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冬至のお祭りの御馳走は凄かった。
一年の締めくくりの大事なお祭りだ。
林檎風味の子豚の丸焼き、栗を詰めた雉の蒸し焼き、脂ののった骨付きの牛のバラ肉は、たれをかけながらじっくり炉であぶったもの。
あの時のチビ犬は餌につられて肉回し機に戻ったけど、時々肉のかけらを差し入れてやるんで、ご機嫌でくるくる回っている。
普段のパイは普通の小麦粉にラードかスェット(牛脂)で作るんだけど、お祭りのパイは、上等の小麦粉をもう一度ふるいにかけた、きめ細かな粉とバターで作るんだ。
甘いの辛いの、いろんな種類のパイは、被せたパイ皮にいろんな飾りつけをして、卵黄を塗ってこんがりぴかぴかに焼きあげてある。
河口から届く太った鮭は、おなかに塩とディルを詰めて葉っぱにくるんで丸焼き。
上流まで登った鮭は、疲れて痩せてるからおいしくないんだって。
ひと月も前から酒に漬け込んであった干しブドウと、ナッツと、スパイスをぎっしり混ぜ込んで焼いた、どっしりしたフルーツケーキ。
卵白をしっかり泡立てて、軽ーく焼いたスポンジケーキは母上のお気に入りだ。
姫さんは、貴重品の砂糖(糖蜜から精製するのは、お金も手間もすごくかかって大変なんだ)をたっぷり使った軽いカスタードパイに、クリームをどっさり乗せたものが好き。
俺の気に入りは。ごっくん。熊肉のハムだーっ!
じっくり熟成したお肉に、塩と輸入品の胡椒をすり込んで、ヒッコリーのチップで軽くいぶした、フレッシュなハム。
保存用のハムはしっかりいぶして固くして長持ちさせるんだけど、ちょっと煙臭くなる。
軽くいぶしただけのこれはうまいのなんのって。
小姓が肉を切り分けた後の、銀の大皿にのってた、たっぷり肉のついた骨をかっさらっ・・・いや、いただいて、じっくりゆっくり楽しんだ。
俺の誕生日だもん。ちょっと贅沢したって、いいじゃん?
いやー、ジビエ料理って最高!




