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食卓の下でゆっくり骨をかじっていたら、余興が始まった。
秋の収穫祭に来た吟遊詩人の一人を、一冬食客として迎えることとなったんだ。
こういう人たちは、気候の良い時はあちこち流れ歩き、厳しい冬はどこかの館に留まって歌を聞かせ、春になるとまた流れていく。
あちこちでいっぱい歌を集めながら流れ歩き、年を取ったらどこかの城の専属になって悠々暮らすっていうのが、吟遊詩人の理想の生き方なんだって。
リュートを持った栗色の髪の中年の男は、まだ修行中で、春にはまた旅に出るそうだ。
軽い小曲を何曲か弾き、子供たちに楽しい歌を聞かせ、本腰になって歌い始めたのは、「ローランドの勲」
ローランディアの初代の王様が、まだ一介の騎士だった頃の冒険だ。
あー、でもこれ・・・正義の騎士が悪い魔法使いと戦う章だよなぁ・・・。
またノアがフランツにいじめられそうだ。
姫さんの隣に座ってるノアは、夢中で歌を聴いてるけど、頬が赤いのは、林檎酒のせいじゃなさそうだね。




