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考え込んでしまった、ノア。
そりゃ、帰りたいだろう。
だけど、ローランディアの王様と人質の誓約を交わしたダーラムシアの王子がいなくなれば、宣戦布告も同じこと。
預かった父上まで罪に問われる。
それに、ダーラムシアはまだ、ノアは魔法が使えないと思ってるぞ。
誰がノアの魔力を封じていたのかもわからないままだし。
情報が何もないまま、動いちゃだめだよ、ノア。
『この城は落ちますぞ、ノア王子』
あんなことを言い残して、ノアを不安にさせてった曲者。
今度会ってみろ。たたじゃおかないぞ。
不審者が奥まで侵入したんで、母上はベスの他に女官二人と小姓のトマスを子供部屋につけ、姫さんとノアを見守らせる。
俺は神経が尖がっちまって、中庭をぐるぐる回って不審な臭いを探し、子供部屋を点検し、居間を見張り、姫さんの相手をしてからまた中庭へ・・・。
巡回ルートを作って、毎日くるくる回るもんだから、神出鬼没だって笑われたけど、相手は魔力持ち。油断できないぞ。
父上からの伝令が届く。ガタカン帝国は第一、第二砦を占拠。
父上たちは第三砦に籠って応戦中だ。
王都からの援軍が来るまで、なんとか持ちこたえると言って来たけど、みんなの話を聞くと、第三砦は小さくて、食料の備蓄も少ないらしい。
母上は城の守備兵をぎりぎりに削って、応援の兵と援助物資を送り出した。
早く、早く王都からの援軍が来ないか。




