49/253
10
10
ふう、危ない危ない。
おいノア、魔法が使いたいのはわかるけど、得体のしれない奴にふらふら乗せられるんじゃない!
前会ったジプシーの女と言い、この吟遊詩人といい、なんだかお前、狙われてるぞ。
しかしこいつ、たいした魔力も感じなかったのに。生活魔法ってか・・・。
どかんと大きな魔法をうつ奴は見分けやすいんだけど、こういう微量の魔力ってわかりにくいなー。
まいったぜ。
「えいっ!えいっ!」
やれやれ。姫さんにも魔法使いごっこがうつっちまった。
だから、指を鳴らそうとしたり、棒を振り回したりするだけじゃダメなの。
だいたいそのちっちゃな指じゃ音なんか立てられないでしょ。
姫さんは、ただの遊びだと思っているけど、ノアは。
『ノア』
一人ぼっちで奥庭の隅にしゃがんでるノアを見つけて、俺は横に座り込んだ。
ノアの痩せた小さな手が俺を抱く。
「・・・ねこさん・・・」
わぁ、そんなに悲しそうに鳴くんじゃないよ、ノア。
「ねこさん、僕、魔法を使えるようになりたい・・・。
役に立たない子だって、言われたくないよ・・・」




