだ。ザマみろ。


「ねこさん!」


 ノアの小さな胸に、俺は頭を押し当てた。

 ノアはいつもみたいに、頭をくっつけて俺の首筋をガシガシ撫でる。


「・・・ねこさん、いままでありがとう。

 マリアンを、お願い・・・」


 ちくしょおっ、そんな寂しそうな声出すなよ。

 

 両手の魔道具を調べてみる。

 うん、これは魔力が外に出ないようにするためのものだ。

 体の中の流れには、影響ない。

『しっかり魔力を循環させて、練るのを忘れないようにしろよ』

 心話が聞こえるけれど、道具のせいで自分は使えないノアは、はっきりとうなずいた。

 俺の言葉、だいぶ通じるようになったのになぁ。



 ああ、馬車が出て行っちまう。


 元気でな、ノア。


 俺、もう、胸がいっぱい。


『うぉーーーーーおんおんおん』

『うぉーーーーーおんおんおん』

「あーん、やだーっ!ノアーっ!」


 俺の遠吠えと、姫さんの鳴き声が混じる。


 今度だけは、うるさいって遠吠えを止めようとする奴はいなかった。




 

 


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